総理大臣になるには
総理大臣とは
日本は、司法(裁判所)・立法(国会)・行政(内閣)の3つに分けられており、総理大臣は、行政を統率するトップのことです。
総理大臣のほかにも「首相」「総理」「内閣総理大臣」と呼ばれます。
国務大臣を選んで内閣を作り、各部署の監督・指揮を行うほか、外交のために渡航をすることもあります。
2020年、歴代63人目の総理大臣は安倍晋三です。
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総理大臣の仕事
総理大臣には、主に5つの仕事があります。
1.内閣を組織する
総理大臣に選ばれると、誰がどの大臣にふさわしいかを考え、行政を遂行する「内閣」というチームをつくります。
大臣は国会議員以外からも選ぶことができ、いわゆる民間から選ぶこともできます。
総理大臣が自分で選ぶことが出来る反面、大臣のスキャンダルが見つかれば、総理大臣の任命責任を問われます。
2.法律案の提出や政策の指揮
行政・内閣のトップとしてさまざまな法律や政策を審議し、それらの指揮監督を行います。
記者会見を開き、国としての意見を国民に説明することも大切な仕事です。
3.国会での答弁
国会に出席し、議員から上げられる政策案や予算案に対する質問に答えます。
4.外交
日本の代表として、他国の要人を迎え入れたり、自ら外国に赴いて会談を行ったりするなどの外交も重要な仕事です。
5.国家と国民の安全を守る
災害や外国による攻撃などが起きた場合は、迅速に対応を行い国家と国民を守ります。
万一国家や国民の命が危ぶまれるときは、最高指揮官として自衛隊に出動命令や指揮を取ることができます。
総理大臣になるための2つの条件
総理大臣になるには2つの条件があります。
国会議員であることと、文民であることです。
文民とは、「現役の自衛官ではないこと」を意味します。
衆参いずれの国会議員でも総理になれますが、総理は衆議院議員から選ぶのが慣例になっているため歴代の総理は全て衆議院議員です。
したがって総理大臣を目指すなら、まずは衆議院議員になることを考えましょう。
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総理大臣になるまでの道のり
総理大臣は、国会議員の投票による「首班(しゅはん)指名選挙」で指名され、天皇によって命名されて正式にその座につきます。
衆参両院それぞれで総理大臣を指名しますが、両院で指名を受けた人が違う場合は、衆議院の優越規定により、衆議院で指名された人が総理大臣となります。
総理大臣になるには首班指名選挙で多数の支持を得なければならないので、最大勢力である政党の党首になるのが、もっとも確実な総理大臣への道といえます。
なお、自民党政権が安定していた時代には、当選10回、財務相、外相、経産相などの主要な大臣(閣僚)の経験が総理になる条件とされていましたが、政権交代など政界が流動的になった今、条件は問わなくなったようです。
安倍晋三首相は、当選5回、自民党の幹事長は経験したものの、閣僚経験は官房長官のみで総理に就任しました。
大臣になるには
大臣は、その半数以上を国会議員から選ぶことになっています。
規定では半数以上ですが、実際には大臣のほとんどが国会議員で、民間からの登用はごくわずかです。
大臣を任命するのは、総理大臣です。
復興庁が廃止されるまでの間、大臣の人数は15人以内と決められていますが、必要があれば、3人まで増員し18人以内にできます。
基本的に大臣は総理の所属政党の国会議員から選ぶので、大臣を目指すなら、最大勢力である政党の国会議員になることが大臣就任への第一歩となります。