介護福祉士のつらいこと・大変なこと・苦労
介護福祉士のつらいこと・大変なこと
給料や待遇
介護福祉士の給料や待遇は、ほかの職業と比べるとあまりよいものとは言えません。
家族を養っていくために、やりがいを感じながらも転職に踏み切る人や休みの日は副業をしている人なども少なくありません。
介護福祉士としてキャリアアップしていくと、管理職やケアマネジャーなど給料も上がっていきます。
しかしその間の5年、10年の仕事と勉強の両立や研修の参加など、時間をけずって働く大変さもあります。
不規則な勤務
介護福祉士が働く多くの施設では、24時間体制での業務があるので、勤務は交代制で1週間の仕事のスケジュールは不規則となります。
日曜日や祝日・ゴールデンウィーク・年末年始など、世の中が休みになっていても、介護業界では利用者がいる限り交代で仕事をしなくてはなりません。
デイサービスなどでは日勤のみで勤務している介護福祉士もいますが、勤務先によっては、勤務形態が安定せず不規則な生活となってしまうことは苦労の一つです。
介護福祉士の悩み
介護福祉士の仕事が理解されない
介護福祉士として介護の専門家として働いていても、この職種をプロとしてなかなか理解してもらえないことがあります。
介護の仕事は医療の補助的な役目や女性の仕事と軽視されがちで、社会で正当に評価されないことがあり、他の専門職よりも給料が安く待遇の悪いのが現実です。
介護福祉士の仕事は「特に資格がなくても誰にでもできること」と思われがちですが、立派な専門職であることを広く世の中に認知していくことが業界としても求められています。
苦労しても報われない
介護の仕事は、目に見えた達成感を味わうことはなかなかできません。
ほかの仕事のように利益を追求する仕事ではないため、介護をしたからといって売上につながったり、成果が達成されたりといったような数字や形としての結果が見える仕事ではありません。
介護は利用者の方の生活を支える大切な仕事ですが、毎日は同じ仕事の繰り返しです。
どれだけ優しく利用者に接しても、介護度が上がっていったり認知症がすすんでいく利用者を見ていたりすると「苦労しても報われないのではないか」と感じることも多いようです。
人間関係の悩み
介護の職場では、現場で働く介護職員にもホームヘルパーや介護福祉士などさまざまな資格を持った人が働いていますし、そのほかにもサービス提供責任者・ケアマネージャー・看護士などさまざまな人が働いているため、立場上や資格上の上下関係や人間関係で悩む人が多いようです。
また利用者の中にもどうしても性格が合わない人がいたり、苦手な人がいたりして介護や介助をする際にも影響が出るなど、利用者との人間関係に悩む人も少なくないようです。
介護福祉士を辞める理由で多いものは?
介護福祉士の待遇
近年、介護業界の資格制度の整理がされ、国家資格の介護福祉士を上位資格と位置付け、その他の資格としてホームヘルパーや介護職員基礎研修などが行われています。
しかし、介護の仕事は資格がなくても働くことはでき、資格を持っているからといって給料面で介護福祉士と他の資格に大きな差はないのが現状です。
事業所や施設でも、介護福祉士の資格を持っていたとしても手当てなどがなくまったく評価されていないことも多いようです。
介護の現場では資格よりも現場経験が重要視され、介護福祉士の資格がなくても、介護の実務経験があれば主任ヘルパーやリーダーとして働くことがほとんどです。
そのためせっかく資格を取ったにもかかわらず、正当な評価を受けられないと給料や待遇の面から仕事を辞めてしまう人が多いようです。
介護福祉士の待遇を国が後押し
せっかく介護福祉士の資格を取得しても、待遇がよくないことからこの資格を使わない有資格者が大勢います。
介護保険制度が開始され数多くの民間企業がこの業界に参入したことにより、企業間の競争も高まり、どうしても人件費が抑えられている傾向があります。
この打開策として、国は介護報酬の引き上げの措置をとったり、介護職員総数のうち介護福祉士の占める割合を増すことで加算をしたりするなど、介護福祉士の待遇面をバックアップする施策を行っています。
今後は介護福祉士の認知を広め仕事の専門性を高めることにより、よりよい待遇で働くことができるように改善されていくことが望まれます。