消防士を目指す人におすすめの資格は?
消防士には資格が必要?
消防士になるには、各自治体で行われる消防士採用試験を受け、合格し、採用される必要があります。
この試験の受験資格は年齢や学歴によるものが中心となっており、何か特別な資格を持っていなくては受けられない試験ではありません。
したがって、消防士として採用されるまでに必須の資格はないといえます。
消防士に必要な基礎的な知識やスキルは、消防士として見事採用されたのちに、消防学校できちんと学び、身につけていくことが可能です。
消防士になった後に取得する資格もある
危険物取扱者や車両を動かすための資格
消防士が職務の中で求められる知識やスキルは、ひじょうに幅の広いものとなります。
消火活動における技能や、人命救助のための医学的知識はもちろんのこと、危険物の取り扱いや大型自動車の運転なども必要になるケースがあります。
したがって、「危険物取扱者」「大型四輪」「移動式小型クレーン」などの資格を取得しておくと実践的なスキルとして重宝するでしょう。
もちろん、消防士として採用されて現場で働き始めてから、これらの資格取得を目指す消防士もたくさんいます。
人命救助に関わる資格
消防士は消火活動だけでなく、人命救助を行います。
それらの業務に関連する資格としては、「救急救命士」や「JPTEC」があります。
救急救命士
救急救命士は国家資格であり、救急隊員として傷病者を病院まで搬送する間に適切な治療を施すための資格です。
まさに一分一秒を争う現場につねに身を置く消防士は、救急救命士への関心も高く、スキルアップのためにこの資格を取得していくケースが目立ちます。
一般的に、救急救命士になるには高校卒業後に救急救命士養成所で2年間学んでから国家資格を受ける必要がありますが、消防署での一定の勤務実績があれば、特別な学校に通わずとも救急救命士の試験を受けることが可能です。
JPTEC
また、JPTECは「外傷病院前救護ガイドライン」の略称で、重症の傷病者を迅速により高度な医療施設に搬送するためのプログラムです。
救急救命士と一見似ていますが、JPTECは生命の危険が差し迫った傷病者を「一刻も早く」「高度な」医療機関へ搬送することを最優先としています。
よって、軽度な損傷の処置や高度でないと判断された医療機関への搬送の優先順位については、低く設定していることが特徴です。
最近では、消防署における災害事案の多くを救急が占めているとされ、救急関連の資格の必要性がさらに高まっています。
こうした関連資格は、消防士として経験を積んでいくなかでスキルアップのために取得を目指す人が多いです。
資格によっては、署内で必要な研修を受けることもできます。
事務・デスクワークに関連する資格が役に立つことも
消防署には、消火・救助活動を行う消防士が所属する「警防課」だけでなく、建物の消防設備を検査したり森林火災の注意を呼びかけるなど、事務的な作業を行う「予防課」といった部門もあります。
消防署に長年勤める場合、そうした予防課に異動することもあるかもしれません。
現場で活躍するイメージが強い消防士ですが、実際、体力には自信があっても、慣れないデスクワークをすることになると苦心してしまう人もいます。
こうしたことから、「パソコン検定試験」や「簿記」などデスクワークに役立つ資格を、若いうちに取得する人も増えているようです。