独学で弁護士になれる?勉強時間はどれくらい?

弁護士を独学で目指す人はいる?

弁護士になるためには司法試験に合格する必要がありますが、司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院課程を修了するか、予備試験に合格することが条件です。

予備試験は学歴などに関係なく、誰でも受験することができるため、予備試験をパスして司法試験に合格すれば、どこの学校で学ぶこともなく、独学で弁護士になることも制度上は可能です。

もしも法科大学院に進学するなら年間100万円前後の学費がかかり、司法試験合格までにはトータル数百万円が必要となるため、それと比べると、独学による経済的メリットは非常に大きいといえます。

ただし、司法試験はきわめて難関であり、受験資格を得るための予備試験ですら、その合格率は3%前後というきわめて狭き門です。

まったくの独学で合格を目指すなら、数年単位での長期的な勉強計画を立てて、コツコツと粘り強く取り組んでいく努力が不可欠となるのは間違いありません。

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独学で司法試験に合格するための勉強時間

司法試験は、条文や判例の暗記力、法律を解釈する論理的思考力、自身の考えをアウトプットする論文記述力など、総合的な学力が問われる難関です。

このため、合格までに必要となる勉強時間は、もともとの素質や環境などに大きく左右され、比較的スムーズに合格できる人もいれば、10年以上かけても合格にたどり着けないという人もいます。

一括りにすることはできませんが、あえて司法試験合格者の統計から類推するなら、10000時間がひとつの目安となるようです。

仮に1日10時間、毎日休みなく勉強し続ければ、およそ3年ほどで10000時間を消化できる計算になります。

ただ、その時間の勉強をこなしさえすればよいというわけではなく、問題になるのはその中身です。

受験回数が3回以上になると、極端に合格率が下がるというデータもあり、勉強時間としてはとっくに10000時間を超えていても合格できない場合、学習方法そのものに問題がある可能性もあります。

独学で司法試験に挑む場合、たとえ勉強方法が間違っていても、それを正してくれる人がいないという点は大きなリスクです。

独学で予備試験に合格するための勉強時間

独学者が予備試験から司法試験合格を目指す場合、予備試験の内容自体が司法試験対策に直結しているため、予備試験合格までにかかった時間が、自身の適性や勉強方法を評価する指標となるかもしれません。

予備試験を突破するには、約3000時間~8000時間の勉強が必要とされており、大手予備校などでは、およそ2年間かけて合格を目指す講座が一般的です。

仮に、1日7時間ほど毎日勉強すれば、2年間でおよそ5000時間に到達します。

もしも2年~3年ほどで予備試験を突破できたら、自身の方向性はおおむね間違っていないことになります。

そのまま独学で勉強を続けても、司法試験に合格できる見込みはあるでしょう。

反対に、もしも同程度の勉強量を5年ほどこなし続けても予備試験に合格できない場合、独学の方法自体を見直すべきかもしれません。

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独学で勉強する場合のポイント

司法試験および予備試験でネックとなるのは、知識をインプットする作業よりも、答えをアウトプットする作業の比重が大きいということです。

短答式試験は、まだ独学でも対応できるかもしれませんが、論述式試験については、自身の考えを文章にまとめなくてはなりません。

たとえ自分では完璧に理解しているつもりでも、採点者にきちんと意図が伝わらなかったり、記述形式に不備があれば、得点には結びつきません。

大手予備校でも、インプットに費やす時間は2割以下に抑え、8割以上をアウトプットに割くというケースが多いようです。

もしも周囲に弁護士や検事などの知り合いがいれば、指導や評価をお願いすることもできるかもしれませんが、そうではない場合、自分で自分の文章を添削しなければなりません。

まったく不可能とまではいえないかもしれませんが、やはり単発でも、予備校などが主催する模擬試験や答案練習会などに参加して、第三者の視点から答案を採点してもらうことが望ましいでしょう。