動物飼育員への転職・未経験からなれる?
動物飼育員への転職状況は?
動物飼育員への転職状況は、ややハードルが高いです。
その理由は、民間・公立の動物園や水族館を問わず、飼育員の募集は定期採用はほとんど行われておらず、欠員が出た際の不定期募集のみというケースが多いからです。
また、1回の募集では「若干名程度」しか採用しないため、転職したいタイミングで、ちょうどチャンスが得られるかはわかりません。
もちろん、動物飼育員とは関係のない他業界から転職を成功させた人もいます。
とはいえ、動物飼育員への転職者の需要は少なく、なりたい人に対して採用される人数が少ないということは頭に置いておいたほうがよいでしょう。
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動物飼育員への転職の志望動機で多いものは?
動物飼育員への転職の志望動機で多いものは「動物飼育員になる夢を諦めきれなかった」というものです。
小さな頃から動物飼育員になりたかったものの、高い倍率で正社員になるまでに難しいことや、就職できても高い収入が見込めないことなどを理由に進路変更した人なども少なくありません。
しかし、ほかの仕事についても、やはり「動物に関わりたい」「動物飼育員になりたい」という気持ちが抑えられず、転職を目指したという人が多いです。
ただし、それだけの理由では動物飼育員に採用されるのは難しいため、採用面接ではより具体的に「どんな動物飼育員になりたいのか」などをアピールできるように準備しておくとよいでしょう。
未経験・社会人から動物飼育員になるには
未経験・社会人から動物飼育員になるのに、必要な資格はありません。
ただし「獣医師」「学芸員」などの資格があったほうが、書類選考や面接で有利になることもあります。
また動物飼育員の応募時には、年齢制限や学歴、資格などが求められたり、即戦力を採用するために動物飼育に従事していた経験者であることが記載されている場合が多いです。
そのため、動物に関する知識を身につけるために、専門学校やスクールに通ってイチから学びなおす人、あるいはアルバイトやパートなどで動物飼育員として経験を積みながら正規職員としての転職を目指す人も多いです。
経験はとくに問わずに募集されることもありますが、採用例はそこまで多くありません。
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動物飼育員への転職に必要な資格・有利な資格
動物飼育員に転職するのに絶対に必要な資格はありませんが、業務に生かせたり、転職時に評価されやすい資格は存在します。
代表的なのは「獣医師」「学芸員」「愛玩動物飼養管理士」の3つです。
「獣医師」を取得するには獣医系大学に6年通い、国家試験に合格する必要があります。
「学芸員」の資格を取得するには、以下の3つのどれかに該当する必要があります。
・大学で学芸員資格取得に必要な科目の単位を修得する
・大学に2年以上在学し62単位以上を取得し、3年以上学芸員補の職についている
・上記2つにあげたものと同等以上の学力・経験を有している
「愛玩動物飼養管理士」は動物に関する法令や疾病予防、飼育管理などの知識を体系的に習得できる資格で、動物飼育員やOL、サラリーマン、学生などの幅広い人が取得しやすい資格になっています。
動物飼育員への転職に役立つ職務経験は?
動物飼育員への転職に役立つ職務経験は、動物の飼育経験や知識です。
多くの飼育員志望者は、大学の畜産学科や獣医学科、あるいは動物関連の専門学校で、動物の生態などに関する基礎的な知識・技術を身につけたあとで就職を目指しています。
動物園にいる動物たちは、人間が自宅で飼うペットとは異なり野生に近い環境で暮らしており、日常生活では馴染みのない中型・大型動物も多いため、飼育の専門知識や経験が不可欠です。
動物園では最低限の飼育員で回しているところも多く「定期的に新人を採用して育てる」といった職場はあまり多くありません。
そのため人材採用も退職者が出た場合に、すでに経験のある即戦力となる人を求めることが非常に多いのです。
しかし、人手不足の場合には未経験でも採用される場合もあるため、可能性はゼロではありません。
未経験から動物飼育員になる場合は、アルバイトや臨時職員からスタートし、現場で仕事を覚えながら人脈を作っていくのもよいでしょう。
アルバイトを全力で頑張り、延長に推薦をもらって正規職員に昇格した経験をもつ人もいます。
最初は給料もあまりもらえず生活は厳しくなるかもしれませんが、狭き門である動物飼育員を目指すのであれば、覚悟を持ってのぞむ必要があるでしょう。
動物飼育員への転職面接で気をつけるべきことは?
動物飼育員への転職面接で気をつけるべきことは、志望先の動物園・水族館の特徴を理解し、熱意を伝えることです。
志望者は「動物飼育員になりたい」「動物が好き」という人が大勢いるため、これだけでは面接のアピール材料としては薄く、ライバルに差をつけることができません。
そこで志望する施設のことをしっかり調べあげ、「自分がなぜその動物園で働きたいのか」「どんな動物飼育員になりたいのか」ということを具体的に話せるようにしておくことが大切です。
個性あふれる展示企画をしていたり、希少な動物保護や研究に力を入れているなど、動物園や水族館ごとの特徴を調べておきましょう。
そのほかにも動物たちと信頼関係が築ける忍耐力、肉体労働にも耐えられる体力、動物の生態を研究する好奇心旺盛であることなど、動物飼育員に向いている素質も大きなアピール材料になります。
募集人数が少ない狭き門の転職面接では、少ない時間の中で熱意や人柄を知ってもらえるようにまずは準備しておくことが大切です。
動物飼育員に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
動物飼育員に転職可能な年齢は、明確に定められてはいませんが、30歳くらいまでと考えておくとよいでしょう。
体力勝負の仕事であるため、採用試験で年齢の上限を設けている場合もあります。
とくに公立の動物園・水族館を目指す場合には、注意が必要です。
公務員試験を受けるには年齢制限があり、地方自治体によって異なりますが、多くは25〜35歳に定められています。
なお、動物飼育員は一度なったら定年まで勤めあげ、その後も再雇用で働き続ける人も多数います。
未経験から動物飼育員の転職での志望動機
未経験から動物飼育員の転職を目指す場合、志望動機は具体的なストーリーを盛り込むことを意識しましょう。
「動物が好き」「動物飼育員になりたい」という志望動機では、多くのライバルと同じ意見になってしまうので、それ以上のアピールが必要です。
志望する動物園や水族館で行われている「動物の調査・研究」「社会教育活動」「野生動物の保護」などの特色に合わせて、動物飼育員としての目標を盛り込むとよいでしょう。
たとえば「貴園の力を入れている調査・研究に、動物飼育員として関わりさらに深掘りしたい」「社会教育活動に共感し、多くの人に動物の生態系をわかりやすく伝えていきたい」などとまとめることができます。
念入りに下調べを行うことで、「動物飼育員としてその動物園で何をしたいのか?」という自分の目指す将来像まで見つけ出せると、志望動機は強いものになるでしょう。