県知事になるには

知事になるまでの道のり

都道府県知事は地方自治体の長です。

円滑な行政運営を行うためにあらゆる提案を行い、都道府県議会などと協力して行政を動かすほか、地方税や地方交付税交付金の用途など重要な決定も行っています。

また都道府県の顔として県内外のイベントや式典への出席、政府との折衝、災害時の陣頭指揮など非常に多くの役割をになっています。

知事になるためには選挙に出馬して当選しなければいけません。

選挙に立候補するための条件は「日本国民で満30歳以上であること」です。

立候補条件は非常にシンプルですが、県議会議員と違い「その都道府県議会議員の選挙権を持っている」必要ありません。

つまり地元住民でなくても立候補できるということです。

これは、首長たる知事については、広く県の内外から優秀な人材を集めるためです。

ただし、県内の有権者に周知されていなければ支持されません。

日本国民で満18歳以上かつ、引き続き3カ月以上該当する都道府県内の同一の市区町村に住所のある住民に選挙権があります。

よほどの知名度や実績がなければ急に県外出身者が立候補しても当選する確率は低いといえます。

ちなみに知事の任期は4年となっています。

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知事選挙はお金がかかる?

上限額が決められている

かつての選挙はお金がかかり過ぎていたため、公職選挙法が改正されました。

選挙の種類ごとに選挙運動費用の制限額が設けられたのです。

都道府県知事選挙の場合は「選挙人名簿登録者数×7円に2,420万円を加えた金額」が上限です。

平成30年3月に行われた石川県知事選挙の場合、選挙人名簿登録者数が約96万人となっており、上記の式で計算すると、法定選挙運動費用額は3,091万4,200円(100円未満の端数は切り上げ)と公表されています。

実際にかかる費用は?

平均値などの公式なデータは公表されていませんが、各都道府県で行われた知事選挙の収支報告書が公表されています。

上記の平成30年3月に行われた石川県知事選挙の場合、2名が立候補しており1人が約1,070万円、もう1人が約220万円を選挙運動に費やしています。

この金額の開きは、選挙運動の方針によるものと考えられます。

もう一例として平成27年に行われた北海道知事選挙の収支報告書を見てみると、2名が立候補しており1人が約2,200万円、もう1人が約1,700万円を選挙運動に費やしています。

北海道の場合、当時の選挙人名簿登録者数が450万人以上と石川県の約4倍ですので、選挙にかかる費用が違ってきます。

参考:石川県選挙管理委員会 石川県知事選挙の法定選挙運動費用額について

参考:石川県選挙管理委員会 平成30年3月11日執行石川県知事選挙の 選挙運動に関する収支報告書の要旨の公表

参考:北海道公報(別冊) 北海道知事選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨

参考:北海道知事選挙 投開票速報(選挙区 選挙当日の有権者数)

選挙運動費用に加え供託金も支払う

選挙運動費用に加え、供託金300万円も必要になります。

供託金とは、売名などを目的とした出馬など、当選することを目的としない無意味な立候補を防ぐための制度で、出馬時に一時的に法務局に預けるお金です。

規定された得票数を超えれば選挙後に戻されますが、規定数に達しなかった場合、途中で立候補を取り下げた場合は没収されます。

ちなみに都道府県知事選挙の場合は「有効投票総数の10分の1」、都道府県議会議員選挙の場合は「有効投票総数をその選挙区の定数で割った10分の1」に達しなければ供託金が没収されます。

知事は官僚出身者が多い

知事選挙の立候補条件は「日本国民で満30歳以上であること」のみで、学歴や経歴は一切問われません。

しかし都道府県の長としてふさわしいかを判断するため、有権者は実績や経歴を必ず確認するでしょう。

これまでの知事の経歴の傾向として官僚出身者が圧倒的に多く、2020年5月時点での全国の知事の経歴を調べると全体の約6割にあたる28人が官僚経験者で、次いで多いのが国会議員経験者の7人でした。

こうした結果から考えられるのは、行政や国政での実績を持ち、政府や中央省庁とパイプを持っている人はアピール力があり選挙でも強いということです。

当然ながら県議会議員や市長経験者の知事もいますが、官僚経験者は有権者から認められやすいといえるでしょう。