女性の裁判所事務官のキャリアパス・結婚後の生活

女性の裁判所事務官の現状

裁判所というと、テレビや映画でみられるような「堅苦しく男性ばかりの職場」というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には裁判所ではたくさんの女性が裁判所事務官として活躍しています。

平成30年度に採用した裁判所職員のうち、女性の割合は以下のようになっています。

<採用した職員に占める女性職員の割合>
・総合職(裁判所事務官/院卒者・大卒程度)…23.8%
・総合職(家庭裁判所調査官補/院卒者・大卒程度)…64.1%
・一般職(大卒程度)…54.1%
・一般職(高卒者)…55.6%

このように、裁判所事務官の総合職でも5人に1人以上、それ以外の区分では半数以上が女性の採用となっているのです。

裁判所での仕事は女性が活躍できる場面も多く、今後も女性の裁判所事務官は重宝されると考えられるでしょう。

参考:裁判所 採用した職員に占める女性職員の割合

女性の裁判所事務官の強み・弱み

強み

裁判所事務官の仕事は書類の受付や裁判記録の整理など、「几帳面さ」が求められる仕事です。

それに加えて、各部署との連携や当事者と密なコミュニケーションを取ることも、裁判をスムーズに進行させていくためには欠かせない部分となります。

このような点から、女性の几帳面さや人あたりの良さは、裁判所事務官で働く上での大きな強みと考えられるでしょう。

弱み

裁判所事務官は基本的には朝から夕方までの時間帯での勤務となりますが、交代で当直勤務もある点は頭に入れておきましょう。

裁判所では夜間でも逮捕令状の発行などを受け付けなければならないため、そのために裁判所事務官が夜間に勤務している必要があります。

女性でも当直にあたる可能性はありますので、体力的に自信のない方は注意が必要かもしれません。

裁判所事務官の結婚後の働き方

女性が長く働き続けるためには、本人の「働きたい」という意思だけでなく、職場に働きやすい制度がしっかり整っていることも重要です。

その点で言えば、裁判所事務官の勤務先である裁判所は、女性にとって非常に働きやすい環境だといえるでしょう。

裁判所事務官は一般の公務員と同様に、土曜・日曜・祝日が休みの週休二日制です。

さらに、結婚休暇5日、産前休暇、産後休暇、子の看護休暇、育児休業などの制度も設けられており、公務員ということもあって各種休暇制度は充実しています。

こうした制度が利用することで、女性も無理なく、仕事を続けながら育児や家庭生活を充実させることが可能です。

裁判所事務官は子育てしながら働ける?

子育てをしながら裁判所事務官として活躍している女性も少なくありません。

上でも説明したように、裁判所では子育てに関する制度も充実しているため、子育てを理由に裁判所事務官を辞めなければいけないようなことは少ないでしょう。

裁判所では産前・産後休暇や育児休業のほかにも、早出や遅出などで勤務時間をずらせたり、育児短時間勤務があるなどきめこまかい制度が用意されています。

企業によっては「制度が用意されているだけで実際には取れない」というケースもありますが、裁判所ではワーク・ライフ・バランスを推進しているため、これらの制度もしっかり利用できる環境が整っているようです。

そもそも裁判所は多くの女性が働く場所でもあるので、こうした制度の利用にも理解が得られやすい職場だといえるでしょう。

裁判所事務官は女性が一生働ける仕事?

裁判所事務官は国家公務員の立場で働く職業であり、安定して働ける仕事といえます。

出産や育児に関する各種制度も充実しており、さまざまなライフステージのなかでも無理なく続けられる職業です。

実際に出産後に育児休業を取得した場合でも、そこから復帰できる体制も整っています。

そして女性の多い職場であることから、管理職のポストに就く裁判所事務官も少なくないようです。

裁判所事務官として勤務経験を積んでいくことで「裁判所書記官」へのキャリアアップもあり、努力次第でキャリアを伸ばしていけることは働くやりがいにもつながるでしょう。