法務の需要・現状と将来性
法務の現状
昨今は、誰もがPCやスマートフォンをもち、いつでもどこでも、SNSで簡単に情報を発信できるようになりました。
それに伴って情報の拡散スピードは劇的に早まり、企業の内情が晒されたり、企業の消費者対応がメディアに取り上げられるケースも増えています。
具体的には、「アルバイトが顧客情報を漏らした」「事実と異なる誇大な広告をしてしまった」などの事例があります。
こうした事態が発生した際、対処を誤れば、企業は大きく利益や信用を損ない、ときに取り返しのつかないダメージを負うこともあります。
法務担当者は、法律知識を駆使して、トラブルの解決に当たったり、また社員教育を徹底してトラブルが起こるのを未然に防ぐことが仕事です。
企業法務の重要性が年々高まるにつれて、より注目を集める機会が増え、多くの活躍を求められるようになっているのが、法務の置かれた現状といえるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
法務の需要
上記のような環境から、法務の需要は増加傾向が続いています。
転職市場はかなり活況であり、実務経験のある即戦力者については、かなりの好待遇で採用されるケースも頻繁に見られます。
弁護士資格保有者が一般企業の法務部で会社員として働く、いわゆる「インハウスローヤー」も年々増えています。
業界に関係なく、法務セクションの強化はいまやどの企業でも喫緊の経営課題となっていますので、今後についても、法務の需要は堅調に推移する見通しです。
ただし、法務は豊富な法律知識が求められる専門性の高い職種であり、求人需要はあくまで経験者に限られます。
法務担当として未経験者が採用されるケースはほとんどない点には注意しなければなりません。
新卒の場合も、法学部卒、法科大学院卒などの学歴が求められることになるでしょう。
法務の将来性
私たちが暮らす日本は「法治国家」であり、法律は社会の秩序を守るために絶対に必要なものです。
既存の法律が改正されたり、新しい法律が制定されることはあっても法律がなくなることはなく、企業における法務という職種の需要も続くでしょう。
また、いくらAIの発達がめざましいとはいえ、訴訟対応などの複雑な業務を機械が代行することはきわめて困難です。
したがって、法務につき一定以上の知識とスキルをもつ経験者のキャリアは明るいといえます。
しばらくは供給よりも需要のほうが上回る可能性が高いため、これから法務を目指す人にとっては望ましい環境が続くでしょう。
ただし、将来にわたって法務として活躍し続けるためには、常に自身の法律知識を最新にアップデートするための勉強が不可欠です。
20代で正社員への就職・転職
法務の今後の活躍の場
日本国内の市場は、少子高齢化に伴う人口減少によって、中長期的にみればあらゆる産業で縮小していくことが避けられません。
このため、企業として成長していくためには、海外に活路を見出していくしかない状況です。
一般的に、法的なトラブルは日本よりも海外のほうが多く、「訴訟大国」とも呼ばれるアメリカはその典型といえます。
海外で事業を成功させるためには、国内事業にも増して法務担当者の活躍が重要ですので、法務の業務フィールドは、今後よりグローバルに拡大していく見通しです。
法務には、英文で書かれた数十ページにわたる契約書の内容を素早く理解する、英語でネイティブと難しい条件交渉を行うなど、非常に高いレベルの英語力が求められます。
将来的に法務を目指す中高生などについては、学生時代の間に、できる限り英語力を磨いておくことが非常に重要でしょう。