県議会議員の給料・年収
県議会議員の平均年収・給料の統計データ
県議会議員(都道府県議会議員)の給与は議員報酬と呼ばれています。
そのほかにもボーナスにあたる期末手当や政治活動に必要な諸経費として政務活動費なども支払われています。
ここでは県議会議員の収入について詳しく紹介していきます。
県議会議員の平均年収・月収・ボーナス
県議会議員の給与は自治体ごとに条例で定められているため、自治体の規模や税収入額によって金額は変わります。
国立国会図書館が調査し2019年4月に公表した報告書「地⽅議会議員の報酬・⼿当等の待遇」によると平均報酬月額は810,183円です。
次に期末手当ですが、法律上は必ず支給するものではありませんがほぼすべての議会で支給されています。
同じく「地⽅議会議員の報酬・⼿当等の待遇」によると、2018年度の平均期末手当は年額389万4,940円と報告されています。
以上のことから平均値で県議会議員の年収を試算すると、約1,360万円です。
県議会議員の初任給はどれくらい?
県議会議員の初任給は条例で決まってので、議会の議長や副議長にならない限り一律です。
議員報酬は各自治体で決まっているため、先ほど紹介した都道府県議会議員の平均報酬月額810,183円が初任給の目安です。
ただし、議員報酬の最高額は愛知県の977,000円、最低額は大阪府の651,000円と紹介されているように30万円強もの開きがあります。
参考までに民間企業の初任給と比較してみると、民間企業の初任給ランキングによれば一番高いのは日経コンサルティング会社の340,300円です。
さらに厚生労働省が発表している初任給平均値によると、大学院修士課程修了で238,900円、大学卒で210,200円という調査結果があります。
いずれにせよ一般的な初任給に比べれば相当高額ですが、政治活動していると出費も多く、私費をいくら投じようが、どんなに成果を出そうが決まった金額しか支給されません。
参考:東洋経済オンライン 「初任給」が高い未上場企業250社ランキング
参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給
県議会議員の福利厚生の特徴は?
県議会議員は非常勤の特別地方公務員という立場です。
公務員という名称は付いていますが、国家公務員や地方公務員のように福利厚生はありません。
勤務時間も休日も決まっているわけでもないため、何時に仕事が終わろうとも、土日に仕事をしようとも超過時間手当や休日手当もないというわけです。
あえて福利厚生のようなものを挙げるとすれば、政務活動費や費用弁償が支払われることです。
政務活動費は政策を練る際に必要な研修参加費や調査時の交通費、そして宿泊費、資料の購入費などに対して支払われるお金で、秘書を雇う際も給与の一部をこの政務活動費から支払ってよいとされています。
政務活動費も条例によって定められるため各自治体によって支給額は変わります。
月額50万円代から20万円代まで金額に開きがありますが、平均すると約35万円程度のようです。
費用弁償は議会や委員会に出席する際の交通費です。
支払うか否かは各自治体の条例により決まっており、2015年の調査では47都道府県のうち37団体が費用弁償を支払っています。
県議会議員の給料・年収の特徴
常に一定額支給される
県議会議員の報酬は条例で定められており、毎月固定額が支給されます。
その反面、いくら政策提案で貢献したり、県や県民に大きなメリットを与えたりしたとしても増えることもありません。
その逆のパターンもあり、県議会議員としての働きをしていなくても報酬は支払われてしまいます。
税金から報酬が支払われていると考えれば、県議会議員として県や県民の利益になる仕事をするのは当然といえますので、責任ある行動は求められます。
ただし例外的に削減されるときがあります。
2011年に発生した東日本大震災の際は自治体によって議員報酬の何割かを削減して財源にあてたり、被災地に寄付をした事例もあります。
また、直近の例だと新型コロナウイルス対策として議員報酬をカットして対策費にあてる自治体もあるなど、県民に難局が迫った際は削減されます。
高収入に見えるが、実はそうでもない
冒頭で年収約1,300万円と紹介したように、額面だけ見ると高収入に見えるかもしれません。
しかし額が大きければ当然、所得税や住民税、健康保険の保険料なども高くなる上に秘書の給与をはじめとした経費も私費でカバーする分もあります。
次期も県議会議員を続けるのであれば、次の選挙に備えて積立する必要もあるでしょうし、プライベートでも家のローンや家賃、子どもの学費、家族の生活費なども必要です。
県議会議員が収入を上げるためには?
県議会議員の報酬は条例で定められているため常に一定であることは前記したとおりです。
それを前提に県議会議員として収入をアップさせるには、議長や副議長になるしかありません。
議長の平均報酬月額は983,264円、副議長の平均報酬月額は878,928円という調査結果があります。
県議会議員の平均報酬月額は810,183円ですので、副議長になれば約6万円、議長になれば約17万円もの収入アップになります。
参考までに議長・副議長の最高報酬額を紹介すると、議長は愛知県の1,209,000円で、副議長は神奈川県の1,080,000円です。
ただし議会の選挙で選ばれなければ議長や副議長になれないので、狭き門といえます。