弁理士の働き方の種類とその特徴

弁理士の雇用形態

弁理士の大半は、特許事務所や企業に勤める正社員か、自身の特許事務所を運営する経営者です。

しかし、なかには、家事や育児、介護といった家庭の事情で、毎日残業することが困難だったり、フルタイムで働けないという人もいます。

その場合は、正社員ではなく、派遣社員やアルバイト・パートとして、時間を区切って働くほうが自身の都合に合っているということもあります。

さらに、弁理士の資格取得を目指して勉強中の人については、補助スタッフとして特許事務所に勤めることも珍しくありません。

その場合の雇用形態は、正社員のケースもあれば、派遣社員やアルバイトのケースもあります。

このように、弁理士の雇用形態にはさまざまなパターンがありますので、それらの特徴や待遇面を理解したうえで、自身に最適の働き方を選択することが大切です。

正社員の弁理士

正社員の特徴

正社員の弁理士は、特許事務所だけでなく、一般企業の知財部門や法律事務所、研究機関など、多様な就職先があることが特徴です。

業務内容は、特許庁への出願手続きや知的財産の管理運営などがおもであり、業務には高い専門性と大きなやりがいがありますが、そのぶん責任は重く、失敗できないというプレッシャーがつきまといます。

また、業界全体で残業時間は長めであり、複数の案件の締め切りが重複すれば、深夜までの長時間労働や休日出勤を強いられる可能性も少なくありません。

正社員の待遇

正社員の弁理士は、年収700万円~800万円ほどが相場とされており、資格取得の難易度や求められるスキルレベルに見合った高収入が期待できるといえます。

弁理士を必要とするレベルの一般企業は、上場クラスの大企業が中心であり、福利厚生面についても充実しているところが目立ちます。

一方、特許事務所については、少人数で運営しているところが大半であり、人繰りがつきにくい関係上、各種休暇制度を取得しにくい職場が目立ちます。

長時間残業が常態化しているなど、ワークライフバランスに欠ける職場も散見されますので、給与などの待遇面面だけでなく、慎重に検討して職場を選ぶことが必要です。

派遣社員の弁理士

派遣社員の特徴

特許事務所では、事務スタッフや秘書スタッフを派遣社員として採用するケースも珍しくありません。

正社員とは異なり、弁理士資格が求められることはほぼない一方、特許事務や商標事務に関する実務経験や、TOEICスコアなどが必要となるケースが多いようです。

業務は事務作業が主体となり、残業することはあまりありません。

弁理士試験の勉強に励みたいが、同時に実務経験も積んでおきたいという場合、労働時間をコントロールしやすい派遣社員のほうが、正社員よりも望む働き方に近いでしょう。

派遣社員の待遇

派遣社員は、即戦力として活躍できる事務スキルが求められることもあって、時給は1600円~1700円前後が相場となっています。

過去に特許事務所などで働いていた経験があると、さらに時給が上乗せされるケースもあります。

派遣社員は、数か月~数年程度の期間限定採用が基本となりますが、職場によっては、契約更新や将来的な正社員登用を前提としているところも珍しくありません。

知財関連の事務業務はかなり専門性が高いため、努力してスキルを身につければ、長く働けるチャンスも十分にあるでしょう。

アルバイト・パートの弁理士

弁理士は、抱えている案件の量が時期によって上下しやすいため、特許事務所のなかには、アルバイト・パート待遇で弁理士を採用しているところもあります。

その場合の時給は、弁理士資格保有者は2200円~3500円前後、資格がなくても、特許明細書を作成した経験があれば時給1400円以上が相場で、一般的なアルバイトを大きく上回る高単価となっています。

家事や育児などで働ける時間が限られている場合であっても、弁理士としての資格やスキルがあれば、かなり効率的に稼ぐことが可能といえるでしょう。

独立開業して働く弁理士

弁理士は、独立開業することも可能な資格であり、自分の特許事務所や特許業務法人を経営したり、ほかの弁理士と共同経営している弁理士の割合は、およそ3人に1人ほどです。

独立している場合の年収は、勤務弁理士よりも実力との相関性が高くなり、事業がうまくいっている人のなかには、年収2000万円や3000万円を稼いでいる人もいます。

ただし、政府の施策の影響もあって、近年は弁理士数が増加傾向にあり、特許事務所間の案件獲得競争は激しくなっています。

独立して成功するためには、自身の得意分野を伸ばして一部業務に特化したり、税理士などの他士業者と連携したりと、なんらかの事業戦略を打ち出し、他者との差別化を図ることが不可欠といえるでしょう。

副業・在宅の弁理士

昨今、労働力不足を補うために、政府主導の働き方改革が推し進められていますが、弁理士業界では、以前から多くの事務所で在宅勤務が取り入れられていました。

弁理士は、クライアントとの打ち合わせもありますが、仕事の大半は書類作成などのデスクワークであり、また単独で進められる仕事がほとんどです。

このため、決まった時間帯に事務所にいなければならないというわけではなく、在宅で仕事をする弁理士は決して少なくありません。

さらに、副業が解禁された影響もあって、会社員としての本業の休みを利用して、弁理士業務を行う人も増加傾向にあります。

副業・在宅の弁理士の収入は、基本的に出来高制となり、案件1件あたりの報酬は5万円~30万円ほどです。

特許申請のように、複雑かつ業務量の多いものほど高単価になり、商標登録など、短時間で済ませられる案件ほど単価は安くなる傾向にあります。

作業に充てられる時間量が、そのまま収入に直結するといえるでしょう。

(参考:https://www.shikaku-square.com/media/benrishi/056-now-work-styles-reform-atrneys-test-situation-patent-atrney-work-at-home/))