自動車整備士の求人・採用状況・就職先の選び方

自動車整備士の就職先にはどんなところがある?

自動車整備士の最もポピュラーな就職先は、「カーディーラー」や「中古車販売店」です。

とくに新卒の整備士学生の場合は、トヨタ系列や日産系列などの、メーカー系のカーディーラーに就職するケースが割合的に多い傾向です。

ほかに、昨今は「カー用品店」や「ガソリンスタンド」などカーライフ系の店舗でも自動車整備士が積極的に募集されています。

また、昔ながらの地域の「整備工場」や「町工場」ももちろん整備士の就職先となり、全国には何万もの工場が存在します。

ただし、小さな整備工場や町工場はたくさんあるものの、その多くは資金的な事情などで就職サイトに求人を出していない傾向にあります。

そのような工場に就職したい場合は、自分の足で探す必要が出てくるでしょう。

<自動車整備士の就職先と大手企業の例>
・新車カーディーラー(大手の例:トヨタカローラ〇〇、日産プリンス〇〇販売 など)
・中古車販売店(大手の例:ガリバー、ビッグモーター、ネクステージ など)
・カー用品店(大手の例:オートバックス、イエローハット など)
・ガソリンスタンド
・地域の自動車整備工場、町工場
など

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自動車整備士の求人の状況

整備士不足が深刻化

「若者の車離れ」や「少子高齢化」、「職業の選択肢の多様化」などが影響し、整備士を目指す人が減ってきており、現在整備士は慢性的な人材不足を抱えています。

平成26年に「日本自動車整備振興会連合会」が行った実態調査結果によると、全国の約5割もの整備現場で整備士が不足しており、更にそのうち約1割の整備現場に関しては、「事業に支障をきたすほど整備士が不足している」という調査結果も出てきています。

一方で、全国の「自動車保有数」は例年緩やかに増加しておりますので、車はたくさんあるのにも関わらず、整備する人手のほうが足りていない状況です。

整備士不足の問題は今後の自動車社会の存続にも関わってくるため、国としても対策を進めております。

平成26年には国土交通省により「自動車整備人材確保・育成推進協議会」が設立され、国と自動車関係団体とが一体となり、整備士を目指す人材の確保や育成を図る活動がこれまで行われてきました。

しかし、それでも整備士が足りていないのが現状でもあります。

求人の数は多く、未経験歓迎のものも多数

そのような人手不足の影響もあり、いま現在、自動車整備士向けの求人は常時多数出されております。

経験者向けの求人はもちろんのこと、なかなか人手が集まらない会社では、「未経験OK」「資格不問」「年齢不問」といったように条件のハードルを大きく下げた求人も見られます。

なかには整備士を目指しているだけで大歓迎されるような会社もあるとされるため、とくに若い人であれば、たとえ未経験で整備士の資格を持っていなくともチャレンジできるチャンスは十分にあるでしょう。

大手への就職はハードル高め

人手不足が進んでいる自動車整備士ではありますが、待遇のよいメーカー系のディーラーや大手の整備工場などは、整備学生の就職先としてとても人気が高いため、競争率も高まっています。

自動車整備学校で整備について十分に学んできた学生であっても不採用となることもありますので、大手に採用されるには面接対策なども十分に行っておく必要があるでしょう。

求人は全国的に存在

自動車整備士の求人は、首都圏や都心部だけでなく、全国的にバランスよく存在します。

とくに車が生活の一部となっている地域や、ベットタウン化しており人口の多い地域などは、ディーラーや整備工場の数も増えるため、整備士向けの求人もおのずと多くなりやすい傾向です。

したがって、上京せずに地元での就職、Uターン就職もしやすい職業といえるでしょう。

自動車整備士の就職先の選び方

どのような車を整備したいか

就職先によって、整備する車種は変わってきます。

たとえばメーカー系のディーラーであれば、基本的にはそのメーカーの車種に限定されてきますので、トヨタ系ディーラーであればトヨタの車種を整備する毎日となります。

一方で、独立系のディーラー・中古車販売店・整備工場・町工場などは、一つのメーカーに固定せず、さまざまなメーカーの車種を扱っていることが多いです。

ほかにも、輸入車系ディーラーであれば輸入車の整備が中心となり、カスタムカー専門のショップであれば、カスタムカーや改造車の整備が中心になります。

どのような車を整備するかによっても、整備士として積める経験やスキルは変わってきますので、その点も踏まえて就職先は選ぶことをおすすめします。

人と関わりたいか、裏方がよいか

ディーラーやカー用品店など、常にお客さまが出入りする環境の場合、整備士も必然的にお客さまと関わる機会が増えてきます。

職場によっては、整備士がフロント業務を兼任することもありますので、ディーラーやカー用品店などは、人と関わるのが好きな人や接客が苦にならない人が向いているといえます。

一方で、整備工場や町工場などは、どちらかといえば裏方的な仕事となり、お客さまと顔を合わさずに黙々と作業をすることが多いです。

ただし、整備工場や町工場であっても客商売であることには変わらず、まったくお客さまと関わらないわけではありません。

給料や待遇で選ぶ場合

「給料」や「福利厚生」などの待遇面に恵まれているのは、トヨタ系列、日産系列などのメーカー系のディーラーです。

メーカー系のディーラーは月々の給料額も比較的高めであり、さらに賞与(ボーナス)・退職金制度・家賃補助などの恩恵も大きく、収入面では恵まれています。

ただしその分、メーカー系のディーラーは学生から人気が高いため、就職時のハードルも高まり、求められるポテンシャルも高くなりがちです。

また前述もしたように、メーカー系のディーラーは整備できる車種がそのメーカーの車種に固定されてくるという弱点もあります。

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自動車整備士の志望動機・面接

志望動機では「なぜ整備士を目指すのか」を明確に

自動車整備士は職人的な仕事でもあり、日々技術を磨く向上心、そして新しい知識を率先して学ぶ探求心も必要となります。

また、重いパーツを運んだり、冷暖房の完備されていない環境で長時間働くなど、肉体的にハードな側面もあります。

それらの困難に打ち勝ち、辞めずに頑張れる人材であるかを判断する上で「なぜ自動車整備士を目指すのか」「なぜ整備士なのか」部分を面接官はとても知りたがっています。

したがって、自動車整備士を目指す理由を明確化し、自分ならではの熱意や想いを織り交ぜながら伝えられると、あなたへの評価はより高まってくるでしょう。

面接で注意したいのは「コミュニケーション」

整備士の面接で注意したいのは、コミュニケーションの面です。

整備士という職業は、一人で黙々と車をいじるだけでなく、お客さまとコミュニケーションする機会も意外にも多い職業です。

そのため面接では、口調・話し方・人柄・表情・身だしなみなど、コミュニケーションに関わる部分も入念にチェックされていることがあります。

「整備士だからコミュニケーション力は問われないだろう」という考えをせず、面接ではお客さま先に出しても恥ずかしくない人物と思われるように、ハキハキとした快い応対を心掛ける必要があります。

とくにディーラーの場合は、お客さまと関わる機会が多いため、より高いコミュニケーション力が求められてくるでしょう。

自動車整備士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

自動車整備士の就職先はどのように探したらいい?

就職サイトで探す

新卒学生であれば、「リクナビ」や「マイナビ」といった就職サイト経由で、新卒向けの整備士求人にエントリーできます。

メーカー系のディーラーや、ある程度の規模をもつ中古車販売店やカー用品店であれば、その多くは就職サイトに求人を掲載しています。

「リクナビ側のみに掲載している」「マイナビのみに掲載している」というパターンもありますので、就職サイトはできるだけ複数登録しておくのがよいでしょう。

企業のWebサイトから直接応募

就職サイトなどには求人を掲載せず、自社のWebサイト上でのみ求人募集を行っている会社もあります。

「トヨタカローラ〇〇(〇〇は県、地域名)」「日産プリンス〇〇販売」「ホンダカーズ〇〇」など、基本的には都道府県・地域別に販売ディーラーがあります。

就職したい地域のディーラーのWebサイトや公式ホームページを開き、その中の採用ページから直接エントリーするのも一つの方法です。

就職課のサポートを受ける

大学や専門学校には「就職課」があります。

就職課では、これから就職活動をする学生に向け、会社情報の提供、進路相談、就職活動に向けた書類の作成指導や面接の練習などを行ってくれています。

また学校によっては、その学校と縁のある企業への選考を優先して進められる「学校推薦制度」を用意していることもあり、この学校推薦制度も就職課などを通して利用できます。

就職課経由で自分にあった求人が見つかることもありますので、就職活動時には一度就職課に顔を出してみるのがよいでしょう。

ハローワーク経由で応募

地域の「ハローワーク(公共職業安定所)」でも、求人情報の提供を行っています。

ハローワークは新卒学生や若年層の方であってももちろん利用可能であり、リクナビなどの大手の就職サイトには掲載されていないような掘り出し物の求人が見つかることもあります。

とくに地域密着型の整備工場や町工場などの求人は、就職サイトよりもハローワーク経由の方が見つけやすいでしょう。

なお新卒者向けの「新卒応援ハローワーク」、既卒の若者向けの「わかものハローワーク」などハローワークにもいくつかタイプがありますので、自分に合ったタイプのハローワークを利用するのが望ましいです。

自分の足で探す

全国各地には、整備士の就職先となりえる何万もの整備工場や町工場が存在し、数としてはディーラーよりも圧倒的に多いです。

ただしその大半は、個人が運営するような従業員10人以下の小さな工場であり、また資金的な理由などにより、人手が欲しくとも求人が出せない工場も多いです。

そのような小さな整備工場や町工場に就職したい場合は、自分の足で探す必要があります。

<自分の足で探す方法>
・「タウンページ」などの電話帳から整備工場を探す
・地域を歩き整備工場を探す
・工場の壁や電柱などに求人ポスター(看板)が貼ってある場合もあるため、ポスターを探す
・親族、知人や友人、近所の人などに相談し紹介してもらう
・SNSなどインターネット経由で連絡をとる
など

古典的な方法ではありますが、自分の住む町を注意しながら歩いて探すだけも、意外にも多くの整備工場が見つかることもあります。