労働基準監督官のつらいこと・大変なこと・苦労

労働基準監督官のつらいこと・大変なこと

事業主との関係

労働基準監督官は法律に定められた権利を労働者がしっかり受けられるよう、事業主との間に入り是正していくのが仕事です。

事業場へ立ち入り調査を行い、帳簿の確認や事業主と労働者への聞き込みなども行い、法律違反や改善点が見受けられた場合は改善するための指導を行います。

「厄介な存在」ととらえている事業主もいるため、必ずしも全員が協力的なわけではありません。

そうした相手にも根気よく説明し、改善を促すには心身ともに相当なストレスを感じるでしょう。

誠実な姿勢と丁寧な説明が求められる

労働基準監督官は丁寧な説明が求められる職業です。

相談者は事業主と労働者、どちらの場合も考えられますが、疑問や要望を聞き出し上手に聞き出し、その解決方法を相手に分かりやすく説明しなければいけません。

時には労働基準監督官が対応できない相談案件もあり、その理由を納得してもらう丁寧な説明が求められます。

また、事業主に指摘を行う際は法律違反している点を単純に指摘するのではなく、ダメな理由やなぜ守らなければいけないのか、そしてどのように改善すればよいのかをセットで伝えるなど、事業主が納得するだけでなく、同じミスを起こさないようする必要もあります。

いずれのケースでも相手を納得させる必要があるため、労働基準監督官は説明能力・忍耐力が求めれられる仕事です。

職業に関する幅広い知識が必要

労働基準監督官がやりとりする相手は建設・建築業、接客業、製造業などさまざまでです。

当然ながら相手はその道のプロばかりですが、そうした相手とも対等にやりとりしなければならず、分からないことは自分で調べる、先輩に聞くなどして知識を積み重ねる努力が必要です。

労働基準監督官の悩み

労働基準監督官に寄せられる相談は賃金未払い、超過労働、労災によるけが、身に危険がおよぶ職場環境など、基本的にネガティブなことばかりです。

ただし、労働環境改善が職務なので仕方ないですが、そういった現状を解決するという高いモチベーションを保つのに苦労するようです。

また、一つひとつの案件対応に時間がかかるのも悩みです。

労働基準監督官の主な業務である臨検監督、安全衛生業務、労災補償業務、司法警察事務はどれも調査やヒアリングなどに慎重を期さなければならず、事業主や労働者に納得してもらうためにはやはり丁寧な説明も必要なため、それなりの時間がかかります。

加えて労働基準監督官は人手不足ともいわれており、おのずと一人ひとりが抱える案件も多くなるため、マンパワー的に限界があり困っている人を早く助けられないもどかしさもあるようです。

労働基準監督官を辞める理由で多いものは?

労働基準監督官を辞める理由は人それぞれの事情があるため一概にはいえません。

あえて労働基準監督官の業務に照らし合わせて例を挙げるなら、

  • 人手不足による案件数の増加
  • ネガティブな案件ばかりでモチベーションを保てなくなった
  • 数年ごとの転勤が負担になった
  • どの事業主もなかなか改善しようとせず嫌気がさした

などが考えられます。

労働基準監督官に限らずですが、使命感をもって取り組まなければ、1つの職業を長く続けることはできません。