数学者の需要・現状と将来性

数学者の現状

数学者を取り巻く環境

数学の研究だけで生計を立てられる人はごくわずかであり、非常に狭き門です。

これは今も昔も同様であり、今後も大きく変わることはないと考えられます。

国内にある唯一の数学専門研究所である「京都大学数理解析研究所」に在籍している数学者は50人程度とされており、この数は1963年の設立以来現在も変わりません。

さらに、最近では大学の学部学科の改組が相次いでおり、数学者が活躍できるポストが減少している傾向にあります。

数学者の功績

2020年、京都大学数理解析研究所の望月新一教授が、数学の超難問「ABC予想」を証明したと発表され、世界中から注目を浴びました。

その証明論文は全部で600ページを超えるほど膨大なもので、世界でも内容を理解できているのは数人だといわれています。

日本人が数学の分野でこれほどの偉業を成し遂げたことは今までになかったことで、これをきっかけに数学の研究がより盛り上がっていくことが期待されています。

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数学者の需要

数学は各分野が高度に発達している学問であるため、需要が非常に少ないのが特徴です。

これにはあまりにも高度になりすぎて理解に非常に時間がかかる問題や、未解決の超難問が多いことが理由としてあげられます。

また、研究されつくしてしまったものなどは徐々に廃れていき、研究者として、その分野で活動の場を得ることが難しくなる場合も多いです。

自分の研究したい分野がこういった状況にある場合、数学者として道を切り開いていくことが困難になる可能性もあるため、数学者を志す場合はしっかりと調べておく必要があります。

数学者の将来性

近年では、金融機関において理系出身者を特別枠で採用するケースが増えてきています。

経済の動きを読み取るのには、少なからず理系の能力が問われるためです。

不景気が続き、先行きに不安も少なからずある業界において、理論的な分析のできるプロフェッショナルの養成に力を入れている企業が増えてきています。

もちろん、少数採用である場合が多いため、狭き門にはなっていますが、数学者の考える職業の選択肢の一つとして考えてもよいといえるでしょう。

また、電気機器メーカー、医薬品工業など企業におけるデータ統計・分析などの分野でも数学的な思考を生かすことができます。

志望者の多い教職はどうしても倍率が高くなりがちなため、このような場所で自分の興味関心を生かす人も増えてくるでしょう。

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数学者の今後の活躍の場

数学は万国共通の学問であるという特性を生かし、海外に活躍の場を求める人も増えてきています。

優秀な学生を海外に留学させるための助成金を設置している大学も多く、なかには数学に特化したプログラムも多く見られます。

もちろん、費用や語学の面など厳しい道であることは確かですが、海外の方が活躍できるポストが比較的充実している傾向にあるため、最終的な目標として海外で働くことも視野に入れるとよいでしょう。