財務専門官になるには
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財務専門官になるまでの道のり
財務専門官になるには財務専門官採用試験に合格し、勤務を希望する財務局での採用面接を通過しなければいけません。
そのため第一関門となる財務専門官採用試験の合格が最低条件となり、試験は第1次試験と第2次試験に分けられています。
第1次試験は多肢選択式と記述式の筆記試験、第2次試験は人物試験(個別面接)です。
なお、受験資格には年齢と学歴の条件が設けられていますので、例として2020年度の受験資格を紹介しておきます。
1.1990年4月2日~1999年4月1日生まれの者
2.1999年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1)大学を卒業した者および2021年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2)短期大学または高等専門学校を卒業した者および2021年3月までに短期大学または高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
上記のように22歳から30歳までの人であれば誰でも受験できますが、試験年度に21歳の学生は卒業または卒業見込みといった条件が設けられています。
ただし受験資格を得るには3年ほど期間が空くため、モチベーションを維持するのが大変です。
また、受験資格の「2」にあるように大学や短大、高等専門学校の卒業・卒業見込みが条件にあるので、それと同等の学力がなければ財務専門官採用試験を突破するのは難しいでしょう。
なお、財務専門官採用試験の第1次試験では基礎能力を問われる多肢選択式と記述式の筆記試験が行われます。
内容は憲法・行政法、経済学・財政学・経済事情、民法・商法、統計学、政治学・社会学、会計学(簿記を含む)などが出題され、どれも独学で習得するのは難しいかもしれません。
年齢条件さえクリアしていれば学歴は関係ありませんが、高校時代から財務専門官を目指すことを決めている場合、事情が許すのであれば大学なり短大なりに進学して基礎学力を向上させた方が合格する確率は上がるでしょう。
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財務専門官の資格・難易度
財務専門官になるための資格はなく、とにかく財務専門官採用試験を突破するしかありません。
参考までに近年の合格率を記載すると、2019年度は約18%、2018年度は約15%、2017年度は約12%となっており、難易度は高い試験といえますので、人事院で公開している過去問題や市販されている教材などを活用して、しっかり対策を練った方がよいでしょう。
財務専門官になるための資格は不要ですが、自己啓発を支援し、業務に関する知識や資格の取得を目指すための「通信研修」が用意されています。
対象となる主なコースは、
・簿記
・中小企業診断
・宅地建物取引理論
・金融
・英語
・ファイナンシャル・プランナー
・ビジネス実務法務
などがあり、採用後は必要に応じて研修を受け資格取得を目指せるようです。
財務専門官は異動することも多く、担当部署も変われば新しく専門知識が必要になります。
そうした際に少しでも早く業務を覚える、もしくは将来に向けて事前に準備をしておく意味でもこうした資格取得は有効です。
財務専門官になるための学校の種類
財務専門官になるために必ず行かなければならない学校はありません。
ただし、大学の法学部や政治・経済学部で法律や政治・経済を学ぶと、試験で出題される内容を早めに身に付けることができるので、少し有利でしょう。
財務専門官採用試験には憲法・行政法、経済学・財政学・経済事情が出題されますし、選択科目には民法・商法、統計学、政治学・社会学、会計学(簿記を含む)、経営学、英語、情報数学、情報工学があります。
財務専門官を目指して学校を選ぶ際は、上記の試験内容に関する学部を選ぶのも方法ですが、入学後は公務員試験に的を絞った対策も必要です。
予備校などでも財務専門官を目指すためのコースがありますし、距離的に通えない人は通信講座を受講する方法もあります。
現役学生が対象なのはもちろん、社会人も対象としているので財務専門官への転職を目指している人にとっては計画的に時間も使えるため有効です。
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財務専門官に向いている人
チャレンジ精神と成長意欲の高い人
財務専門官の仕事は国有財産、金融、財政など多岐にわたる上に定期的な異動を伴うため、部署が変わればその都度、専門知識を吸収しなければいけません。
苦労することも多いですが、その分、業務の幅も広がり活躍するチャンスも多くなるため成長意欲の高い人には向いている仕事といえます。
責任感の強い人
財務専門官は国家公務員ですので、公共の利益のために働くのが使命ですし、業務内容は地域の発展に尽力するのが職務です。
自分の判断一つで地域の発展が遅れたり、地域住民の生活が滞ったり、多くの人の暮らしを左右しかねません。
時には数億円を超える案件にたずさわることもあるなど、大きな役割を背負って仕事をするため責任感がなければ務まりません。
協調性のある人
財務専門官の仕事は一人で完結することは少なく、多くの人と協力しながら進めていきます。
財務局の仲間と協力し合うのはもちろん、行政担当者や金融機関担当者などとも協力しなければ物事が先に進みません。
コミュニケーションを密に取り、お互いを信頼しながら地域貢献のため働ける人が向いています。
財務専門官のキャリアプラン・キャリアパス
財務局に採用されると基礎研修を経て「係員」として配属されます。
8~9年間幅広い実務を経験し、その間に国際財務理論研修や不動産鑑定理論研修などの各種研修を受けたり、海外留学を行う機会もあるようです。
またこの期間は異動によって経験していない業務に就くこともあるため、そのサポートを目的として「配属別転課者研修(経済調査、財務、金融、管財の4コース)」が設けられており、研修を通じて実務に関する基礎知識を習得できます。
その後のキャリアは「係長級」で、実務を行いながら高等理論研修などの各種研修も随時受け、専門家としてのスキルをさらに上げます。
その後は「補佐級」「本局課長」「部長や財務事務所長」というようにキャリアアップしていきます。
この3つの役職には指導力や調整力がより問われるほか、管理監督者研修や主要課長クラス研修、上級管理セミナーなど、管理職としての活躍が期待されます。
財務専門官は高卒から目指せる?
結論からいうと、高卒からでも財務専門官は目指せます。
ただし前提となる受験資格は受験年度の年齢が21歳~30歳ですので、高校卒業後すぐは受験資格がないため注意が必要です。
また、試験年度に21歳の人は大学、短期大学、高等専門学校の卒業や卒業見込みが条件ということから、高卒から目指す場合でも同等の学力も必要です。
財務専門官は女性でもなれる?
当然、女性でも財務専門官になれます。
財務局では毎年150名前後採用されており、2019年度は136名中49人、2018年度は168名中61人、2017年度は137名中44人が女性です。
財務専門官はワークライフバランスも取りやすく、仕事と子育ての両立支援がしっかりしていますので、子育てしながら働いている女性財務専門官も多くいるようです。