美容師を辞めたくなるときは? 他業界への転職はある?
美容師を辞める理由で多いものは?
現場の激務
美容師の仕事はハードで、その割に給料も低いのが現状です。
そのため他の職業と比べて離職率も高く、決して簡単に続けられる職業とはいえないのは事実です。
また、人間関係やクレームの多さなど、職場環境に不満をもって辞める人も少なくありません。
下積みの厳しさ
見習い・アシスタントの時期には、多くの美容師が離職してしまいます。
そのうちのほとんどの美容師は「この業界には向いていない」と見限ってしまい、もう二度と美容業界へ戻ってくることがありません。
その理由は、下積みの厳しさに耐えかねたり、強いストレスを抱えたりして辞めてしまうケースが多いからです。
下積み時代は美容師とは関係のない雑務が多い上に給料も安く、夢半ばにして美容師をあきらめてしまう人も多くいます。
結婚・出産などのライフイベント
女性の比率が比較的高めとなっている美容業界では、結婚や出産を機に離職することが多く見られます。
最近では子育てしながら働けるサロンや、保育所を併設している美容室も増えているため、女性が長く働きやすい環境が整いつつありますが、それでも離職を止める要因にはなれずにいるようです。
20代で正社員への就職・転職
美容師の転職状況や需要
美容師の離職率は、1年目で約50%、3年目で約80%、10年目で約92%とされています。(厚生労働省「産業別入職率・離職率」)
これは、美容師を完全に離職したわけではなく、単純に「働く美容室を変えた」という人も含まれます。
一般的な企業でも新卒入社の場合「3年」が一定の定着の目安と言われますが、新卒だけでなく中途の美容師も3年で辞める人が8割と、かなり入れ替わりの激しい仕事だと言えます。
美容師の転職先で多いものは?
若いうちの転職先
見習い・アシスタント期間などまだ若いうちに美容師を辞めた場合、その後の仕事は比較的見つけやすいでしょう。
同じ美容に関わる職業としては、美容関係の仕事が挙げられます。
リクルートスタッフ・美容メーカーの営業部・美容コンサルタントなどです。
こうした仕事に就こうとする場合、美容学校を卒業していることや、美容の現場を経験していることで優遇されるケースもあるようです。
ただし、見習いやアシスタント期間に離職した場合は退職金が出ないことも多く、あらかじめ転職計画や生活設計をしっかりとしておかなくては生活に困ることもあります。
一定の年齢に達した場合の転職先
30歳以上など、ある程度の経験を積んだ美容師の場合、他業種へ就職することはだいぶ大変なようです。
中堅以降で離職した美容師は、美容関係とはかけ離れた仕事をしている人も多くいます。
他業種でも同じことがいえますが、他の業界に一から飛び込むのであればやはり若い人のほうが有利になりやすいのが実情です。
技術や年齢がある一定以上成熟した場合、美容師を辞めることを考えるよりも、独立や今のスキルを生かした仕事を模索するほうが得策だといえそうです。
20代で正社員への就職・転職
美容師の経験は他の仕事でも活かせる?
離職後も、美容師の経験として生かせることに「接客スキル」があります。
毎日多くの人と接する中で培った接客スキルは、接客業や営業など他の仕事でも十分生かすことができるでしょう。
また、美容師資格が生かせる仕事として、まつげエクステなどを行う「アイリスト」があり、特に近年女性美容師から人気を集めています。
その他にはフォトスタジオなどでのヘアメイク担当者、ウィッグや育毛などヘアケアに関する仕事があります。
美容師の年齢ごとの転職状況は?
美容師を転職する年齢で一番多いのは20代前半です。
見習い・アシスタント期間であるこの年齢は、現場の厳しさに耐えられず多くの人が離職・退職してしまいます。
しかし、この期間を乗り切らなくては美容師としてデビューすることはできません。
美容師を目指す際は、離職率の高さについてもしっかりと知っておき、厳しい道を進むことを覚悟しておかなくてはならないでしょう。