大工のやりがい・楽しさ・魅力
大工のやりがい・楽しさ
かたちの残る仕事であるということ
大工のやりがいは、まず「自分の手掛けた仕事がかたちとして残る」ということです。
工事を依頼した施主(せしゅ)はもちろん、数え切れないほど多くの人が、長きにわたって自身のつくった建物を目にすることになります。
どれだけ時間が経過していても、自分がつくった建物の前に通りがかったときには、誇りと共に、大きなやりがいと喜びを感じられるでしょう。
「あれは自分がつくったんだよ」と、完成した家を子どもや孫に見せる人も多いようです。
また、二次元の図面を三次元に起こすという大工の仕事には、ものづくりに共通する根源的な楽しさが感じられるシーンも多いでしょう。
世帯主に感謝される
家を建てるのは、ほとんどの人にとって一生に一度の大イベントであり、その先何十年にもわたって住み続けることになりますし、建物によっては、二世代、三世代と引き継がれていくものもあります。
また、家を建てている最中には、依頼者やその家族が見学に訪れることもよくあります。
大工は工事中ほぼ現場に常駐することになるため、施主と顔なじみになるケースもめずらしくありません。
無事に家が竣工した際には、大きな達成感が得られるとともに、施主からも、汗水を垂らして一生懸命に家をつくってくれたことに対して、心から感謝されるでしょう。
大工の仕事には大きな責任が伴いますが、お客さまにとって大切な家づくりに関われること、そして直接感謝の言葉をかけてもらえることが、大工にとってのやりがいであり、仕事に取り組む原動力となっています。
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大工の魅力
手に職がつけられる
大工は、自身の腕だけがものをいう職人の世界です。
技術は一朝一夕で身につくものではなく、長く厳しい修業期間が必要になるものの、技術さえあれば、どこにいても、何歳になっても、自分の腕一本を頼りにして食べていくことが可能です。
大工は、まさにそうした「手に職をつけられる」職業であり、努力次第で安定的に働ける点が大きな魅力といえるでしょう。
とくに、組織や人間関係に縛られず生きていきたいという人にとっては、腕次第で自由が効きやすい大工は、うってつけの職業といえるかもしれません。
研鑽を続けて、誰にもまねできない高みにまで到達できれば、経済的にも大きく成功できるでしょう。
技術を後世に残せる
大工には、厚生労働省の関連団体が主管する「マイスター認定制度」があり、マイスターの認定を受けた大工は、技能の継承と後継者の育成のための仕事に携わることができます。
小学生や中学生を相手にものづくりのおもしろさを伝える体験教室を開いたり、訓練施設に所属する若者に指導したりして、自身が得た経験や身につけたスキルを後世に伝えていける点も、大工の魅力のひとつです。
どれだけ機械技術が発達しても、人の手による伝統技術まで再現することはまだまだ不可能です。
大工は、はるか昔から受け継がれてきた「歴史の担い手」としての側面もある職業といえるでしょう。