セラピストになるための学校と費用(大学・専門学校・スクール)

セラピストになるための学校の種類

セラピストになるために、決められた学校で学んだり、何か特別な資格を取得しなくてはならないということはありません。

知識や技術さえあれば、誰でもセラピストとして活躍できる可能性がありますが、セラピストに必要なスキルを効率よく学ぶために、多くの人は民間の養成学校やスクールに通っています。

なお、ひとくちに「セラピスト」といっても、さまざまな種類のセラピストがおり、どのような道を目指すかによって、なるための学校やスクールの種類も変わってきます。

通う学校・スクールの種類によって、取得できる資格にも違いが出てくることがあります。

ここからは、セラピストに関連する学校とスクールについて見ていきましょう。

セラピストになるには

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セラピストになるための大学

心理の専門的かつ高度な資格取得を目指す場合

セラピストになることだけを目的とするのなら、絶対に大学に通う必要はありません。

ただし、心理学方面の専門的な知識・カウンセリング技術を身につけたいのなら、「臨床心理士」や「公認心理師」の資格取得が目指せる大学へ進学することになるでしょう。

臨床心理士は数ある心理セラピストの民間資格のなかで最も社会的評価が高く、公的にも活用できる可能性が高い最上位資格です。

臨床心理士の資格を取ると、病院や学校、企業などに心理カウンセラーとして常駐できるケースが多くなります。

また、臨床心理士には医師の指導の下で患者に対して精神療法を行うことが認められています。

しかし、臨床心理士になるためのハードルは高く、指定大学院(1種・2種)や臨床心理士養成に関する専門職大学院と呼ばれる学校で専門的に学ぶなどの条件をクリアして、臨床心理士資格認定試験に合格する必要があります。

なお、諸外国で大学院と同等以上の教育歴、および必要な心理臨床経験を2年以上持っている人、医師免許取得者で必要な心理臨床経験を2年以上持つ人にも同試験の受験資格が与えられます。

臨床心理士の仕事
公認心理師の仕事

もうひとつ、臨床心理士と似たような役割を持ちつつ、心理系の資格で唯一の国家資格なのが「公認心理師」です。

公認心理師の資格としての歴史はまだ浅いですが、こちらの有資格者も医療や教育をはじめとする幅広い領域で、専門性を生かした活躍が期待されています。

心理学系の大学の学費はどれくらい?

通う大学の種類によって学費は変わってきますが、私立大学であれば4年間で400万円程度、大学院まで含めると1000万円近く必要になってくることもあります。

大学・大学院で心理学を学ぶ道は、他の専門学校やスクールに比べるとかなり高額な費用が必要になるといえます。

しかし、心理学以外にもさまざまな勉強をすることができたり、万が一、途中で進路変更をする際などにも大卒以上の学歴があれば選択肢が広がったりするメリットもあります。

リハビリテーションセラピストを目指す場合

国家資格のリハビリテーションセラピスト(理学療法士作業療法士言語聴覚士)になるためには指定の養成校に通う必要があり、4年制の国公立大学で総額300万円前後、3年制や4年制の専門学校で総額300万円~700万円前後はかかります。

「総額」というのは入学金、授業料、設備費、実習費、教材費、ユニフォーム代などの諸経費を合わせた学費ということです。

このほかにも、自宅から通学できる場合でも交通費はかかるでしょうし、寮に入ればそのぶん生活費もかかります。

理学療法士の仕事
作業療法士の仕事
言語聴覚士の仕事

セラピストになるための専門学校

リフレクソロジーといわれる種類のサービスを提供するセラピストを目指す人の多くは、民間のセラピスト養成講座やスクールに通うことが多く、専門学校で1年や2年といった期間をかけて学ぶ人はそこまで多いわけではありません。

また、セラピストになることを目的とした専門学校もそこまで多いわけではありませんが、考えられる道としては、整体関連の専門学校で解剖学など人間の身体について学び、「柔道整復師」の資格取得を目指すことです。

とくにボディ系セラピストになりたいと考えている場合、柔道整復師の資格を持っていると施術の幅が広がり、より専門性を生かしてお客さまに多様な施術を提供できるチャンスも得られます。

このような専門学校のカリキュラムは学校によって異なり、学費もまちまちですが、マッサージ師などの国家資格の受験も併せて目指していく場合、学費は300万円~500万円程度と、比較的高額になる学校が多いようです。

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セラピストになるためのスクール

ボディ系セラピストを目指す人向けのスクール

セラピストになるための学校として、最も代表的といえるのが民間のスクールかもしれません。

その大半は民間団体が独自に開設しているスクールで、そこでは施術に必要な技術や知識を学びます。

セラピストになるために、必ず学ぶのが「人体」に関する内容です。

「解剖生理学」といわれる分野になりますが、人体の骨格や筋肉、内分泌系、神経系など人の身体のしくみを学ぶことは、身体に深くかかわっていくセラピストにとっては必須です。

これをベースに、栄養学、化粧品学といった理論を学ぶこともあります。

そして、アロマテラピーやリンパドレナージュといった、セラピストの代表的な施術についての理論を学んでいきます。

学校に通う期間は数ヵ月~1年と幅があり、週1~2回のスクーリングが一般的です。

近年ではスクールが増えたことから、教える技術にも幅が見られるようになりました。

なかには「早期の資格習得が可能」ということをうたって、中途半端な技術を教えるスクールもあるといわれるため要注意です。

ボディ系セラピストは、人体の基礎知識や身体の免疫機能の知識、またアロマテラピーを利用するなら精油やハーブティーの知識というように幅広い知識が必要となります。

そのため、しっかりとしたカリキュラムがあるスクールに通うことが望ましいでしょう。

心理系セラピストを目指す人向けのスクール

心理系セラピストになるための学校は、心理カウンセラー養成学校(学院)として数多くのスクールが設立されています。

これらの学校は、基本的には民間団体が独自に開設しているスクールで、そこでは心理学の基礎や応用、演習、実習などを学びます。

学校に通う期間は数ヵ月~1年以上と目指す分野によってさまざまであり、週1~2回のスクーリングが一般的です。

心理セラピストの養成学校は、スクールによって用いる技法がさまざまです。
一般的なカウンセリングのほか、アートセラピー、インナーチャイルドセラピー、音楽セラピー、箱庭セラピーなど、さまざまなものがあります。

スクールやコースによって勉強できる内容が違うため、心理セラピストを目指す場合は、複数の学校のカリキュラムを比較して選んだほうがよいでしょう。

メンタル系セラピスト、エネルギー系セラピストを目指す人向けの学校

セラピストのなかには、メンタル系やエネルギー系の施術を得意とする人たちもいます。

こういったセラピストの多くは、資格発行団体の養成講座を受講することで技術を学びます。

メンタル系やエネルギー系の技術は提唱者によって、さまざまな技法・手法があり、スクールによって学べる内容には違いがあります。

なかには海外の講師を招いているところもあるようです。

セラピストになるための通信講座

セラピストになるためのスクールが近くにない場合は、通信講座で学ぶ道も考えられます。

通信講座にもさまざまなものがあり、数万円程度で学べる手軽なものから、10万円以上かかるものもあります。

勉強にかかる費用は通学制の学校に通う場合よりだいぶ抑えられるケースが多いため、金銭面で余裕がない人でも勉強しやすくなっています。

また、学べる内容や取得可能な資格も講座によって異なりますが、通信講座の場合、やはりスクールに通うよりも基礎的なことだけを学べるものが中心となっています。

また、通学制の学校であれば教室で講師から直接教わることができますが、DVDを使って勉強する場合は、とくに技術面では理解しにくい場合が出てくる可能性があります。

セラピストの仕事とはどのようなものかを知るきっかけとしては、このような講座を利用するのもよいかもしれません。

独学でセラピストになれる?

未経験でも研修を受けて現場に出られる店も

国家資格以外のセラピストであれば民間資格あるいは無資格でセラピストを名乗っても法的な規制はないため、もしかしたら「0円でセラピストになりました」という人もいるかもしれません。

とはいえ、現実的には何の知識・技術もなければ仕事として成立させていくのは難しいです。

サロンによっては、未経験者でも自店で研修をして現場に出られるような形を用意しているところもあるため、そのような求人募集に応募して1、2ヵ月程度の研修を受けてからセラピストとして現場に出るのが、最もお金のかからない方法ではないでしょうか。

短期間の養成講座には注意も必要

ボディ系、メンタル系、エネルギー系のほか、いくつかのセラピーでは、数時間~数日の技術講習を受けるだけでセラピストとして活躍できるといわれるものがあるようです。

しかし、こういったほんの短期間で学ぶ養成講座の場合、知識や技術の習得が不十分なケースが多く見られ、実際現場に出た時には役に立たないことが多々あります。

留学でセラピストになる勉強をする人も

セラピーは、ヨーロッパなどの海外でも普及しています。

現在、日本のセラピストが施術している技術の大半は海外から日本に輸入されたものであり、とくにアロマテラピーやリフレクソロジーは本場イギリスでは治療行為として認められているほどです。

このようなことから、海外留学をして本格的にセラピーを学ぼうとする人もいます。

日本のセラピストのスクールにでも、技術向上や上位資格習得のため、海外留学制度を設けているところもあります。

このような制度を使い、海外で学んでみるのもよいでしょう。

セラピストの学校選びのポイントは?

ここで紹介してきたように、セラピストになるための学校・スクールにはさまざまなものがあり、学び方の選択肢は多彩です。

セラピストの仕事に関わる資格も、一部の国家資格以外はすべて民間資格で、必ずしも何か資格を取らなくてはならないわけではありません。

もし学校・スクールに通う場合には、どのようなことが学べるのかや、卒業後の進路はどうなっているのかといった情報をしっかり把握したうえで選ぶことが重要です。

高い授業料を払ったからといって必ずしもセラピストになれるとも限りません。

セラピストを志す段階で具体的にどのようなセラピストとして働きたいのかしっかり考えて、実際にそのセラピストを目指す人や、すでにセラピストとして勤務している人から話を聞いてみるのもよいでしょう。