調理師の働き方の種類

調理師の雇用形態

調理師の雇用形態には正社員からパート・アルバイト、派遣社員までさまざまです。

正社員として働くには実務経験が必要となるケースが多いですが、なかには未経験者や調理師免許を持っていない人でも正社員として採用するところもあります。

調理師の養成学校を卒業した人は調理師免が交付され調理の専門知識も身についているため、実務経験がなくても正社員として採用されることが多いです。

ただし、一般的には未経験であればアルバイトやパートからスタートして調理の腕を磨いていくことになります。

未経験のアルバイトとして働きながら経験を積み、調理師資格を取って正社員登用を目指す人もいます。

また、調理師のなかには調理専門の派遣会社に登録し、派遣社員として企業や飲食店で勤務する人もいます。

正社員の調理師

正社員の調理師の仕事内容は?

正社員の調理師になると、実際の調理だけではなくお店全体の管理を任される場合が多いです。

人手が不足しているときは正社員の調理師がホールに立ってオーダーを取るなどの接客業務をおこなうこともあります。

また、営業時間の終了後に売上管理や食材の発注作業などを頼まれる場合もあります。

厨房の掃除・片付けといった雑務や、簡単な仕込み作業などはアルバイトに任せることが増えますが、シフト管理や研修への参加など調理以外の仕事は多くなるでしょう。

正社員調理師のメリット・デメリット

正社員の調理師になるメリットは、給与や待遇が安定していることが挙げられます。

時給で働くアルバイトや派遣社員の場合、勤務日数によって収入が変動するほか、社会保険などの福利厚生が整っていないことも多いです。

一方、正社員の調理師であれば、毎月の固定給や賞与が保証され、社会保険や有給休暇などの各種制度が利用できるようになります。

ただし、正社員になると現場をまとめたり他のスタッフの勤怠管理をしたりと、調理以外の仕事が増えて責任も重くなります。

調理師の給与は正社員でも決して高いとはいえず、責任の重さと長い労働時間に耐えられずに辞めてしまう人も少なくないのが実情です。

派遣の調理師

派遣の調理師の仕事内容は?

現代では、さまざまな業界や業種において「派遣」という働き方が一般的なものになっていますが、調理師の世界でも例外でなく、派遣として活躍する調理師も少なくありません。

派遣の調理師の働き方は、おもに以下のようになります。

まず、調理師としての知識や技術を持っている人が、調理師派遣サービスを手掛ける人材派遣会社に登録をします。

一方、調理師を求める企業や飲食店は、人材派遣会社に対して「こういうスキルのある調理師を派遣してほしい」と依頼を出します。

すると、人材派遣会社は双方の希望条件などを確認したうえでマッチングを行います。

マッチングされた調理師は、派遣先の企業や飲食店に出向き、そこで力を発揮するというスタイルです。

派遣の調理師として働くには

派遣の調理師として働きたい場合、調理のスキルを求めている人材派遣会社に登録を行うのが一般的です。

最近では、飲食業界や調理師に特化した派遣サービスを提供する人材派遣会社も出てきています。

派遣会社によってサポート体制は異なります。

できれば専属コーディネーターがおり、勤務開始前後にしっかりとフォローしてくれるところや、豊富な案件を抱えているところを選ぶとよいでしょう。

なお、派遣登録の際には、調理師の免許や経験を持っていなくてもOKの場合も多いようです。

派遣として働くメリット・デメリット

派遣として働くメリットとしては、就職先の勤務体系に沿って働かなくてはならない正社員とは違い、自分の希望の時間や日数で働きやすいということが挙げられます。

また、時給は都市部で1,000円~1,400円程度が相場のようですが、スキルや経験を積んでいるとさらに高時給が望めることもあります。

とくに調理の仕事の場合、調理師免許の有無によって時給に違いが出ることが多く、免許を持っていると優遇されるでしょう。

さまざまな職場を経験しやすいため、スキルアップを希望する人があえて派遣で働くこともあります。

一方、派遣のデメリットとしては、正社員に比べると適用される福利厚生や各種制度など、雇用条件が不安定である場合が多いということです。

ただし、一定以上の勤務時間などの条件を満たせば、社会保険に加入できる場合もあります。

また、派遣は決められた期間での勤務となり、期限が切れた場合、契約更新ができないこともあります。

経歴やスキル、希望条件などによっては、すぐに次の仕事を紹介してもらえない場合もあります。

アルバイト・パートの調理師

アルバイト・パートの調理師の仕事内容は?

調理師のなかにはアルバイトやパートとして働く人もたくさんいます。

未経験であればまずはアルバイトとして調理の仕事に就き、腕を磨いていくのが一般的です。

その場合、皿洗いや食材の下処理、片付けなどの雑務からスタートすることになるでしょう。

ただしアルバイトやパートの調理師でも、実務経験があれば採用された後すぐに調理の仕事を任されることもあります。

アルバイト・パートとして働くメリットとデメリット

アルバイトやパートの調理師として働くメリットとしては、働く日数や時間を調整しやすい点が挙げられます。

現場やスタッフの管理を任される正社員とは異なり、アルバイトやパートの調理師は決められたシフトのなかで働くのが一般的です。

調理師の仕事は長時間労働がしばしば問題になりますが、アルバイトやパートであれば比較的柔軟に働くことができるでしょう。

また、正社員の求人とは違って実務経験がなくても採用されるケースが多いため、調理に関心があるけれど未経験という人や、異なるジャンルの調理に挑戦してみたい人にとっては新しい職に就くチャンスが多くなります。

一方、アルバイトやパートで働く場合、正社員と比べて給料が低く、福利厚生や研修などの待遇を受けにくいという点がデメリットとなるでしょう。

調理師の独立・開業

調理師は独立開業ができる仕事

調理師は、腕さえあれば独立開業することが可能です。

また、店舗を持たずケータリングや料理の講師として独立して働くフリーランスの調理師もいます。

実際、いま第一線で活躍する多くの若手調理師たちも、「いずれは自分の店を持ちたい、独立したい」という夢に向かって、日々修行に励んでいます。

独立開業するタイミングは人それぞれですが、飲食店の開業時に必須となるのが「食品衛生責任者」の資格です。

これは、食品の製造、加工、調理、販売を行う場合に求められるもので、各店舗に最低1名は有資格者を置かなくてはなりません。

この資格は、各都道府県が行う「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得可能です。

ただし、「調理師」「栄養士」「製菓衛生師」「食品衛生管理者」などの資格を持っていれば、あらためて食品衛生責任者の資格を得る必要はありません。

独立開業の知識を得るためには

飲食店は、資金さえあれば比較的開業はしやすいものの、実際に生き残れるのはごくわずかです。

ある調査によれば、飲食店開業後、3年以内に廃業する割合は約65%。さらに、未経験者が開業した場合のそれは、約90%にものぼるとされています。

独立開業を目指すのならば、料理人としての実力をつけることはもちろんのこと、成功するための知識やノウハウをしっかりと身に付けてから実行することが大切だといえます。

非常に厳しい世界ですが、本気でやろうと思えば、独立のノウハウはいくらでも得ることができます。

たとえば、一流料理人の中には、飲食業界を盛り上げるために後輩の独立をどんどんサポートしたいと考える人が多くいます。

そのため、飲食店によっては「独立支援制度」が用意されていたり、師匠となる人から直接、独立開業のノウハウについて指南してもらえるケースもよくあります。

実際に開業を経験した人の声を聞きながら修行を積む、という経験は、その後の自分の料理人としての人生におおいに役立つでしょう。

そのほか、独立開業に関するノウハウを得るために、専門学校やスクールに通う方法も挙げられます。

学校によっては独立開業を目指す人向けのコースが置かれていたり、単発のセミナーが開かれることもあります。

大切なのは、まず「こういう店にしたい」という明確な意思を持ったうえで、資金の用意、料理人としての実力アップ、開業ノウハウを得るといったように、着実に準備を重ねていくことです。

勢いだけで押し切らないようにすれば、多くのお客さまから長年愛され続ける店を作ることも不可能ではありません。

副業・在宅の調理師

副業としても働ける?

調理師は、この仕事を本業としている人もいれば、まったく別の仕事を本業にしながら副業として働いている人もいるようです。

調理師免許や、調理技術の生かし方はさまざまです。

たとえば、本業が休みの日だけ飲食店に勤務して料理人として働くケース、自分でカフェなどを立ち上げて週末だけ営業するケースなどが考えられます。

自宅で料理教室を開いたりケータリングサービスを開業したりすれば、在宅で働くこともできます。

また、最近では身体が思うように動かせない高齢者や、小さな子どもがいて忙しい共働き家庭などに訪問し、お客さまのために調理をする仕事も需要が増えています。

こうしたサービスは、家事代行サービスの一環として行うことも多いようです。

本業で副業が禁止されていない限りは、「副業はこのように働かなくてはならない」といったことはありません。

食は人が生きていくうえで不可欠なものであるため、調理技術を生かし、さまざまな働き方の可能性があるといえます。

「調理師」と名乗るのであれば調理師免許は必要

たとえ副業であっても、「調理師」と名乗って仕事をしていくのであれば、調理師免許を取得しなくてはなりません。

調理師免許取得のためには、調理師の養成学校に1年以上通うか、飲食店などで調理の実務経験を2年以上積む必要があります。

なかには、昼間に働きながらでも調理師免許取得が目指せる夜間の学校もあります。

副業でどの程度稼げる?

副業の調理師としてどの程度稼げるかは、個々の仕事の仕方やスタイル、実力などによっても変わってきます。

たとえば、訪問調理サービスなどをするにあたって個人で仕事を請け負っていく場合は、基本的に自分でサービスの料金を決めることができます。

月に数千円~数万円程度の稼ぎを得る人もいれば、それ以上に稼ぐことも不可能ではありません。

いずれにしても、調理師は人の健康に関わる責任ある仕事であるため、正しい知識や技術を習得して、仕事に臨むことが重要です。