車掌になるには? 必要な資格はある?
ですが、新入社員は入社後すぐに車掌の仕事を任せられるわけではなく、まずは駅員として1年から2年勤務し、それから車掌の登用試験を受けて合格する必要があります。
車掌を目指すなら、駅員として日ごろから真剣に仕事に取り組むだけでなく、世の中の動きにも敏感になっておくことが大切です。
この記事では、車掌になる方法や、車掌として必要な資格について解説します。
車掌になるまでの道のり
車掌になるには、まず鉄道会社の採用試験を受けて入社するところからスタートします。
はじめから車掌の仕事ができるわけではなく、入社後は駅員として1年から2年程度勤務します。
そこで改札業務や案内業務を中心に、多くの利用客と直接接しながら仕事を覚え、鉄道会社の一員としての自覚を身につけていきます。
その後、車掌の登用試験を受けて座学研修や実地研修を受け、合格すると、車掌として働けるようになります。
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車掌の資格・難易度
特別な資格は必要なし
「電車運転士」として働くには運転に関する国家資格が必要になりますが、車掌の仕事には、特別必要な資格はありません。
鉄道会社に入社し、駅員として一定の業務経験を積めば、車掌の登用試験を受けるチャンスが訪れます。
車掌登用試験とは?
車掌登用試験は年に1、2回実施する鉄道会社が多く、その内容は筆記試験と適性検査が中心です。
会社によっては駅の知識だけでなく、一般常識の問題が出されることもあります。
駅員として日ごろから真剣に仕事に取り組むだけでなく、世の中の動きにも敏感になっておく必要があるでしょう。
車掌の新人研修
車掌登用試験に合格してからは、3ヵ月程度の研修が実施されます。
社内の研修所などで、電車の仕組みや乗務に関する規則を学ぶ座学研修、指導車掌と一緒に実際に乗務しながら学ぶ実技研修などが実施され、車掌業務に必要な知識と技術の両方を身につけていきます。
研修終了後、最終試験に合格すれば車掌として働けるようになります。
車掌になるための学校の種類
鉄道会社における駅員や車掌のような職種は「現業職」と呼ばれます。
現業職の採用試験では、一般的に「高卒以上」の学歴が求められ、多くの人が高校卒業後にすぐ就職しています。
専門学校や短大・四年制大学から就職する道もありますが、大卒者は事務系の仕事が中心となり、乗組員を目指す人は工業高校や商業高校の卒業生が多くなっています。
高校から就職する場合
高校から鉄道会社へ就職する場合、毎年鉄道会社から高校に寄せられる求人に応募する方法が一般的となっています。
自分の在籍する(もしくは目指す)高校に、鉄道会社からの求人があるかどうか、よく確認する必要があります。
中学生までに現業職を目指しているのなら、鉄道科のある高校(岩倉高校、昭和鉄道高校)に進学するのもよいでしょう。
大卒から就職する場合
大学に進学してから鉄道会社への就職を目指す場合には、現業職に就くことが難しいことがあります。
というのも、大卒者は、本社に所属して鉄道会社の幹部を目指す「総合職」や、事務中心にオフィスワークを手掛ける「一般職」などの募集が中心となっているからです。
ただし、近年は現業職の人材不足により若手の育成に力を入れていること、また本人の希望と適性に応じて幅広い可能性を見出すため、JR東海のように大卒者でも車掌や運転士を目指せる「プロフェッショナル職」を置いている鉄道会社もあります。
年度によっても採用状況が異なるため、各社の募集要項をよく確認してみましょう。
なお、高卒・大卒どちらもから就職する場合も、現業職では信号確認業務があるため、色覚や視力、視野などの身体的な検査も行われます。
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車掌に向いている人
車掌の仕事は、見た目以上に細々とした仕事がたくさんあります。
乗客の安全を守ることが第一の仕事ですから、多方面へ気配りができることも大切です。
またトラブルの際の対応もしなくてはならないため、どんな状況でも冷静に毅然とした態度をとれる人が向いているといえます。
車掌のキャリアプラン・キャリアパス
車掌になってからは、以下のようなキャリアパスがあります。
- 車掌業務を続けて指導車掌になるなどキャリアアップする
- 運転士の国家試験や訓練を受けて「電車運転士」を目指す
一般的に車掌として2年ほど勤務すると、電車運転士を志願できるようになります。
「車掌になるには? 必要な資格はある? 」のまとめ
車掌になるには、まず高校以上を卒業し、鉄道会社の採用試験(現業職)を受けて入社するところからスタートします。
鉄道会社に現業職として入社し、駅員として一定の業務経験を積めば、車掌になる登用試験を受けるチャンスが訪れます。
車掌の仕事に必要な資格はありませんが、視力や色覚などに問題がないかの検査は行われます。