鳶職人の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

鳶(とび)職人の業務スケジュール

鳶職人は、1日のほとんどすべてを建設現場での作業についやしますので、業務スケジュールとしては非常にシンプルになります。

事務所に出勤する日もあまりなく、自宅から現場に直行して、その日の仕事をこなし、そのまま現地で解散するという流れが一般的です。

1日のなかで特徴的なのは、安全管理が徹底されているという点です。

朝礼では、「KYミーティング」と呼ばれる危険予知のための話し合いが毎日行われますし、身体をほぐしてケガを防ぐためのラジオ体操も行われます。

また、正午前後の昼食休憩とは別に、午前と午後に1回ずつの小休憩が組まれており、体力を回復させて、高い集中力を保ちながら働きます。

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足場鳶として働く鳶職人の1日

足場鳶は、建設工事や土木工事に仮の作業スペースとなる足場を組み立てたり、工事終了後に解体したりする職種です。

1日の作業内容は、足場を設置するか、設置した足場を撤去するかのどちらかであり、基本的に朝から夕方まで同じ仕事を手がけます。

ほかの鳶職人や、荷上げなどの補助作業をしてくれる地上スタッフなどと協力しながら作業しますので、テンポよく仕事を進めるためには、息の合ったチームワークが大切になります。

7:30 出勤
建設現場に直接出勤し、着替えなどを済ませます。
8:00 朝礼
作業員全員で朝礼を行い、KYミーティングを行った後、ラジオ体操をして体をほぐします。
8:45 作業開始
あらかじめ発注しておいた枠組を使って、足場を組み立てていきます。
10:00 小休憩
水分補給するなどして15分ほど休んだ後、作業を続けます。
12:00 昼食休憩
持参した弁当などで手早く昼食をすませ、仮眠を取って体力回復に努めます。
13:00 作業再開
午前中から引き続き、足場の組立作業を行います。
15:00 小休憩
集中力を保ってケガを防止するために、休憩をはさみます。
16:30 片づけ
日が暮れる前に作業を完了し、現場の片づけと清掃を行います。
17:00 退勤
現場で解散し、自宅に直帰します。

鉄骨鳶として働く鳶職人の1日

鉄骨鳶は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の大型建築物の建造において、骨組みとなる鉄骨を組み立てる職種です。

クレーンでつり上げられた鉄骨を所定の位置に誘導し、固定することがおもな仕事ですが、床となる部分にプレートを貼ったり、溶接することも仕事です。

足場鳶と比べると、業務スケジュールはもう少し複雑になり、実作業に加えて、重機操縦者との打ち合わせなど、1日のなかでさまざまな仕事をこなします。

7:30 出勤
朝礼のおよそ30分前には出勤して、図面の確認など、その日の準備を行います。
8:00 朝礼
全体で点呼を取ったあとは、体調確認も兼ねてラジオ体操を行います。
8:30 組立作業
クレーン操縦者と打ち合わせした後、鉄骨の組立作業を行います。
10:00 小休憩
休憩中はほかの職人と積極的にコミュニケーションをはかります。
12:00 昼食休憩
コンビニで弁当を購入したり、近くのレストランに行ったりします。
13:00 固定作業
組み終わった鉄骨の接合部分をボルトで固定します。
15:00 溶接作業
休憩をはさんで、溶接作業に移ります。
16:30 終礼
作業の進行状況を職長に報告し、情報を共有します。
17:00 退勤
明日の作業工程を確認した後、帰宅します。

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鳶職人の勤務時間・休日

鳶職人の勤務時間

鳶職人の勤務時間は、午前8時から午後5時、または午前8時半から午後5時のどちらかに設定されています。

会社員や公務員と比べると、およそ1時間ほど朝が早いのが特徴です。

始業時間までに着替えや準備を済ませておく必要がありますので、出勤は7時台となり、現場によってはもっと早くに出勤することもあります。

冬の時期だと、まだ外が暗い時間帯から起きて支度します。

早起きが苦手な人は、慣れるまでつらいかもしれません。

その一方で、鳶職人は定時を超えて働くことはほとんどありません。

企業によっては、その日の作業が終われば、勤務時間に関係なく、何時であっても帰宅可能としています。

手際よく仕事を終えれば、午前中のうちに帰宅できるという日もあるようです。

鳶職人の休日

鳶職人の休日は、日曜日と祝日に設定されているケースが一般的です。

基本的には土曜日も含めて週6日の勤務となるため、体力的には大変です。

そのかわり鳶職人の給料は日給計算される職場が多く、お金を稼げるのがメリットといえます。

雨や風の強い日は、安全面の問題から仕事にストップがかかり、急に休みになることもあります。

年末年始やゴールデンウイーク、お盆などの期間は、よほどスケジュールが立て込んでいない限りは工事は行われません。

病院が開いていない日は、ケガをした際のリスクが高まるためです。

このように長期休暇については、世間一般の人と同じくカレンダー通りにしっかりと休めるでしょう。

鳶職人の残業

鳶職人は基本的に残業の発生しない職業です。

日が暮れて以降は、手元が見えなくなって仕事をしにくくなるうえ、事故の危険性も高まります。

このため、夕方以降の時間帯は自由で、家族や友人、恋人と遊ぶ、趣味に打ち込む、飲み会に出席するなど、プライベートな予定も立てやすいでしょう。

鳶職人は、体力的な負担は重いものの、ワークライフバランスという点からみれば、すぐれた職業といえます。

鳶職人は忙しい?激務?

近年の鳶職人の仕事は、古くなったマンションやビルの改修工事が増えています。

改修工事は、建物新築工事とは異なり、入居者や建物利用者に配慮する必要性が生じます。

工事期間中は、窓を開けられなくなりますので、暑い真夏の時期は避けられることが一般的です。

このため、夏の終わりとなる9月は足場組立の現場、その工事が終了する12月は足場解体の現場が増えて忙しくなる時期です。

2月ごろには再び足場組立が、夏が始まる直前の6月ごろにはその工事の足場解体が増えるため、忙しくなりがちです。

ただし年間を通してみれば、そこまで仕事量が大幅に変動することは少なく、激務といえるほど工事が集中するケースはまれでしょう。

例外として、急に大型の台風が来る場合が挙げられます。

台風が訪れる前には、足場が倒壊しないように、つなぎ目を補強したり、おおっている養生シートを外したりといった緊急の作業が発生しますので、非常にあわただしくなります。

状況によっては、急な変化に対応できるよう、現場に泊まり込むこともあるようです。

鳶職人の休日の過ごし方

鳶職人は、普段きつい仕事をこなしているぶん、週に1日しかない休日は、ゆっくりと自宅で過ごして、気力と体力の回復にあてるという人が目立ちます。

出かけるとしても、日帰りできる距離までであり、遠出することは困難です。

しかし長期休暇については、まとまって休めるので、旅行を計画したりしてリフレッシュすることも可能です。

なお、休みの日くらいは昼過ぎまで眠りたいところですが、鳶職人は早起きの習慣が身体にしみついていて、明るくなると自然と目が覚めてしまうという声もよく聞かれます。

健康的な生活リズムが身につく点も、鳶職人の魅力のひとつかもしれません。