ファッションデザイナーの仕事内容
本記事では、ファッションデザイナーの業務内容やその役割、勤務先などを紹介します。
目次
ファッションデザイナーの仕事とは
服飾品をデザインし、そこからヒット商品を生み出すのがファッションデザイナーの仕事です。
アーティストやクリエイターのような職業ですが、実際には市場の動向を正確にとらえ、多くの人が求めているファッション提案をすることが人気デザイナーには必須の能力です。
服づくりは、どんな服が流行するかのマーケティングをすることから始まり、マーケティングした情報をもとに、色や素材を考慮したデザイン画を作成し、その後パターンの作成、裁断、縫製と進み、ひとつの服を作り出していきます。
ファッションデザイナーの業務の内容
企業内デザイナーとオートクチュールデザイナー
アパレルメーカーなどの企業内のデザイナーとオートクチュールのデザイナーとでは、仕事の内容が異なります。
企業デザイナーは大量生産される服のデザインが中心で、業務が細分化されており、マーケティング担当からの指示をもとにデザイン画を作成し、後の工程に渡します。
パターンはパタンナー、縫製は縫製者などそれぞれが分担して服を仕上げます。
一方オートクチュールデザイナーは注文に応じてデザインしひとつひとつ仕上げるため、デザイナーによっては作業を分担せずに縫製まで自分でする人もいます。
次の流行を作り出す
ファッションデザイナーは一歩も二歩も時代の先を読みデザインしなくてはなりません。
衣服を作り出すファッション業界は、季節ごとに新作の発表会としてファッションショーを行いますが、売り出すシーズンのおよそ半年前に行われます。
そのためファッションデザイナーは常に以下を考えてデザインをしなくてはなりません。
来年も同じデザインの衣服が流行るとは限りませんし、毎年全く変わったデザインのものが流行るのかというとそのようなこともありません。
ファッションデザイナーには、さまざまな情報を収集し、その上で流行を読む力が求められます。
各ブランドではお互いに流行の探り合いをしているため、一般的に大きく外れるということは少ないのですが、予想外の気候などにより流行を生かせない場合もあります。
日本独特のファッションの魅力を伝える
着物文化にはじまる独自のファッション文化を持つ日本は世界からも注目されています。
今や日本発のファッショントレンドは世界にも広く知られており、日本が持つ文化発信力のひとつに数えられるようになりました。
近年では特に若い世代のファッションが世界から注目され、ポップカルチャーで人気の「Kawaii」文化など、外国ではしない重ね着の仕方、考えられない色や柄の組み合わせ方などが日本独特のファッションとして認識されているのです。
着物などの伝統的なファッションの「わびさび」と新しい文化「Kawaii」といったように、対照的な要素を合わせた独特な美が存在する日本のファッションの魅力を伝えることも、ファッションデザイナーの大きな役割でもあります。
ファッションデザイナーの役割
企業内デザイナーの役割
アパレルメーカーの場合、衣服が作られるまでに以下のような工程があり、仕事も細分化されるため、ファッションデザイナーといっても必要になる専門知識や技術は仕事の内容により変わってきます。
- デザイン
- 生地選び
- パターン作成
- 裁断
- プリント
- 縫製
- 二次加工
- 袋詰め
その仕事によって役割はメーカーのコンセプトにあった衣服をデザインすることであったり、衣服を作り上げるためにスタッフとのよいチームワークを作ることであったりもするでしょう。
フリーのファッションデザイナーの役割
独立したブランドを持っている人は衣服のデザインだけに限らず、素材選びから衣服をつくり、販売するまで行います。
仕事内容が異なればファッションデザイナーとしての役割も異なるのです。
なかにはオートクチュールのデザイナーとして、一人ひとりの要望に応える道を選ぶ人もいます。
服をデザインすることで人に喜んでもらう
仕事の内容が異なってもファッションデザイナーに求められるのは、人に喜ばれる衣服を作るということです。
作り出した作品が誰にも目にとまらず、また目にとまったとしても喜ばれなければ、作品を作り出した意味はありませんし、もちろん収入にも結びつきません。
ファッションデザイナーの一番の役割は、自分が欲しい衣服を作るのではなく、「人が求める衣服」「人に喜んでもらえる服」をデザインすることなのです。
ファッションデザイナーの業務の流れ
ファッションデザイナーが描いたデザイン画に沿って、パタンナーが型紙を作って製品に仕上げていくというのが服作りの基本的な流れです。
デザインを専門に行うデザイナーと、パターン(型紙)づくりを専門に行うパタンナーに分業するところが多いのですが、小規模な事務所などではデザイナーがパタンナーの役割までを担うケースもあります。
デザイン画を描き、パターンを製作し、企画の提案まで行うという「何でも屋」という一面があるのも、デザイナーの仕事の特徴といえます。
ファッションデザイナーの勤務先の種類
主な就職先はアパレルメーカー
有名なファッションデザイナーの大半は自分でブランドを立ち上げて成功した人たちですが、それはごく一部です。
ほとんどのファッションデザイナーはアパレルメーカーや繊維メーカーなどに勤務して、その会社の製品づくりを担っています。
大量生産される既製品のことを「アパレル」、着る人に合わせてオーダーメイドで服づくりをすることを「クチュール」といいます。
現在活躍しているファッションデザイナーの大半はアパレル生産に関わる仕事をしています。
一般的な「ファッションデザイナー」のイメージとは異なるかもしれませんが、多くのファッションデザイナーは企業内で会社員として働いているのです。
独立すればフリーでの仕事も可能
コンクールなどで実績を上げたり、ヒット商品を次々生み出したりするファッションデザイナーは引く手あまたで、独立してフリーで活躍する人も少なくありません。
オートクチュールのデザイナーとなったり、自身のブランドを立ち上げたりして世界で活躍するデザイナーに成長する人も多く、ファッションセンスと流行を読む力、そして表現する力があればどんどん出世できる職業です。
ファッションデザイナーの仕事内容のまとめ
ほとんどのファッションデザイナーはアパレルメーカーや繊維メーカーなどに勤務して服飾品をデザインしています。
こうした企業デザイナーは大量生産される服のデザインが中心、一方オートクチュールデザイナーは注文に応じてデザインしひとつひとつ仕上げるなど、働き方によって仕事内容にも差があります。
ファッションデザイナーには、さまざまな情報を収集し、その上で流行を読む力が求められます。
また、一番の役割は、自分が欲しい衣服を作るのではなく、「人が求める衣服」「人に喜んでもらえる服」をデザインすることです。
コンクールなどで実績を上げたり、ヒット商品を次々生み出したりするファッションデザイナーは引く手あまたで、独立してフリーで活躍する人も少なくありません。