経営コンサルタントにはどんな種類がある?
専門性による種類の違い
経営コンサルタントという職業には、明確な業務の定義はありません。
企業の経営に関する問題をヒアリングしたり分析したり解決策を提示したりする仕事をしている人は、誰でも経営コンサルタントを名乗ることができます。
しかし、企業によっては専門性の違いによって経営コンサルタントの種類を細かく分けていることがあります。
経営戦略のコンサルタント
経営コンサルタントの中でも、企業の経営戦略に関するコンサルティングを専門的に行っているのが、経営戦略担当のコンサルタントで「戦略コンサルタント」として採用や育成ルートを分けていることもあります。
経営コンサルタントのなかでも、とくに社会経済や景気の変動、企業の経営に関する豊富な知識が必要とされる仕事です。
他企業とのM&A(買収や合併)のサポートをしたり海外進出のためのグローバルな事業計画に関するアドバイスをしたりすることが多いのが特徴です。
財務のコンサルタント
企業の財務に関することを専門的にアドバイスするコンサルタントで、税金や法律に関する豊富な知識を生かして、節税のための対策や助成金を利用するための提案、資金調達の相談などを行うのが仕事です。
財務系のコンサルタントの中には、公認会計士や税理士の資格保持者もいます。
人事のコンサルタント
企業の人事に関することを専門的にアドバイスするコンサルタントの場合は、雇用や労務に関するスペシャリストであることが求められます。
新入社員の採用活動を効率的に行うためのアドバイスや就業規則の見直し、残業を減らすための提案などを行います。
このような財務系のコンサルタントの中には、社会保険労務士の資格保持者もいます。
マネジメントのコンサルタント
マネジメントの分野に詳しい経営コンサルタントもいます。
企業の業務の流れをチェックし、経費を削減しながら業績を上げるためのさまざまなアイディアを出すのが役割です。
20代で正社員への就職・転職
専門性による企業の違い
経営コンサルタントを雇用しているのはコンサルタントの専門会社(コンサルタントファーム)であり、企業によってクライアントの規模や専門としている分野が異なります。
経営コンサルタントを雇用する企業はそれぞれ力を入れている分野が異なるのが特徴です。
とくに規模の小さいコンサルタント会社や個人事務所の場合は、特に専門を分けずに広く浅く経営に関するコンサルティングを請け負っている場合もあります。
戦略系のコンサルティング会社
大手のコンサルタント会社が手がけていることが多いのが、戦略系のコンサルタント業です。
クライアントは基本的に大企業であり、他企業とのM&A(買収や合併)のサポートをしたり海外進出のためのグローバルな事業計画に関するアドバイスをしたりして経営戦略をバックアップします。
「マッキンゼー・アンド・カンパニー」や「ボストンコンサルティンググループ」など、外資系の大手コンサルタント会社は戦略系のコンサルティングに力を入れています。
財務系や人事系のコンサルタント会社
財務系のコンサルティング業を中心に手掛けているコンサルタント会社もあります。
財務系の会社で働く経営コンサルタントは資金調達や税金対策などに精通していることが求められるので、公認会計士や税理士としての経験がある人が転職でこの仕事に就くこともあります。
また、雇用や労務に関するスペシャリストが集結する人事系のコンサルティング会社もあります。
マネジメント系やマーケティング系のコンサルタント会社
この他にもクライアントの業務の流れをチェックして経費削減のアイディアを出すマネジメント系のコンサルタント会社や、新規の顧客を獲得するためのアイディアを出すマーケティング系のコンサルタント会社があります。
独立・開業する経営コンサルタント
独立・開業の多い職種
経営コンサルタントは業界内での転職が盛んな業界として知られていますが、独立や開業をする人も非常に多いのが特徴です。
コンサルタントはパソコンなどの最低限の機器とオフィスさえあれば、大きな初期投資なく開業でき、自宅の一部をオフィスにして働くことも可能であるため、開業が比較的容易だといえるでしょう。
ただし、独立してからコンスタントに依頼を受けるためには人脈や実績が必要不可欠なので、コンサルタント専門会社で十分な経験を積んでから独立をするのが賢明です。
また、「税理士」「公認会計士」などの専門性の高い資格を所持していると、クライアントからの信頼を勝ち取りやすくなります。
独立・開業のメリット
独立・開業の大きなメリットは、自分のペースで好きな仕事を引き受けられるということでしょう。
「経営戦略のコンサルティングに力を入れたい」「財務系のコンサルティングに力を入れたい」など、自分の理想の経営コンサルタントとして仕事をできるのは大きなやりがいにつながります。
また、独立することで高収入を目指せることも大きなメリットです。
コンサルティングの報酬の金額はそれぞれの企業が自由に設定することができるので、能力が高く人気のあるコンサルタントは個人で活動することで収入アップできるケースがあります。
さらに「プレゼンテーションが得意」「人当たりがいい」などの強みがある人の場合は、ビジネススクールや経営者向けの講座を開くことで収入を得る道もあります。
その他にもテレビでコメンテーターを務めたり、経済紙でコラムを書いたり、経営に関する著書を執筆したりして幅広く活動することもできます。