IRのキャリアプラン・キャリアアップするためには?
IRになるまでのキャリアプランは?
IRにたどり着くまでのキャリアは明確ではなく、複数のルートが存在します。
この点がほかの一般的な職種とちがいます。
たとえば営業職の場合、新卒採用で営業職に配属され、フロントマンとして経験を積みます。
そしてやがて勤続年数や実績に従って、主任や係長、課長、部長と段階的に管理職に昇進していきます。
しかしIRの場合、まず新卒採用でいきなりIR部門に配属されることはありません。
企業によっては、そもそもIR専門の部署自体がなく、経営企画室や広報部などの部署のなかに併設されていることもよくあります。
このため、IR担当になるためのキャリアプランは一概にはいえず、企業によってかなり異なるというのが実情です。
ただし、相対的に「IR担当者に抜擢されやすいキャリア」というものも存在し、財務部や経理部、広報部などの管理職クラス、具体的には課長職以上の社員が任命されることが多いようです。
なお、IR担当者は各企業に数人しかいないうえ、求められるスキルも非常に高い職種です。
サラリーマンとしては間違いなく出世コースであり、IR担当者のその後のキャリアとしては、部長職に昇進したり、執行役員になるケースが目立ちます。
20代で正社員への就職・転職
IRになるまでのキャリアパス実例
財務部・経理部からのキャリアパス
財務部や経理部に配属された場合、およそ入社3年目くらいまでは、仕分け整理や勘定科目入力、決算業務のサポートなどを手掛けます。
その後、月次決算や年次決算、資金計画の策定といった専門的な実務を担うようになり、IRと関係性の深い仕事が増えていきます。
順調にキャリアを積み、30代で課長クラスくらいまで昇進すれば、次の異動でIR担当者になれる可能性があります。
広報部からのキャリアパス
広報部に配属された場合、新人時代は自社の業界動向や同業他社の情報収集や、社内報などの作製業務に従事します。
数年程度のキャリアを積んで中堅になると、広告代理店や制作会社と協力しながら、会社案内やチラシ、パンフレット、CMなど、外部向けの広告制作を企画段階からたずさわるようになります。
やがて役職者になると、各種企画の進行段階などを管理するようになり、IR担当者に任命されるケースもあります。
経営企画部からのキャリアパス
新卒で経営企画部に配属された社員は、先輩や上司が分析するための営業成績を収集、データベース化したり、役員会議で使用する資料の作成補助などを手掛けます。
数年ほどしてひと通りのスキルを身につけた後は、自身で経営企画を立案し、資料を作成して役員へのプレゼンテーションまで手掛けるようになります。
早い人だと、7年目~10年目くらいで課長に昇進して責任者として実務を取り仕切るようになり、なかにはIR担当者に抜擢される人もいます。
IRにキャリアアップするためには?
IR担当者は、投資家や株主への対応を一手に引き受けるきわめて重要な職種であり、人事部からの評価がきわめて高くなければ就くことはできません。
したがって、入社1年目から一生懸命仕事に取り組み、同期の社員よりも「頭ひとつ抜き出た存在」になることが必要です。
仕事が終わった後や土日などの休みについても、英語を勉強してTOEICハイスコアを目指したり、ビジネススクールに通ってMBA(経営学修士)を取得するなど、自己研鑽に励むことが望ましいでしょう。
併せて、上司や人事部との定期面談などの際に、将来的にIR部門への異動を希望していることをはっきりと伝えて、アピールしておくことも大切です。