家具職人に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
家具職人に向いている性格・適性
思いやりのある人
どんなに見た目の美しいおしゃれな家具であっても、使い勝手が悪ければ人々には受け入れられません。
製作した家具がどのような人の手にわたり、どのように使われるのか、家具職人は常にこのことを念頭に置いて作業をしています。
オーダーメイドであれば、注文者の要望や使用用途を加味し、実際にその家具が使われているところをイメージしながら製作します。
家具の魅力の一つに見た目の美しさが挙げられるという事実も理解した上で、使い手の立場に立った利便性を追求するのがプロの家具職人です。
そのためにも、家具職人は家具を使う人を思いやる心を常に持つ必要があるといえるでしょう。
向上心のある人
職人の道に生きることを決めたからには、常に向上心を持つことが必要です。
家具に使われる材料は木を始め、スチールやプラスチック、ガラスなどさまざまです。
それぞれの特性を理解し、適切に使用するためには相応の知識が必要とされます。
また、時代による住宅環境や家族形態の変化、また流行により、求められる家具の在り方は常に変化しているため、常にアンテナを張り、情報収集に励む努力も必要でしょう。
ときには建築や美術など、他の分野ともタイアップしながら製作を進めることもあり、自分の持っている知識や技術だけでは太刀打ちできない場面も出てきます。
他分野に対しても、意欲と好奇心を持って学ぼうとする姿勢が家具職人としての可能性を広げるカギになるといえます。
職人の世界にゴールはありません。
活躍している家具職人は皆、貪欲な向上心を持っている人たちばかりなのです。
20代で正社員への就職・転職
家具職人に必要なスキル・能力
集中力
家具の製作はほとんどの場合、完成までの全工程を一人で担当します。
そのため、製品の完成はそれぞれの職人の集中力に左右されます。
それは完成までに要する時間はもちろんのこと、出来上がりの質にも影響してしまいます。
ある程度の長い時間、維持できる集中力がないと、家具職人としてやっていくのは難しいといえます。
ときには一日中、誰とも口を聞かずに作業に没頭する日もあることを知っておきましょう。
忍耐力
家具職人は一人前として認められるまで、最低でも5年前後かかるといわれています。
つまり5年間は見習いの身分であり、給料も多いとはいえず、食べていくのがやっとということもよくあることです。
また、先輩の職人は新人を一人前に育てるための責任があるため、その指導が時に厳しくなることも当然あります。
このような状況に耐えかねて、辞めていく人も少なくないのが現状です。
家具職人を志願する人は、厳しい修業期間を耐え抜く強い忍耐力がなければ務まりません。
また、先輩職人に仕事を教わる機会が多い仕事ですので、素直な性格であることも大切といえるでしょう。
独立を考える場合
将来的に独立して工房を構える場合には、また別な要素も求められます。
家具のデザインから製作までを一貫して行う工房もあり、家具デザインも合わせて行いたい場合には、独創的なアイディアを生むセンスも必要とされます。
また経営者的な立場になるためには、営業的センスや経理的知識、数字に明るいことも重要となってきます。
さらに多く仕事を受け継続的にお客さまと付き合っていくためには、人付き合いが好きで、コミュニケーション能力があることが求められます。
家具職人に向いていないのはどんな人?
オーダーメイド家具の世界は、マニュアル化できない緻密な作業や覚えることが多く、日々努力を重ね続けなければなりません。
何よりもものづくりが好きで、家具をつくりたいという情熱がなければ、続けるのは難しいでしょう。
また家具職人は、納期厳守の仕事です。
作業の行程上、納期が間に合わない場合には、勤務時間を超過することや、休日を返上しての作業となることも少なくありません。
そういった場合にも、責任感を持って臨機応変に対応できる人材こそが家具職人として長く働くことができるのです。