インテリアデザイナーが独立してフリーランスになるには?
独立して働くインテリアデザイナーの仕事内容
インテリアデザイナーは、特定の組織に所属せず、独立してフリーランスとして働くことも可能な職業です。
独立のスタイルは大きく分けて2種類あります。
ひとつは、個人として建築設計事務所やデザイン事務所と契約を結び、完全歩合制で働く方法、もうひとつは、自身のデザイン事務所を開業する方法です。
前者の場合、労働力は自分一人となるため、たとえば内装コンセプト案の作成だけ、デザインの監修だけといったように、プロジェクト全体の一部を請け負うケースが一般的です。
後者の場合は、クライアントと直接契約し、必要に応じてアシスタントを雇用しながらプロジェクト全体を請け負います。
個人のほうがリスクは少ないものの、案件のサポート役に回ることが多く、手掛けられる仕事の規模は小さくなりがちです。
一方、事務所を開業すると、大きな案件もすべて自分で取り仕切って進めることができますが、そのぶん責任も重く、さまざまなリスクを背負わないといけません。
また、デザイナーとしての仕事とは別に、スタッフのマネジメントや経費コントロール、営業など、経営者としての仕事もこなす必要があります。
どちらのスタイルを選択するかによって、独立後の仕事内容は大きく異なるといえるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
独立するまでのキャリアパス
インテリアデザイナーが独立するには、まず設計事務所やデザイン事務所などに就職し、一通りの実務経験を積むことが必要です。
企画のつくり方、クライアントとの交渉、スケジュール管理など、学校で習う知識以外にも、インテリアデザイナーとして覚えないといけないことは無数にあります。
また、勤務している間に、独立した後に役立つ人脈づくりを進めておくことも非常に大切です。
さまざまな案件を手掛け、業界内で顔を売っておくことはもちろん、ほかの設計事務所やデザイン事務所とも積極的に交流し、将来的にフリーランスで使ってもらえるよう横のつながりを太くしておきましょう。
なお、一人前のインテリアデザイナーになるには、10年ほどかかるとされているため、決してあせらず、長期的なスパンで独立を計画するべきです。
インテリアデザイナーが独立するメリット・デメリット
インテリアデザイナーが独立するメリットは、仕事の自由度が高くなることが挙げられます。
独立すれば、どのような仕事をどれだけ請け負うかは自分次第です。
また、勤務時とは異なって事務所まで通勤する必要はなく、自宅やカフェで作業することができ、また仕事時間も好きに設定することができます。
とくに家事や育児、介護といった家庭生活の仕事も同時にこなさないといけない人の場合、仕事量や場所、時間をコントロールできるメリットは非常に大きいでしょう。
ただ、売れっ子になるほど多くの依頼が舞い込みますし、忙しくても大口クライアントからのオファーは断りにくいものです。
結局のところ激務に追われ、仕事の自由度がなくなるというケースも散見されます。
反対に独立することのデメリットは、経済的に不安定になりやすいことです。
独立すると、固定給が支払われるわけではありませんので、依頼が少なければ収入もそのぶん目減りします。
また、けがや病気、あるいは子どもの看病などで働けなくなると、その期間の収入はゼロです。
さらに、自身の事務所を開業している場合は、人件費や事務所家賃などの経費も発生するため、ゼロどころか収支マイナスになる可能性さえあります。
フリーランスという働き方に夢や憧れを抱く人も多く、また大きく飛躍できるチャンスがあるのも事実ですが、現実的なリスクも頭に入れて自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
20代で正社員への就職・転職
独立して働くインテリアデザイナーの給料・年収
独立しているインテリアデザイナーの給料は、まさにピンキリといえます。
大手デザイン事務所を経営し、世界を股にかけて活躍している人もいれば、家事の合間に副業程度に働いている人もいるからです。
有名デザイナーとして活躍している人のなかには、年収1000万円や2000万円に達している人もおり、勤務時をはるかに超える高給を稼ぐことも不可能ではありません。
その一方、あまり営業活動が得意でなかったり、あるいは単純に実力不足だったりして十分な依頼を獲得できなかったりすると、勤務時より大きく収入が減ることもあり得ます。
独立を成功させるためには、受注元からの信頼を得ることが不可欠です。
そのためには、納期を厳守するのはもちろん、丁寧かつ迅速な仕事を心掛け、コツコツと粘り強く実績を積み上げていくしかありません。
独立当初は経済的に厳しくなる可能性もありますが、デザイナー業界は口コミで仕事がまわってくることもよくあるため、きちんと仕事をこなしていけば徐々に収入は安定してくるでしょう。