弁護士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

弁護士の業務スケジュール

法律事務所では、一般企業のように厳密な出勤時間・退勤時間が定められていないケースもよくあり、業務スケジュールは日によってばらばらです。

会社員や公務員と比較すると、朝の始業はやや遅いことが多いものの、日によっては早朝から遠方の裁判所に移動することもあり、一概にいえない部分もあります。

日中の業務についても、事務所での来客対応や事務作業、裁判所での答弁、拘置所での接見など、日によって業務内容はさまざまですが、数多くのタスクに追われて一日中忙しく働くケースが目立ちます。

さらに、仕事の都合で平日に時間が取れないクライアントのために、土日に出勤しないといけないこともあり、休日も変則的になりがちです。

弁護士を志すなら、仕事に追われる日々になることを、あらかじめ覚悟しておいたほうがよいかもしれません。

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法律事務所で働く弁護士の1日

法律事務所では、一般企業と比較すると、始業・終業ともに遅いところが目立ちます。

1日のスケジュールがかなり詰まっている日も少なくありませんが、飛び込みで来客や電話応対があったり、クライアントから緊急に呼び出されたりと、予定通り仕事が進まないこともよくあります。

テレビドラマなどとは違って、実際の弁護士はひとつの案件にかかりきりになるのではなく、複数の案件を同時に担当していることがほとんどですので、手際のよさ・要領のよさは非常に大切です。

9:30 出勤
パソコンを立ち上げてメールをチェックし、当日のスケジュール確認などを行います。
10:00 法律相談
予約されていた法律相談に応じ、法的解決方法などをアドバイスします。
11:00 デスクワーク
相談結果に基づき、相手方に送付する書類を作成します。
12:00 昼食休憩
同僚の弁護士と近くの店で昼食を取ります。
13:00 民事裁判
裁判所に移動し、法廷で依頼人の弁護を行います。
16:00 帰社
事務所に戻り、明日予定されている裁判のために判例を集めます。
18:00 打ち合わせ
クライアントの仕事終わりを待って、面談を行います。
20:00 退社
準備に一通りの目途が付いたら帰宅します。

一般企業で働く弁護士の1日

一般企業に勤める場合、弁護士資格を持っているとはいえ、基本的な働き方はほかの社員と同じです。

法律事務所と比較すると、その1日はかなり規則的であり、勤務時間は9:00~17:30前後に定められていることが一般的です。

自社の企業法務などを専属的に手掛けるため、外部からの依頼に対応することもなく、急に土日にアポイントが入るケースもほとんどありません。

一定の就業規則の下で働ける企業内弁護士は、法律事務所で働く弁護士よりスケジュールは安定しやすいといえるでしょう。

8:30 出勤
メールチェックやスケジュール確認、法務部内のミーティングなどを実施します。
9:00 リーガルチェック
営業部から送られてきた契約書ドラフトについて、法律的に問題がないかチェックします。
11:00 訴訟打ち合わせ
訴訟代理人となっている社外の弁護士と打ち合わせを行います。
12:00 昼食休憩
社員食堂などで昼食を取ります。
13:00 問い合わせ対応
支店からの法律相談に対して意見を述べます。
15:00 勉強会
社員に対するコンプライアンス勉強会を実施します。
17:00 デスクワーク
更新する予定の規約の草稿を作成します。
18:00 退社
業務の進捗状況によっては残業することもあります。

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弁護士の勤務時間・休日・仕事は激務?

弁護士の勤務時間

法律事務所などに勤める弁護士の勤務時間は、個人の裁量に委ねられている部分が大きく、始業時間・就業時間ともに、一般の会社員や公務員ほど厳格ではありません。

朝に出勤し、夜に帰宅するというスタイルは共通していますが、その日のスケジュールや抱えている仕事量などによって勤務時間はバラバラです。

また、独立開業して個人で仕事を請け負っている場合は、さらに柔軟な勤務体系となり、育児や介護を優先したり、自身の健康や体調を考慮したりして、短時間だけ働いている弁護士もいます。

ただし、弁護士の仕事は、1つの案件だけでも依頼者との面談や事実関係の調査、相手方との交渉、裁判で提出する資料の作成など多岐にわたるうえ、一人で複数の案件を抱えるケースが一般的です。

さらに、裁判所や関係各所への移動時間も必要になるため、どうしても労働時間・拘束時間は長くなりやすく、朝から晩まで仕事に追われる弁護士が多いようです。

弁護士の休日

弁護士は基本的に裁判所のスケジュールに合わせて働くため、裁判が開かれない土日を休日としている事務所が多数を占めます。

ただし、一般の個人を相手にする場合など、対象顧客によっては土日のほうが都合がよいというケースもあり、土日でも営業して法律相談などを受け付けている事務所も珍しくありません。

お盆や年末年始、ゴールデンウイークなどの長期休暇についても、一般企業より休みが短い事務所が多いようです。

また、たとえ事務所が休みであっても、自分の仕事が終わっていなければ、自主的に事務所に出勤して、作業しなければならないときもあります。

弁護士の残業時間

日弁連の統計によれば、弁護士の労働時間は1週間に50時間~60時間、1日平均にして10時間~12時間ほど働いている人が最も多いとされています。

独立開業している人も多数いるため「残業」という意識ではないかもしれませんが、一般的なサラリーマンの規定労働時間を大幅に超過していることは間違いないでしょう。

弁護士は、仕事に大きなやりがいと社会的意義がある一方で、ワークライフバランスという点では、決して恵まれているほうとはいえないかもしれません。

もちろん、仕事量をセーブすることで残業時間を減らすこともできるかもしれませんが、そのぶん収入は目減りすることになります。

弁護士は忙しい? 激務?

弁護士は職業的に個人事業主の側面が強く、労働スタイルは個人の意思である程度自由に決められるものの、忙しく働いている弁護士が大多数を占めるのが実情です。

とくに企業法務を取り扱う大手事務所では、一つひとつの案件の規模が大きくなる関係上、国内外での交渉や弁護士チームの打ち合わせなどが増え、激務になりやすいようです。

そのぶん高収入が期待できますが、早朝から深夜まで時間帯に関係なく働いた結果、オーバーワークとなって体をこわしてしまうケースも散見されます。

弁護士の休日の過ごし方

弁護士は、いうなればトラブルを解決することが仕事であり、他人の問題を抱え込むという業務から被るストレスは甚大です。

このため、たとえ仕事が多忙であっても、どうにかスポーツや趣味に充てられる休みの時間を捻出して、ストレス発散に努めるケースが多いようです。

ただ、業務の性質上、過去の判例を収集したり、弁護方針をどう組み立てるか考えたりと、仕事に時間をかけようと思えばいくらでもかけられます。

まじめで仕事熱心な弁護士であればあるほど、休日でも仕事のことが頭から離れず、ついつい作業してしまって、休日であってもなかなかゆっくりと休めないかもしれません。