弁理士になるには
弁理士になるには
資格を取得するまで
弁理士として働くには、まず国家資格を取得することが必要ですが、弁理士資格を取得する方法は3種類あります。
最も一般的なのは弁理士試験を受けて合格する方法であり、短答式・論文式・口述式の3段階で実施される試験を順に受け、すべてに合格すると資格が取得できます。
あとの2つは、司法試験を受けて弁護士資格を取得する方法と、特許庁に就職し、審査官または審判官として7年以上の実務経験を積む方法です。
しかし、司法試験を受けるには4年制大学を卒業した後、法科大学院に進学することが必要であり、また司法試験がきわめて難関であることを考えると、あまり現実的な選択肢とはいえません。
また、特許庁に勤めるルートについても、入庁のためにはきわめて倍率の高い国家公務員採用試験をくぐり抜けねばならないうえ、審査官になるには、審査官補として4年のキャリアを積まなければなりません。
したがって、最短でも資格取得まで11年ほどかかる計算になり、時間がかかりすぎるのが大きなネックです。
これから弁理士資格の取得を目指すなら、国家試験を受ける方法が最も近道なのは間違いないでしょう。
資格を取得してから
新たに弁理士資格を取得した人については、資格を登録して業務を行う前に、「実務修習」を受講することが義務付けられています。
試験に合格した後は、特許事務所に就職して実務経験を積むことが一般的であり、業務と並行しながら実務修習をこなすことになります。
実務修習は、インターネットを用いたeラーニングと事前課題の作成を行ったのち、東京・名古屋・大阪のいずれかに集まり、合計27時間の座学を受けます。
すべてのカリキュラムが終了すると、弁理士会に資格を登録し、晴れて弁理士として働くことができるようになります。
20代で正社員への就職・転職
弁理士の資格・難易度
弁理士試験の試験科目は、特許法、実用新案法、意匠法、商標法などの必須科目に加えて、数学や化学、生物といった選択科目も出題され、非常に勉強する範囲が広いことが特徴です。
試験の合格率は近年6%~7%という非常に低い水準で推移しており、司法試験に次ぐ難易度とされています。
一発合格できる人はきわめてまれで、合格までには平均3回~4回ほどの受験を要します。
特許事務所に勤めて実務経験を積みながら、長年かけてやっと資格取得までたどり着く人も少なくありません。
合格までに必要な勉強時間は3000時間が目安とされており、長期にわたる継続的な努力が必要になるでしょう。
弁理士になるための学校と費用(大学学部・専門学校・スクール)
弁理士試験に受験資格はないため、学歴に関係なく、誰でも試験を受けることが可能です。
しかし、試験で問われる知識は質・量ともにハイレベルであり、受験者の大半は大卒者や院卒者です。
また、試験内容は法律知識が中心であるものの、実際の業務は科学技術や工業技術に関連したものが多くなるため、理系出身者が多いことが特徴です。
試験の合格者の内訳は、例年理工系出身者が80%以上を占めています。
ただ、弁理士の業務には理系知識だけでなく、法律知識や文章力、語学力も求められるため、文系出身者が不利になるわけではありません。
さらに、特許事務所などに就職する際、採用を大卒者以上に限定しているところが多く、学歴が必要になるケースは少なくありません。
したがって、大学などで専門的に学ぶことが望ましいのは間違いないでしょう。
また、大半の受験者は、大学とは別に民間の資格専門学校やスクールなどに通って、弁理士試験に精通した講師からの指導を受けながら合格を目指しています。
社会人として働いており、仕事の都合で通学することが困難だったり、あるいは地方に在住していて近隣に学校がなかったりする人については、通信講座を利用して自宅で学習を進めるケースが一般的です。
弁理士になるためには、大学や予備校など、さまざまな学校を複合的に利用することが必要といえるでしょう。
弁理士になるための大学
文系・理系の選択
毎年特許庁から発表される合格者の統計情報をみれば、最も割合が多いのが東京大学、次いで京都大学、大阪大学となっており、受験者のレベルの高さがうかがえます。
また、学部の出身系統について着目すると、8割以上が理系出身者を占めていることが特徴的です。
これは、特許の多くが科学技術や工業技術と密接に結びついているため、かなり専門的な理系知識がなければ、新規出願手続きなどの実務を手掛けられないことが大きく関係しています。
物理工学や機械工学について修士課程・博士課程まで修めると、弁理士試験の当該試験科目が免除されるというメリットもあります。
もちろん、文系出身者であっても弁理士になることは十分に可能ですが、その場合は特許よりも意匠(デザイン)や商標登録、あるいは訴訟問題などを扱う事務所に勤めるケースが多くなります。
これから文系・理系選択を控える人については、将来的な働き方まで視野に入れて進路を検討するとよいでしょう。
学部・学科の選択
弁理士業務に関連性のある学部としては、理系であれば理工学部のバイオテクノロジー系学科、情報工学科、医用工学科など、文系であれば法律系学科、外国語系学科、知的財産系学科などが挙げられます。
実務に直結するのは知的財産系学科ですが、設置されている大学は決して多くありませんので、実務で求められる知識を身につけるためには、理工学部への進学が第一選択肢となるでしょう。
その場合、技術者や研究者として企業に勤めることも可能ですので、働きながら資格取得を目指す道もあります。
同じように、法律系学科に進んだ場合、弁護士になることを並行して目指す人も少なくありません。
あるいは、外国語学部に進学して、近年増加傾向にある国際出願を手掛ける弁理士になるという選択肢も非常に有効といえるでしょう。
学費についてはかなり幅があるため一概にいえませんが、1年間で100万円ほどが目安となります。
弁理士になるための専門学校・予備校
弁理士を目指せる専門学校としては、法律専門職コースや司法試験コース、会計ビジネスコースなどを設置している学校があります。
しかし、それらは司法書士試験や行政書士試験、国家公務員採用試験などの対策を総合的に行っているところが大半で、弁理士試験の対策だけに焦点を絞っているわけではありません。
このため、明確に弁理士への志望が固まっている人については、専門学校よりも資格学校の全日コースを選ぶケースが一般的です。
LECやTACといった大手予備校のほか、弁理士試験対策のみに特化している代々木塾なども選択肢となるでしょう。
大学に加えて予備校にも通う「ダブルスクール」で試験勉強に励む人や、仕事終わりに予備校の夜間コースに通う社会人も大勢います。
ただし、費用は1年間で30万円~50万円前後と決して安くはないうえ、東京・大阪・名古屋といった大都市圏にしか学校がない点がネックとなります。
弁理士試験合格者の平均受験回数は3回~4回前後となっており、ある程度長期戦を覚悟して臨まなければなりませんので、百万円単位の学費が必要となるでしょう。
弁理士になるための通信講座
昨今はIT技術が急速に発展していることもあり、スマートフォンやパソコンを利用して、自分の好きな場所で通信講座を受講する人も増加傾向にあります。
基本的には、録画した講義をWebやDVDで視聴する形式となりますが、ライブで配信される講義を視聴する「オンライン予備校」と呼ばれる形式の講座もあります。
通信講座は、通学制予備校よりもコスト面を抑えられることがメリットであり、学費は10万円~20万円前後が相場となっています。
ただし、つらく厳しい受験勉強を一人で乗り切るためには、自分を律する強靭な精神力が求められるため、通信講座には個人によって向き不向きがあるといえるでしょう。
独学でも弁理士を目指せる?
どの学校にも通わず、独学だけで弁理士試験合格を目指すという道もあります。
独学の場合、必要となる費用はテキスト代だけで済むため、通信講座を受講するよりもさらに経済的負担は軽くなるでしょう。
ただし、弁理士試験は知識を丸暗記すれば突破できるというやさしいものではなく、法律解釈や各種専門科目についての深い理解が必要です。
また、二次試験となる論文式試験は、自分で書いた文章を自分で添削しなければならない独学の場合、そもそも対策が難しいという問題点もあります。
合格するために必要となる勉強時間は3000時間が目安とされていますが、仮にまったくの独学で挑むとするならば、それよりもさらに長い時間がかかると想定しておくべきです。
しかし、弁理士を志望する人の生活事情や経済事情、学力、性格などはさまざまであり、多少のリスクがあっても、独学というスタイルが最も向いているという人もいるでしょう。
独学のメリット
自分のペースで勉強できる
独学で勉強する場合の最大のメリットは、自分のペースで、自分の好きな範囲を学習できるということです。
弁理士試験は、短答式・論文式・口述式の3段階に分かれており、各段階に沿って異なる勉強が必要ですが、短答式を重点的に勉強したい人もいれば、論文式の対策に多くの時間を割きたい人もいます。
予備校であれば、各受講生の足並みを揃えなければなりませんが、独学であれば、自身の知識や理解度に応じて、スムーズに勉強を進めることができます。
また、勉強する時間帯や場所などについても、自分で自由に設定可能です。
費用を抑えられる
また、独学で勉強する場合、ほかの勉強方法よりも大幅に学費を安く抑えられるという点が挙げられます。
予備校や通信講座などを受講する場合、少なくとも数十万円、あるいは百万円単位の費用がかかりますが、独学の場合はせいぜいテキスト代の数万円程度ですみます。
弁理士試験に合格するまでには数年間かかるケースが一般的であるため、勉強期間が長引けば長引くほど、経済的メリットは大きくなるでしょう。
ただし、独学で臨むことで、かえって合格までにより長い時間がかかるというリスクもあります。
働きながら勉強できる
弁理士試験は難関であり、学生の間に合格できる人は少数派であるため、多くの人は仕事をしながら試験勉強に励むことになります。
しかし、仕事の都合で決まった時間に通学できない人、あるいは勤務先や自宅から通える場所に予備校がないという人もいるでしょう。
独学であれば、仕事が終わった後や休日、あるいは休憩時間や移動時間などに学習できますので、仕事と勉強を両立させやすいのがメリットです。
とくに、特許事務所に勤める人については、実務で得た経験をそのまま試験対策に活かせるため、独学で挑む場合でも、試験に合格できる可能性は高まります。
独学のデメリット
最新の法改正に対応できない
弁理士試験の主要範囲である特許法や実用新案法などは、時代の移り変わりや新技術などに対応していくため、頻繁に法改正が実施されます。
市販のテキストの場合、予備校のテキストなどとは異なって即座に改正内容が反映されるわけではないため、独学で勉強する人については、自力で対策を行うことが必要です。
本来の勉強時間とは別に、情報収集などに余分な時間がかかってしまうことは、独学特有の避けられないデメリットのひとつです。
論文式試験の対策が難しい
二次試験となる論文式試験は、弁理士試験における山場といえますが、一次試験の短答式とは異なって、自身の言葉で文章にまとめて解答することが必要です。
その記述方法には一定のルールがあり、まず各設問の根拠となる条文を提示・説明し、その適用要件について触れ、それが及ぼす法律効果について論を展開するという流れを抑えなければなりません。
それらを誰にも教わらずマスターするには膨大な演習量が求められるうえ、独学の場合、そもそも自分で書いた文章を自分で添削することが難しいという問題もあります。
短答式試験については独学でも突破可能である一方、論文式試験については、たとえ単発的にでも、予備校講座などを受講し、第三者からの添削を受けることが望ましいでしょう。
モチベーションを保ちにくい
弁理士試験の合格者は、資格取得までに平均3回~4回程度の受験回数を要しており、勉強期間がかなりの長期に及ぶことも想定しておかなければなりません。
もしも予備校などに通っており、ともに弁理士を目指す仲間がいたら、思うように勉強が進まなかったり、あるいは何年も連続して不合格になって落ち込んでも、励まし合うことができるかもしれません。
しかし、独学で試験に挑む場合は、基本的に相談する相手もいないため、長期間にわたって自分で自分を鼓舞し、つらい勉強をコツコツとこなし続けることが必要です。
人によっては、一人で勉強したほうがむしろ捗るというケースもありますが、独学でモチベーションを保ち続けることは決して容易ではないでしょう。
20代で正社員への就職・転職
弁理士に向いている人
弁理士は、法律を取り扱う専門職であるものの、特許は科学技術や工業技術に関するものが多く、文系・理系双方の分野について幅広い知識が必要になります。
技術の進歩する勢いはめざましく、また特許法などもかなりの頻度で法改正が行われるため、弁理士は生涯にわたって自身の知識を更新し続けなければなりません。
したがって、さまざまな分野について知的好奇心があり、勉強熱心で自分を高めることに貪欲な人が、弁理士に向いているでしょう。
弁理士のキャリアプラン・キャリアパス
弁理士資格を取得した後は、実務修習を受けることが義務付けられているため、特許事務所などに就職して経験を積みつつ、研修をこなしていくケースが一般的です。
ひと通りの実務スキルを身につけた後は、そのまま特許事務所に勤める人もいれば、メーカーなどの一般企業に就職して、「企業内弁理士」として活躍する人もいます。
さらに、勤務弁理士として十分に実力や人脈を培った後には、独立開業して、自分の特許事務所を経営する人も少なくありません。
開業して成功している弁理士は、特許事務所での経験と、企業の知財部門での経験、双方のキャリアを有している人が多いようです。
弁理士を目指せる年齢は?
弁理士試験に年齢制限はなく、何歳になっても受験自体は可能であり、合格者のなかには50代や60代という人も見受けられます。
しかし、弁理士は資格を取得しただけですぐに働けるわけではなく、数年間かけて実務スキルや知識を身につけていかなければなりません。
このため、特許事務所などでは、実務未経験者については35歳未満を条件としているところが多いようです。
資格を取得したのが35歳以上であってもチャンスがまったくないわけではなく、学生時代の研究履歴などによっては採用されるケースもありますが、就職先が限定されてしまうことは否めません。
弁理士試験は難関であり、通常合格には数年間を要しますので、できれば20代のうちに、遅くとも30歳までには、弁理士試験の勉強を始めることが望ましいでしょう。
弁理士は女性でもなれる?
弁理士試験の結果をみれば、近年では4人に1人ほどの割合で女性が合格者となっています。
業務の大半はデスクワークであり、筋力や体力はほとんど必要とされないため、弁理士は女性でも目指しやすい職業であり、ほかの士業系資格と比較しても、弁理士は女性の割合が高いといえます。
また、期限に追われる仕事であるものの、基本的に一人で作業を行うため、細かいスケジュールは個人の裁量に委ねられています。
弁理士は、家事や育児などに追われる女性であっても、比較的仕事との両立を図りやすい職業といえるでしょう。
弁理士の雇用形態
弁理士の大半は、特許事務所や企業に勤める正社員か、自身の特許事務所を運営する経営者です。
しかし、なかには家事や育児、介護といった家庭の事情で、毎日残業することが困難だったり、フルタイムで働けないという人もいます。
その場合は、正社員ではなく、派遣社員やアルバイト・パートとして、時間を区切って働くほうが自身の都合に合っているということもあります。
さらに、弁理士の資格取得を目指して勉強中の人については、補助スタッフとして特許事務所に勤めることも珍しくありません。
その場合の雇用形態は、正社員のケースもあれば、派遣社員やアルバイトのケースもあります。
このように、弁理士の雇用形態にはさまざまなパターンがありますので、それらの特徴や待遇面を理解したうえで、自身に最適の働き方を選択することが大切です。
正社員の弁理士
正社員の特徴
正社員の弁理士は、特許事務所だけでなく、一般企業の知財部門や法律事務所、研究機関など、多様な就職先があることが特徴です。
業務内容は、特許庁への出願手続きや知的財産の管理運営などが主であり、業務には高い専門性と大きなやりがいがありますが、そのぶん責任は重く、失敗できないというプレッシャーがつきまといます。
また、業界全体で残業時間は長めであり、複数の案件の締め切りが重複すれば、深夜までの長時間労働や休日出勤を強いられる可能性も少なくありません。
正社員の待遇
正社員の弁理士は、年収700万円~800万円ほどが相場とされており、資格取得の難易度や求められるスキルレベルに見合った高収入が期待できるといえます。
弁理士を必要とするレベルの一般企業は、上場クラスの大企業が中心であり、福利厚生面についても充実しているところが目立ちます。
一方、特許事務所については、少人数で運営しているところが大半であり、人繰りがつきにくい関係上、各種休暇制度を取得しにくい職場が多いようです。
長時間残業が常態化しているなど、ワークライフバランスに欠ける職場も散見されますので、給与などの待遇面面だけでなく、慎重に検討して職場を選ぶことが必要です。
派遣社員の弁理士
派遣社員の特徴
特許事務所では、事務スタッフや秘書スタッフを派遣社員として採用するケースも珍しくありません。
正社員とは異なり、弁理士資格が求められることはほぼない一方、特許事務や商標事務に関する実務経験や、TOEICスコアなどが必要となるケースが多いようです。
業務は事務作業が主体となり、残業することはあまりありません。
弁理士試験の勉強に励みたいが、同時に実務経験も積んでおきたいという場合、労働時間をコントロールしやすい派遣社員のほうが、正社員よりも望む働き方に近いでしょう。
派遣社員の待遇
派遣社員は、即戦力として活躍できる事務スキルが求められることもあって、時給は1,600円~1,700円前後が相場となっています。
過去に特許事務所などで働いていた経験があると、さらに時給が上乗せされるケースもあります。
派遣社員は、数ヵ月~数年程度の期間限定採用が基本となりますが、職場によっては、契約更新や将来的な正社員登用を前提としているところも珍しくありません。
知財関連の事務業務はかなり専門性が高いため、努力してスキルを身につければ、長く働けるチャンスも十分にあるでしょう。
アルバイト・パートの弁理士
弁理士は、抱えている案件の量が時期によって上下しやすいため、特許事務所のなかには、アルバイト・パート待遇で弁理士を採用しているところもあります。
その場合の時給は、弁理士資格保有者は2,200円~3,500円前後、資格がなくても、特許明細書を作成した経験があれば時給1,400円以上が相場で、一般的なアルバイトを大きく上回る高単価となっています。
家事や育児などで働ける時間が限られている場合であっても、弁理士としての資格やスキルがあれば、かなり効率的に稼ぐことが可能といえるでしょう。
独立開業して働く弁理士
弁理士は、独立開業することも可能な資格であり、自分の特許事務所や特許業務法人を経営したり、ほかの弁理士と共同経営している弁理士の割合は、およそ3人に1人です。
独立している場合の年収は、勤務弁理士よりも実力との相関性が高くなり、事業がうまくいっている人のなかには、年収2000万円や3000万円を稼いでいる人もいます。
ただし、政府の施策の影響もあって、近年は弁理士数が増加傾向にあり、特許事務所間の案件獲得競争は激しくなっています。
独立して成功するためには、自身の得意分野を伸ばして一部業務に特化したり、税理士などの他士業者と連携したりと、なんらかの事業戦略を打ち出し、他者との差別化を図ることが不可欠といえるでしょう。
副業・在宅の弁理士
昨今、労働力不足を補うために、政府主導の働き方改革が推し進められていますが、弁理士業界では、以前から多くの事務所で在宅勤務が取り入れられていました。
弁理士は、クライアントとの打ち合わせもありますが、仕事の大半は書類作成などのデスクワークであり、また単独で進められる仕事がほとんどです。
このため、決まった時間帯に事務所にいなければならないというわけではなく、在宅で仕事する弁理士は決して少なくありません。
さらに、副業が解禁された影響もあって、会社員としての本業の休みを利用して、弁理士業務を行う人も増加傾向にあります。
副業・在宅の弁理士の収入は、基本的に出来高制となり、案件1件あたりの報酬は5万円~30万円ほどです。
特許申請のように、複雑かつ業務量の多いものほど高単価になり、商標登録など、短時間で済ませられる案件ほど単価は安くなる傾向にあります。
作業に充てられる時間量が、そのまま収入に直結するといえるでしょう。