労働基準監督官の就職・採用の状況
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労働基準監督官の就職先にはどんなところがある?
労働基準監督官の就職先は、採用面接に合格した各都道府県の労働局や労働基準監督署です。
転勤はありますが採用された労働局管内での異動となるため、日本全国を転勤し続けることはありません。
また、勤務場所が変わっても基本的な仕事内容は変わりません。
・事業者が労働関連法令に違反していないかを確認する「臨検監督」
・労働災害(労災)が発生した際に対応する「安全衛生業務」
・労働関連法律の違反を犯している者に対し、捜査・逮捕・差し押さえなどの権限を駆使して取り締まる「司法警察事務」
・労働者災害補償保険(労災保険)の給付に関する業務を行う「労災補償業務」
以上のように、いずれの業務も労働環境を守るために重要なことばかりです。
労働基準監督官の試験・採用の状況
試験の状況
労働基準監督官は厚生労働省に所属する国家公務員の専門職ですので、労働基準監督官採用試験を受験しなければいけません。
試験は年1回実施されており、厚生労働省または人事院のホームページで試験の詳細が公開されています。
細かな日付は毎年変わりますが、おおむね以下のようなスケジュールで試験が実施されます。
・3月下旬~4月上旬:インターネット申込受付
・6月上旬:第1次試験(筆記試験)
・6月下旬:第1次試験合格者発表日
・7月中旬:第2次試験(人物試験)
・8月中旬:最終合格者発表
・8月中旬:採用面接開始(3日間)
・10月:採用内定
・翌年4月:採用労働局にて勤務開始
ここ数年は毎年3500~4000人が試験に申し込み、合格率は約14%となっています。
採用の状況
労働基準監督官は慢性的に人手不足といわれています。
全国には約410万の事業所と約5300万人の労働者がいるといわれていますが、労働基準監督官は全国で約3200人しかいません。
毎年の監督対象となる事業所は約16万にとどまっており、全体からすると約3%しか実施できていないということです。
働き方改革の一環として残業時間の上限を設けるなど規制は厳しくなったものの、チェックを行う労働基準監督官が不足したままでは、すべての事業所を適正な労働環境にするのは物理的に不可能だといえます。
2020年度は230人の採用予定があり、毎年200人前後の採用が行われていますが、現状を考えると今後も積極的な採用が考えられます。
労働基準監督官の志望動機・面接
労働基準監督官の志望動機は人それぞれですが、家族や親族の一人が労働環境で悩んでいたのを間近で見ていた、学生時代に労働基準監督官のセミナーに参加し弱い立場の人を助ける仕事を知ったなど、人の役に立ちたいという気持ちが前提にあると思います。
志望動機は面接で詳しく聞かれるポイントなため、伝える内容は事前にまとめておき、言葉で説明する練習を行うとよいでしょう。
労働基準監督官は人と関わることも多いため、面接では対人能力も見極められます。
志望動機の説明だけでなく、想定できる質問内容は事前に調べておき、面接官を納得させるつもりでチャレンジしましょう。