カメラマンの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
カメラマンの仕事とは
カメラマンとは、報道、芸能、広告などの各分野において、カメラを使って写真を撮影する専門家です。
多くのカメラマンは、自身の専門分野を持っており、強みを生かして働いています。
カメラマンが撮った写真は広告や雑誌などに掲載されることが多いため、カメラマンには媒体の特性や目的に合わせた写真を撮ることが求められます。
あるいは、七五三や結婚式など、人生の節目の記念写真を専門に撮るカメラマンもいます。
撮影機器の進化によって、一般の人でもきれいな写真を撮りやすくなっている現代ですが、プロのカメラマンは撮影に欠かせない「光」の当て方や、より写真を良く見せるための「構図」など、撮影に関するさまざまな知識・技術を身につけています。
そして、写真を通じて人々に喜びや感動を与えたり、世の中の動きを伝えていく役割を担っています。
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カメラマンの業務の内容
写真の目的・意図に合わせた写真を撮影する
カメラマンとは、報道、芸能、広告などの分野において、カメラを使って写真を撮影する専門家です。
業務内容をひとことでいえば「写真を撮ること」となりますが、何も考えずに、ただ好き勝手にシャッターを押せば良いというものではありません。
撮影しようとする写真がどこで、どのような目的に使われるのかを考慮し、それに合う写真を撮影することが求められます。
そのために、まずはカメラをはじめとする機材の扱い方を覚え、さらには撮影に欠かせない「光」の当て方や、より写真を良く見せるための「構図」など、撮影に関するさまざまな知識を身につけて実践できるようにならなければなりません。
カメラマンの専門領域
ほとんどのカメラマンは、専門領域を持っています。
その領域は多岐にわたりますが、下記のような領域が代表的です。
広告カメラマン
広告カメラマンは、広告会社などから依頼を受けて、雑誌やポスターなどに掲載する広告用の写真を撮影します。
グラビアなどの人物や、車、料理などの特定分野を専門にしている人もいます。
人物を撮影するときには、スタイリストやメイクアップアーティストなどと共同で作業を行います。
報道カメラマン
報道カメラマンは、新聞や雑誌などに掲載するために、事件・事故現場や政治家などの写真を撮影します。
一般的に、カメラマンはフリーランスで活動する人が多いですが、報道カメラマンの場合には、新聞社や雑誌社に所属していることもあります。
戦場カメラマン
戦場カメラマンは、報道カメラマンのうち、戦場での撮影を専門にしたカメラマンです。
紛争地帯に乗り込み、現地の状況をカメラに収めます。
スポーツカメラマン
スポーツカメラマンは、サッカーや野球などのスポーツ選手の試合中の写真を撮ります。
動きが早いスポーツの場合、瞬間を逃さず撮影する必要があります。
水中カメラマン
水中カメラマンは、水中写真を専門にしているカメラマンです。
海中の生物やマリンスポーツなどの写真を撮影します。
風景・動物カメラマン
風景・動物カメラマンは、自然の風景や野生動物を撮影するカメラマンです。
その他、街の写真館に所属し、記念写真や地元の学校のアルバム用の写真を撮るカメラマンや、結婚式場での撮影を担当するカメラマンなど、活動領域は多岐にわたります。
「出張サービス」で撮影をすることも
プロのカメラマンによる撮影サービスが多様化していますが、最近では、お客さまからの依頼を受けて各地へカメラマンが出向き、現地で撮影を行うと「出張撮影サービス」の需要も拡大しています。
カメラマンの出張撮影サービスを利用する人の目的はさまざまです。
たとえば、自宅周辺で家族の自然な写真を撮ってもらいたいというものや、イベントの撮影をしてほしいというもの、また、単発で店舗や商品の撮影の希望する人なども、こうしたサービスを利用しています。
利用者側からすると、一度だけの撮影でも、プロとしての腕を持つカメラマンに気軽に撮影を依頼できるメリットがあります。
フリーランスのカメラマンは地域を限定して出張サービスを行う人が多いですが、全国規模での出張に対応したサービスを提供する会社もあります。
カメラマンの役割
カメラマンの役割は、写真を通じて人に事件・事故のリアルな姿を伝えたり、日常生活の中での喜びや驚きを伝えたりすることにあります。
食欲をそそる料理、真剣に勝負をするスポーツ選手、野生の中でたくましく生きる動物、美しい風景など、カメラマンが撮影する写真の内容は多岐にわたります。
それらの写真は新聞・雑誌・書籍・インターネットなど、さまざまな媒体で使われています。
広告のように、デザインやキャッチコピーと合わせて見る人の購買意欲を高めたり、企業のイメージ作りのために、カメラマンが撮影する写真が使われることもあります。
また、結婚式や七五三、家族の節目のイベントなどに残す記念写真を撮るためにカメラマンが活躍することも多いです。
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カメラマンの勤務先の種類と仕事内容の違い
カメラマンの働き方
カメラマンの働き方は、主に新聞社・出版社・デザイン事務所・広告代理店などの企業に勤務するパターンと、フリーランスで働くパターンの2通りに分けられます。
企業勤務であれば、正社員や契約社員、アルバイトなどとして雇われる形となり、フリーランスの場合はいわゆる個人事業主として活動します。
フリーランスのカメラマンが数人集まって、ひとつの事務所を構える場合もあります。
カメラマンのおもな勤務先
カメラマンの勤務先には、以下のような場所が挙げられます。
- 新聞社
- 出版社
- 広告制作会社
- 写真スタジオ
- 結婚式場
勤務先によって具体的な仕事の流れや任される業務は多少変わってきますが、自社で企画したコンテンツの内容に沿う写真を撮りに出かけたり、クライアントの依頼に応じてスタジオや屋外で写真を撮影するのが、カメラマンの役割です。
また、独立して働くフリーランスのカメラマンは、基本的に一人で活動をしていますが、自分で事務所を立ち上げている人も少なくありません。
新聞社・出版社・広告制作会社で働くカメラマン
新聞社
事件や事故が起きた際や、ニュースになりそうなネタが見つかったときに現場に行って撮影をします。
このようなカメラマンは、一般的には「報道カメラマン」と呼ばれています。
基本的には新聞社に正社員として就職する必要がありますが、不定期でアルバイトのカメラマンの求人が出ることもあります。
出版社
出版社には、雑誌や書籍に使用する写真を撮影するカメラマンが在籍しています。
撮影する写真は、モデルそのものであったり、洋服やアクセサリーなどのモノであったり、あるいは風景や料理、スポーツであったりと、担当する雑誌・書籍によってさまざまです。
大手企業では社内に社員のカメラマンがいますが、小さな出版社や制作プロダクションでは、フリーランスの外部カメラマンと契約をして、案件ごとに依頼しているパターンも多いです。
広告制作会社
スタジオや屋外ロケで、広告に使用する写真の撮影を行います。
広告制作会社は小さな会社も少なくありませんが、その仕事にはカメラマンが必要不可欠なため、自社でカメラマンを置いている場合が多いです。
アシスタントの募集が出されることも多いです。
写真スタジオで働くカメラマン
七五三や成人式など、家族の記念写真や証明写真などを撮影するスタジオも、カメラマンが活躍する場のひとつです。
最近では、自然な雰囲気の中で子どもの成長の記録を撮影する専門の写真スタジオも増えてきました。
このような場では、他のカメラマンに比べて一般のお客さんと接する機会も多いです。
結婚式場で働くカメラマン
結婚式場には、結婚式を専門で撮影するカメラマンが在籍しています。
社員となりその式場の専属カメラマンとして働く人がいる一方、フリーランスで活動している人も多い分野です。
結婚式の様子は撮り直しがききませんし、とっさの判断での撮影も多くなるため、難しいものです。
結婚式を撮るカメラマンは、通称「ブライダルカメラマン」もしくは「ウエディングカメラマン」と呼ばれます。
独立・開業して働くカメラマン
カメラマンの事務所で働く
カメラマンは、企業などに所属して働くのではなく、独立してフリーランスで活動する人も多い職業です。
フリーランスのカメラマンは、完全に個人の名前のみで仕事を請け負うこともありますが、事務所を立ち上げて「〇〇△△(カメラマンの氏名)写真事務所」といった看板を掲げるケースもよく見られます。
その事務所に所属しているのはカメラマン一人だけということもあれば、何人かのカメラマンが集まって事務所を作っていることもあります。
また、撮影スタジオを併設し、事務所内で撮影ができるようにしているところもあるようです。
一般的に、カメラマンの事務所では、クライアントから撮影の依頼を受けると、打ち合わせを行ってスタジオあるいは出張にて撮影を行います。
撮影する内容は、記念写真、ポートレート、商品写真、結婚式、各種イベントなど多岐にわたりますが、事務所によって人物撮影を得意にしていたり、広告写真を専門にしていたり、あるいはオールマイティーに手掛けていたりとまちまちです。
大きな事務所になると、カメラマン以外にスタイリストやヘアメイクといった他職種のスタッフも所属していることがあり、協力して撮影を行います。
カメラマンの事務所でアシスタントとして働くには
新人カメラマンは、まずカメラマンの事務所のアシスタント募集に応募して、先輩の下で経験を積んでいくこともできます。
カメラマンの事務所は全国にたくさんありますが、規模はまちまちで、必ずしもすべての事務所で求人が出ているとは限りません。
しかし、カメラマンの世界では「アシスタント」の需要も大きく、個人で活動しているカメラマンでも、アシスタントを募集することがあります。
また、カメラマン集団の事務所であれば、随時応募を受け付けているところもあるようです。
どうしてもこのカメラマンの下で働きたいといった場合は、募集されていなくても自らアプローチしてみるのもよいでしょう。
事務所での求人はホームページなどのみで、かつ不定期に出されることも多いため、こまめなチェックが必要です。
カメラマンの仕事の流れ
カメラマンの仕事の流れは、勤務先や案件によっても異なります。
ここでは、ファッション誌の撮影に携わる場合を想定して、仕事の流れを紹介します。
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1.仕事の依頼
まずは写真が使われる媒体の特性やコンセプト、ターゲットに合わせて、どのような写真を撮影するかを決定します。
自分一人だけで考えるのではなく、編集者やディレクターなどから指示を受け、ときに自分も意見を出しながら決定していくのが一般的な流れです。
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2.撮影準備
撮影日時・場所が決定すると、カメラマンはカメラ本体、交換用レンズ、三脚、ストロボなど必要な機材を持ち運んで現場へ向かいます。
現場では編集者など他のスタッフと連携をとり、撮影の流れを確認して、機材のセッティングに入ります。
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3.撮影
撮影はタイムスケジュールに基づいて進められることがほとんどですが、現場の状況によっては、どうしても時間通りに進まないことも出てきます。
その場その場で編集者たちと相談し、撮影をした画像はパソコンを使って確認しながら、臨機応変に撮影を進めていきます。
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4.片付け
その日に撮るべき写真をすべて撮り終えたら撤収作業をし、現場を後にします。場合によっては1日に複数件の案件が入ることもあります。1日の終わりには、使ったカメラ・レンズの掃除やバッテリーの充電など、次の撮影に備えて準備しておきます。
カメラマンとフォトグラファーの違い
写真を撮影する専門家は「カメラマン」のほか、「フォトグラファー」といわれることもあります。
この2つの言葉の使い分けは、明確な決まりがありません。
どちらかを名乗るために、何か特別な資格が必要なわけでもありません。
同じように撮影の仕事を専門にしている人でも、名刺の肩書には「カメラマン」と記載しているケースもあれば、「フォトグラファー」としている人もいます。
ただし、テレビ番組やテレビCMを撮影する人は迷わず「カメラマン」と呼ばれるように、「カメラマン」は動画撮影も含めてカメラ全般を扱う人、それに対して「フォトグラファー」は写真オンリーの撮影を行う人という意味で使われている場合があります。
別の角度では、広告などで使われる商業写真を撮影する人を「カメラマン」と呼び、芸術活動の一環で写真撮影をしている人のことを「フォトグラファー」と呼ぶこともあります。