法務に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

法務に向いている性格・適性

法律が好きな人

法務に向いているのは、なんといっても法律に対する関心が強く、「法律を使った仕事がしたい」という意思が明確な人です。

当たり前といえば当たり前のことですが、法務は企業のなかでもかなり特殊なポジションであり、人によって向き不向きがはっきりと分かれます。

商品やサービスを売ったり、新しい企画や技術を開発したりと、いわば「前向き」に自社の利益に貢献する職種ではなく、法務は、クレーム処理や訴訟対応など、どちらかというと「後ろ向き」の仕事ばかりです。

法律を各種諸問題にあてはめて、法的に正しい解決を図るという、仕事内容そのものに興味をもてないと、モチベーションを維持することさえ困難かもしれません。

しっかりと法律を勉強するなどして、学生時代のうちに自身の適性をしっかりと見極めることが不可欠となるでしょう。

性格的には、日常生活のなかでも何事も理詰めで考えるタイプの、論理的な人が向いている傾向にあります。

モラル意識の高い人

近年では、コンプライアンス(法令遵守)という言葉はすっかり一般的なものになり、企業運営にも「倫理観」が強く求められるようになっています。

SNSによってありとあらゆる情報は一瞬にして拡散しますので、細かなルールもきちんと徹底して守る企業でないと、あっという間に消費者からの信頼を失ってしまいかねません。

そういった現代のビジネスシーンにふさわしい企業モラルを植え付けるべく、社員はもちろん、アルバイトなど非正規の従業員にまで、しっかりとコンプライアンス教育を施すことも、法務に課せられた役割です。

社会の一員であることを常に意識し、自分よりも全体の利益を優先できる人、ルールを守ることを重視できるタイプの人は、法務担当者向きの人材といえるでしょう。

例えば、ゴミを細かく分別して捨てるという人や、どんなに疲れていても優先座席には座らないという人は、法務に合っているかもしれません。

勉強熱心な人

法務は、就職した後も、学生時代と同等か、あるいはそれ以上に、大量の勉強に励まなくてはなりません。

業務に関係する法令は軽く数十に及び、条文ひとつを理解するだけでも、相当の時間がかかります。

そうやって理解した法律も、時代の変化に伴って頻繁に改正されていきますし、法解釈も変わっていきますので、常に勉強を欠かすことはできません。

また、法律だけでなく最新の裁判例も学ばなくてはなりません。

したがって、法務には、長時間机に向かって難解な法律文章に頭を悩ませ続けることのできる、勉強熱心な人が向いているでしょう。

もしも机でじっとしているよりも体を動かしているほうが好きなら、営業職など外に出ていくタイプの職種を目指したほうがよいかもしれません。

法務部門で働くには

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法務に必要なスキル・能力

話術

法務は、デスクワークが主体となるものの、他部署の社員から法務相談を受け付けたり、経営陣に法的リスクをプレゼンするなど、誰かに説明する機会も多い職種です。

その際には、十分な専門知識をもたない人にも理解できるよう、難解な法律問題をわかりやすく解説する「話術」が必要になります。

法務はあくまで一般企業の社員ですので、たとえ自分自身が完璧に法律を理解していても、相手にその内容が伝わらなければ、組織の一員としては失格です。

法務担当者には、裁判官検事など、同じ法のプロを相手に戦う弁護士とはまた別の種類の話術が必要になるでしょう。

慎重さ

ひとつひとつの仕事に重大な責任を負う法務には、ほかの職種よりもはるかに高い慎重さが求められます。

組織のリスクマネジメント(危機管理)も法務のミッションのひとつであり、ありとあらゆる事態を想定して、万全を期して業務にあたらなくてはなりません。

社内規則を見直したり、社員に業務マニュアルを配布したりして、未然にトラブルを防ぐ「予防法務」も非常に重要になりつつあります。

このため、法務には慎重さも非常に大切であり、スピード感はあっても今ひとつ慎重さに欠けるという人、ひとことでいうと「拙速」なタイプの人は、日々の生活から注意する必要があるでしょう。

法務に向いていないのはどんな人?

自分が主役になりたい人

法務の役割はいわば「縁の下の力持ち」であり、決して自分が主役になるタイプの職種ではありません。

たとえば契約を結ぶ際、あくまで契約書の内容をチェックし、法的に問題ないようサポートするのが法務の仕事であり、仕事の主導権は営業マンなどの別の社員にあります。

このため、誰かを手助けするのではなく、自分で主体的に仕事を進めたい、自分が主役でありたいというタイプの人には、不向きの職種といえます。

人のために役に立ちたい、そのためには日影に徹して構わないという人こそ、法務向きの人材です。

ルーティンワークが苦手な人

法務の仕事は、かなり地味で忍耐力のいるものばかりです。

契約書をチェックする際には、使われている文言や言い回し、文章と文章のつながりにまで細心の注意を払い、コツコツと丁寧に作業していかなければなりません。

どちらかという飽きっぽい性格で、単調な作業を長時間続けることが苦手という人や、性格的に几帳面というよりも大雑把なタイプの人は、法務には向いていないでしょう。

どんな仕事も絶対に手を抜かないという、真面目で責任感のある人でないと、法務の仕事は務まりません。