アロマセラピストになるには? 必要な資格や費用を紹介
アロマセラピストになるまでの道のり
アロマセラピストになるための代表的なルートはいくつかありますが、多くの人は高校卒業後にアロマセラピストを養成する専門学校やスクールに入るのが一般的です。
スクールではアロマに関する専門知識や技術を身につけ、資格を取得してから就職できます。
民間の資格には「アロマテラピーアドバイザー」「アロマセラピスト」「アロマテラピーインストラクター」などがあり、しっかりした知識が備わっている証明になるのです。
または高校卒業後に資格なし・未経験で「未経験者歓迎」のサロンに就職し、経験を積んで一人前のアロマセラピストを目指す方法もあります。
サロンによっては資格取得をサポートしてくれる場合もあるので、就職前に確認しておくとよいかもしれません。
このように未経験で資格がなくてもアロマセラピストになれますが、就職の選択肢が未経験者OKの仕事のみになるので、資格を持っていた方が希望のサロンを選べるでしょう。
資格を取得しておくと、就職で有利になるだけでなく、フリーランスで働く場合やカルチャースクールなどで講師として活動する場合の肩書きとして使えるので、お客様の信頼度を高められます。
20代で正社員への就職・転職
アロマセラピストの資格・難易度
アロマセラピストには国家資格が設けられていないので、すぐにでもアロマセラピストと名乗ってお客さまに施術することは可能です。
しかしアロマテラピーは人の心身に少なからず影響を与えるものなので、しっかりした知識を持った上で施術をすることが大切でしょう。
アロマセラピストになるために多くの人が受験しているのが、公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)の「アロマテラピー検定」です。
また資格には段階があり、アロマテラピー検定1級を取得すると、「アロマテラピーアドバイザー」になれます。
さらに試験を受けて合格すると以下の4つの最上級レベルの認定を受けることが可能です。
・アロマテラピーインストラクター
・アロマセラピスト
・アロマブレンドデザイナー
・アロマハンドセラピスト
それぞれスペシャリストとしての能力を認定する資格となるため、将来独立開業してフリーで活動したい人は、取得しておくとよいでしょう。
ほかにも日本メディカル心理セラピー協会の「アロマセラピスト認定試験」、日本インストラクター技術協会の「アロマオイル士試験」などがあります。
参考:日本メディカル心理セラピー協会 アロマセラピスト認定試験
実は、本格的にアロマテラピーを提供する企業や店舗は、こうしたスクールと提携していることが多く、卒業生がそのまま提携店舗に採用されることが少なくありません。
アロマセラピストとして本格的に働きたいなら、就職サポートが手厚いスクールを選ぶのが得策のようです。
アロマテラピー検定
2018年までの累計受験者数は46万人以上で、10代から70代までの幅広い年齢層の人が受験しています。
アロマテラピーの知識を深めたり、スキルアップすることが可能な資格です。
検定には2級と1級があり、2級ではアロマテラピーを正しく生活に取り入れるための知識があること、1級では精油を目的別に使い分け、生活に取り入れられる知識があることが証明できます。
何級からでも受けられるので、いきなり1級から受けても、同じ日に2級と1級を併願して受けても問題ありません。
受験資格は年齢、経験の制限がなく、どなたでも受験することが可能です。
難易度は、合格率が1・2級とも約90%なので、公式テキストや公式問題集をしっかりと学習しておけば問題ないでしょう。
独学で受験する人もいますし、認定スクールに通って勉強する人もいるようです。
費用は2級が6,600円(税込)、1級が6,600円(税込)で、併願する場合は13,200円(税込)です。
アロマテラピー検定の上位資格として「アロマテラピーアドバイザー」、さらに上位に「アロマセラピスト」「アロマテラピーインストラクター」「アロマブレンドデザイナー」「アロマハンドセラピスト」が設けられています。
「アロマセラピスト」は、プロのアロマセラピストとしてお客さまにトリートメントやコンサルテーションを含めた、アロマテラピーを提供できる能力が認められます。
「アロマテラピーインストラクター」は、アロマテラピーを実践するために必要な知識や方法を、専門家として一般の人に指導できる能力を認定する資格です。
「アロマブレンドデザイナー」は、いろいろなシーンや目的に合わせて、精油を組み合わせてオリジナルのブレンドを作ることができる能力を認定する資格です。
「アロマハンドセラピスト」は第三者に対して、アロマハンドトリートメントを安全に提供できることを証明します。
アロマセラピスト認定試験
アロマセラピスト認定試験は、日本メディカル心理セラピー協会認定の民間資格です。
もともと「アロマヒーリングセラピスト」という名前の資格でしたが、名称変更が行われました。
こちらの資格取得をすると、アロマオイルの種類、アロマトリートメントなどについて一定以上の知識があり、種類や効果、芳香剤、アロマバスとして応用する方法を知っていることの証明となります。
アロマトリートメントやアロママッサージ、アロマを使ったスキンケアや香水作り、アロマオイルのブレンド方法やハーブとの組み合わせなどのさまざまな知識を身につけることが可能です。
資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師としての活躍を目指せます。
資格の種類は「アロマセラピスト認定試験」のみの1種類で、受験資格は特になく、どなたでも受けることが可能です。
難易度や合格率は公表されていませんが、70%以上の評価が合格基準になっています。
費用は10,000円(税込)で、受験方法は在宅受験になる点に注意が必要です。
アロマオイル士試験
アロマオイル士は、日本インストラクター技術協会の認定資格で、アロマの資格の中でも人気の資格の一つです。
アロマの種類や効果など、一般的なアロマの知識が問われる内容となっていて、美容とアロマに関する知識を持っている人に与えられます。
一定以上のアロマの知識を持っている証明になるため、資格取得後はアロマグッズの販売やお客さまへのアドバイス、講師などとしても活動することが可能です。
資格の種類は「アロマオイル士試験」のみの1種類で、受験資格は特にありません。
どなたでも受けることが可能なので、最近では男性の受験も増えてきたようです。
難易度や合格率は特に公表されていませんが、70%以上の評価が合格基準となります。
費用は10,000円(税込)で、試験期間中に回答し提出期限までに返却用封筒で回答用紙を送る在宅受験の形式です。
アロマセラピストになるための学校と学費(専門学校・スクール)
アロマセラピストになるための学校の種類
日本でアロマセラピストなるための学校は、大学、専門学校、スクール、通信講座などがあります。
イギリスやフランスでは、医療系の公的資格が設けられていますが、日本でアロマセラピストになるのに必ずしも必要な資格はありません。
しかしアロマテラピーは、少なからず人の心身に影響を与えるカウンセリングや施術を行うため、香りや調合だけでなく、人体の生理も含めた幅広い知識や豊富な実務経験が求められます。
そのためにもサロンなどで働く前に、民間のスクールに通って資格を取得しておく方が、就職の際もお客さまからの信頼を獲得する際も有利となるでしょう。
最近はアロマテラピーを趣味で楽しむためのスクールもありますが、職業として本格的にアロマセラピストを極めるのであれば、民間の認定資格を有する協会や団体のスクールに通うことをおすすめします。
なお資格がない未経験の状態で就職することも可能ですが、サロンによっては働きながら資格取得をサポートするところもあるので、就職前に調べておくとよいでしょう。
資格を取得すると、フリーランスで働く場合やカルチャースクールなどで講師として活動する場合の肩書として使用でき、お客さまの信頼度を高めることができます。
通信講座などで独学で学ぶこともできますが、やはり店舗での実務経験が就職では有利な条件となるので、座学は独学で勉強しながらお店で働きながら経験を積むのがおすすめです。
またイギリスやフランスなどに海外留学し、本場のアロマテラピーを学んでくる人もいます。
このように学歴は必ずしも必要な職業ではありませんが、お客さまに効果的な癒しを提供するためにも、学校やスクールで体系的な知識を身につけ、経験を積んでおくとよいでしょう。
アロマセラピストになるための大学
アロマセラピストになるための大学は、全国的に数が多くありません。
専門学校に比べて選択肢が減ってしまうのが、デメリットといえます。
しかしメリットは、4年間かけてアロマセラピストとして必要なカウンセリングに必要な心理学や、人の健康にまつわる深い知識や技術を身につけられることです。
専門学校とは違い、アロマセラピストに直結する知識だけでなく、教育、コミュニケーション学、福祉学、健康科学、生物学、健康科学など幅広い教養を身につけられるのも大学の魅力でしょう。
大学によっては実習が充実していたり、高いカウンセリング技術を身につけるためのカリキュラムを組んでいる大学もあります。
同じアロマセラピストを目指せる学部や学科でも、大学によって心理学科、健康科学科、生命科学科など幅広いのが特徴で、学ぶ内容も大きく異なるので、事前によく調べておくのがおすすめです。
アロマセラピストになるための専門学校
多くの美容系専門学校では、目指せる職業に「アロマセラピスト」をあげていることがほとんどです。
2年制または3年制の学校が多いので、アロマセラピストになるための知識や技術を、大学に比べて短期間で効率的に学べます。
またサロン実習に力を入れていたり、高い技術を習得するためのカリキュラムを組んでいる学校など、即戦力となる人材育成をしている学校が多いのもメリットでしょう。
アロマセラピストの仕事は、人それぞれの悩みや好みに合わせて植物性香油を選んだり、調合することに加え、マッサージやトリートメントなどの施術を行う際に高いスキルが必要になります。
実際にお客さまの顔や体に触れて施術を行うには、アロマの知識だけでなく、皮膚の構造や血液・リンパの流れ、ツボや反射区といったエステの知識が不可欠です。
こうした仕事をする際に、主にエステティシャンを目指す人が通う美容系の専門学校が最もスキルの取得に役立つといえます。
エステティシャンとアロマセラピスト両方の資格を取得すれば、美容サロンなどへの就職の際に有利になるだけでなく、フリーランスとして自宅などで開業することも夢ではありません。
一方デメリットは美容系に特化したことを学ぶので、教養科目が少ないことや、アロマセラピストの道を途中で諦めてしまった場合、ほかの職業に変更しづらいことがあげられるでしょう。
学費は初年度28万円~198万円と大きな開きがありますが、一般的には100万円~120万円の学校が多いようです。
夜間や通信で学べる専門学校もあるので、ライフスタイルに合わせて学びやすい学校を選ぶこともできます。
アロマセラピストになるためのスクール
アロマセラピストになるために、スクールに通う人も多いです。
日本にあるアロマセラピストの資格は民間のもののみであり、それぞれの資格を主宰している法人が提携スクールや、公式認定スクールを抱えている場合がほとんどです。
メリットは、専門学校や大学に通うよりも短期間で資格取得が目指せることでしょう。
通う期間は1日だけの講習から、1~2年のコースなど目指す資格によって大きく異なりますが、半年前後の受講が多いようです。
経験豊富な先生から直接指導してもらうことで、正しい知識が身についたり、アロマセラピストとしてのアドバイスがもらえたり、同じ目標を持った仲間ができるのもスクールに通う魅力といえます。
アロマグッズ販売店への就職、または医療関係施設や企業などにアロマセラピストやアロマアドバイザーとして就職するためには、資格が知識やスキルの基準になるので、資格取得が有利になるはずです。
デメリットは、スクールによってカリキュラムや授業内容が異なることがあげられます。
スクールを選ぶときは、目指す資格から提携スクールを抽出し、公式サイトを見たり資料を取り寄せ、費用や講師陣、就職実績などで比較して、自分にあったスクールを見つけることが大切でしょう。
費用は短期なら10万円~20万円、長期なら30万円~50万円ほどが目安です。
アロマセラピストになるための通信講座
通信講座を利用して、アロマセラピストを目指すこともできます。
通信講座のメリットは、勉強だけでなくアロマグッズを利用して楽しみながら学べることです。
通信教育大手の会社の場合、『アロマテラピー検定講座』が設けられており、受講開始と同時に精油、電気式アロマポット、バスグッズなどのアロマグッズ一式が届けられます。
その日からすぐにアロマテラピーが楽しめて、講座の学びの中で自分だけのアロマをブレンドすることも可能です。
このように楽しみながらアロマの知識を習得し、約3ヶ月後の講座修了時に検定に合格するだけの力を身につけられるのが魅力でしょう。
また大学や専門学校、スクールのように通学しなくてもよいので、忙しい人でもライフスタイルに合わせて学べます。
一方デメリットは、上位資格は実技が伴うため、通信講座で学ぶには限界があることや、勉強していてわからないときにすぐに先生に聞くことができないことです。
通信講座の学費は選択するコースによっても異なりますが、5万円~6万円ほどが目安です。
独学でアロマセラピストになれる?
十分なやる気があれば、独学でアロマセラピストになることも可能です。
アロマセラピストに絶対必要な資格はないものの、まずは知識があることを証明できる資格取得を目指すとよいでしょう。
しかし独学で正しい知識を得ることは大変な上に、どんなに知識や経験を積んだとしても基準になるものがなければ、自分がどれだけその世界で通用するのかを知ることは難しいでしょう。
そこで役立つのが、民間の資格を取得することです。
資格を取得すると、「〇〇認定アロマセラピスト」などの肩書きを使用することができます。
肩書きがあることでフリーランスで施術を行う際に信頼度を増したり、サロンやアロマメーカーなどに就職する際に有利になったりと、アロマセラピストとして活躍するための一助となるに違いありません。
日本でもっともポピュラーといわれている、公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)の「アロマテラピー検定」の場合、公式テキストを使って勉強する人がほとんどです。
「アロマテラピー検定」を目指すのであれば、1級・2級の公式テキストが販売されているので、通信講座を受けなくても独学で学べます。
勉強時間は4時間で十分という人も入れば、コツコツ学習して2週間と人によってさまざまですが、通信講座は3ヶ月の学習が一般的なので、独学の方が早く合格を目指すことができるでしょう。
いずれにせよ、自分で学習内容を選定し、勉強時間を確保してコツコツ独学できるタイプの人に向いています。
また上位資格を目指したり、実践的な経験を積みたい場合は独学だけでは難しいため、スクールや専門学校に通うか、未経験者OKのサロンで働きながら技術を磨く必要があります。
学費はアロマテラピー検定の場合、1級・2級両方に対応している公式テキスト・公式問題集を安価で求められます。
独学のメリット
専門学校やスクール、通信講座を受講するよりも、もっともリーズナブルに学習できるのがメリットです。
ロマテラピー検定を目指す場合には、公式テキストと公式問題集を足しても4,000円弱ですみます。
通信講座で学ぶ場合には5〜6万円、専門学校に通う場合には初年度だけで100万円ほどの費用がかかるので、リーズナブルに学習したい人にとっては最適でしょう。
初期費用がかからない分、気軽な気持ちで始めやすいのもメリットです。
また自分のペースで学習することができるので、検定試験までに時間がなくても、努力次第で知識をきちんと身につけ、間に合わせることもできます。
逆に時間がかかっても、通信講座のようにサポート期間や添削期間を過ぎてしまったりすることもありません。
ほかの仕事をしていたり、家事や育児の合間の隙間時間を見つけて勉強をしたい人も向いているでしょう。
独学のデメリット
デメリットは自分で資格取得に必要なプランを立てなければいけないことや、疑問点も自分自身で解決していかなければいけないことでしょう。
プロのアロマセラピストの先生から直接教えてもらえたら、すぐに理解できることも、教科書を読んでいるだけだと理解しづらいこともあるかもしれません。
また言い回しや専門用語でわからないことや、香りの違いに疑問を感じても、気軽に質問することができないのもデメリットでしょう。
資格試験までの学習計画を立てても、1人でモチベーションを保つのが苦痛に感じてしまう人もいるようです。
独学は強い思いが持ち続けられず、挫折してしまう人もいるため、メリットもある一方でデメリットがあることを知った上で始めるとよいでしょう。
十分なやる気と実行力があれば、独学でアロマセラピストとして必要なスキルや知識を身につけることが可能です。
留学
アロマテラピーの本場のイギリスをはじめとする海外に留学して、アロマセラピストとしての知識やスキル向上を目指したいと考える人も少なくありません。
日本のアロマセラピストの技術の大半は海外から輸入されており、海外の方が発展している場合があるのです。
イギリスやフランスではアロマテラピーが治療行為として認められていることから、留学先としてイギリスの人気が高くなっています。
3ヶ月~半年ほどの留学で、本場の技術を学び、イギリスの国家資格を取ることが可能です。
留学のメリットは、本場のアロマテラピーの考え方、心構え、セラピー中の雰囲気などを学べることがあげられます。
また本場で勉強をしてきたことが技術や自信の証明となり、ほかのアロマセラピストにはないセールスポイントになるでしょう。
デメリットは留学費用が多くかかることで、特にロンドンは家賃が割高傾向で、学費と生活費も高くなりがちです。
学費などを含めて、3ヶ月で100万円~200万円、半年で200万円~300万円が目安になります。
アロマセラピストの学校選びのポイントは?
アロマセラピストになるための学校は、大学、専門学校、スクール、通信講座、留学とさまざまな種類がありますが、大きく分けると「専門学校」または「スクール」のどちらかで考えるとよいでしょう。
学校選びのポイントは、たくさんありますがまとめると以下の3つが大切です。
・取得したい資格
・通いたい期間
・学びたい内容
アロマセラピストの民間資格は多岐にわたるので、どの資格を取得したいのかをまず決めるとよいでしょう。
資格によって通うスクールや専門学校が異なるので、選択肢を絞りやすくなります。
また通う期間も学校によって異なるので、短期間で卒業したい人はスクールを、2~3年かけてじっくり学びたい人は専門学校を選びましょう。
学ぶ内容や授業、カリキュラムも学校によって大きく異なります。
さらにサロン実習があったり、カウンセリング練習やマッサージ演習に力を入れている学校など特色が異なるので、どんな内容が学べるのかを重点的に調べておくのがおすすめです。
スクールでは、アロマテラピーを行う企業や店舗と提携していて、卒業生の中から採用を決めるパターンが大半を占めています。
そのため社員のアロマセラピストとして活躍したい人は、就職サポートが手厚いスクールを選んで通い、資格取得をするのが得策でしょう。
このように学校選ぶポイントは、将来どんなアロマセラピストになりたいのかをイメージしながら、取得できる資格や学習内容を重点的に調べて決めるのがポイントです。
通信講座やスクール
独学以外の学習をするなら、通信講座やスクールに通う方法があります。
たとえば公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)の「アロマテラピー検定」を例にあげましょう。
アロマテラピー検定に合格すると、次に「アロマテラピーアドバイザー」、さらにその上に「アロマセラピスト」や「アロマテラピーインストラクター」とより取得が難しい上位資格が設けられています。
美容業界では「アロマテラピー検定」に合格する人は趣味が高じたレベル、「セラピスト」「インストラクター」の資格を持っている人は、本格的なプロフェッショナルレベルのスキルを持つと認識されているようです。
つまりプロから見て、プロのアロマセラピストと認識してもらうには、より上位の資格を狙うことが必要になってきます。
最初に受けるアロマテラピー検定は試験問題は公式テキストから出題されるため、これを購入して学べば独学でも検定にパスすることは十分に可能です。
しかし上位資格の受験条件には「認定スクールで必須履修科目を修了し、履修証明書を提出すること」が含まれているため、スクールなどの独学以外の学習方法を選ばなければいけなくなるでしょう。
スクールや「インストラクター」の資格を持つ人が講師を務める講座などでは、実技試験の勉強をすることができるので、より実践的な学びの場になるはずです。
時間や学費が許す場合は、専門学校や大学に通う方法もあります。
20代で正社員への就職・転職
アロマセラピストに向いている人
アロマセラピストに向いている人は、アロマテラピーが好きな人です。
興味があることはもちろん、もっと知りたい、アロマテラピーで人を元気にしたりきれいにしたいという熱意があることが第一条件になります。
残念ながらアロマセラピストの収入は、一般的な事務職よりも低いことが多く、好きでなければ到底続けることができません。
また日本ではリラクゼーションの一種として行っていることから、緊張や疲れ、落ち込んだ気持ちや悩みを汲み取って、香りを提供できる繊細で思いやりがあることも大切でしょう。
さらに施術を行う際は、相手はアロマセラピストを信頼して体を任せてくれるので、相手の心や身体に対する責任感を常に持って接することができる人が向いています。
アロマセラピストのキャリアプラン・キャリアパス
アロマセラピストとして1人前になるには、まずはサロンでの経験を積むことが大切です。
お客さまにとって最適な施術ができるよう、丁寧なカウンセリングや、自分自身のスキルアップは欠かせません。
アロマセラピストはリピーターのお客さまが増え、知識も経験も十分になると、経験やスキルに比例して給料がアップする傾向にあります。
またサロンのチーフや店長などの管理職につくと手当がもらえたり、上位の資格に合格すると給料が上がるシステムを採用している企業もあるので、比較的高収入を目指すことも可能でしょう。
その後人によっては店舗経験を生かして、独立・開業して自分のサロンをオープンしたり、個人で出張カウンセリング、スクール講師として活躍しています。
知識や経験を身につけることで、さまざまなキャリアプランを描くことが可能です。
アロマセラピストを目指せる年齢は?
アロマセラピストを目指すのに年齢制限はないため、何歳からでも目指せます。
実際、アロマセラピストの仕事は転職先として女性に人気が高く、30代から働き始めた人も多いのです。
アロマセラピストはほとんどが立ち仕事で、体力がいる仕事ですが、それ以上にアロマテラピーが好きで、お客さまを癒したい気持ちがあれば問題ありません。
20代~30代の若手が多いサロンももちろんありますが、40代~50代が活躍している落ち着いた雰囲気のサロンもあるため、応募前にサロンの比較をすることをおすすめします。
未経験OK・年齢不問で採用しているサロンもあるので、年齢を理由に諦める必要はないでしょう。
アロマセラピストは高卒から目指せる?
アロマセラピストは高卒から目指せます。
アロマに関する知識が一切ない未経験でも採用している会社やサロンもあるので、高卒からすぐにアロマセラピストになることも可能です。
高校卒業後に専門学校やスクールに通い、まずはアロマやエステティックの知識をしっかりと身につけて、資格を取得してから就職する方法もよいでしょう。
将来を見据えて、すぐに就職して実践に入りたいのか、学んで資格を取得してから働くのかを検討することをおすすめします。
アロマセラピストの雇用形態
アロマセラピストの雇用形態は、大きく分けると以下の5つです。
・正社員
・派遣
・アルバイト・パート
・フリーランス
・副業・在宅
アロマセラピストの職場は、アロマ専門ショップや美容サロン、アロマトリートメントサロン、治療院や心療内科などの医療関係施設など多岐にわたります。
そのため雇用形態も正社員からアルバイト・パートなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
ほとんどの労働形態は正社員、契約社員、業務委託で、派遣社員としてフルタイム雇用をする店舗はあまり多くありません。
アロマセラピストの認知度が高くないので、派遣会社でアロマセラピストを受け入れてくれるところが多くないためです。
アルバイトやパートとしてリラクゼーションやマッサージを行う店舗で働くこともできますが、香りの調合まではできないなど、仕事の範囲が制限されることもあります。
アルバイトは「時給制」のところもありますが、給与体系が「完全出来高制」「完全歩合制」となることも多いようです。
また経験や知識を身につけて、独立開業し、フリーランスとして働くこともできます。
自分で顧客の施術をするほか、スクールの講師として、企業と契約してイベント派遣の仕事をするなど、活躍の場を広げられるでしょう。
資格があれば、本業以外の副業として在宅などで仕事をすることも可能です。
正社員のアロマセラピスト
正社員のアロマセラピストの仕事内容
正社員のアロマセラピストの仕事内容は、働き企業や店舗、サロンによって異なります。
たとえばアロマ専門ショップに勤務する場合は、取り扱うエッセンシャルオイルやアロマグッズについて、お客さまの好みや悩みに応じたおすすめ商品を紹介したり、使い方のアドバイスをする仕事です。
また美容サロンやアロマトリートメントサロンに勤務する場合は、お客さまとカウンセリングをして悩みや心身の不調を聞いた上で、実際に顔や身体、手、足などに施術を行います。
近年ではアロマテラピーを活用するマッサージや鍼などの治療院、心療内科などの医療関係施設、リハビリ施設なども増えているため、アドバイザーとして勤務することも可能です。
このように正社員のアロマセラピストは、職場に合わせてアロマテラピーを活用する仕事を行っています。
正社員のアロマセラピストのメリット・デメリット
正社員として働くメリットは、給料が安定していて長く働きやすいことでしょう。
有休休暇や社会保険も完備されている会社では、仕事に集中しやすい環境が整えられています。
サロンによっては研修制度が充実していて、一からアロマテラピーの技術やノウハウを教えてもらえたり、経験を積むにつれ店長やエリアマネージャーなどキャリアアップを目指せるのが魅力です。
デメリットは、正社員とはいっても雇用条件があまりよくない場合もあることがあげられます。
中には社会保険に加入していない企業や、ボーナスや残業代がもらえない店舗もあるので、収入面や待遇で満足できない人もいるようです。
そのため入社後に後悔しないためにも、企業に応募する前には雇用条件をよく確認しておくことをおすすめします。
正社員のアロマセラピストの給料・年収
給料は平均月収は20万円前後、年収は200万円~300万円といわれていて、一般企業の事務職と比べると若干下回るようです。
働きながら、より上位の資格試験に合格すると給料が上がるシステムを採用している企業や、時間面・費用面で資格取得をサポートする企業もあります。
またチーフや店長などの管理職になると、比較的高収入が得られることも多いようです。
派遣のアロマセラピスト
派遣のアロマセラピストの仕事内容
アロマセラピストを扱う派遣会社はあまりありませんが、派遣で仕事をすることもできます。
派遣の場合は一般的な店舗でのフルタイム勤務ではなく、イベント会場や福祉施設など、アロマセラピストが常勤していない施設へのスタッフ派遣を行うことが多いようです。
仕事内容は派遣先によって異なりますが、たとえば美容関連のイベントやホテルでのレセプションなどで、来場者へのサービスとしてアロマテラピーを用いたリラクゼーションを行います。
また企業の社員に対する福利厚生の一環として、アロマテラピーの施術を行うことも仕事です。
さらに福祉施設や病院への派遣では、高齢や病気などで自らサロンに足を運べない人にこそアロマテラピーが役立つという考えから、老人保健施設やホスピス、産婦人科、精神科などで施術を行います。
派遣のアロマセラピストのメリット・デメリット
派遣の働き方のメリットは、自分の希望する条件で働けることでしょう。
ライフスタイルに合わせた勤務時間や勤務地を選ぶべるので、正社員に比べて自由度が高く、プライベートを充実させたい人や、家事や育児と両立しながら仕事をしたい人の希望も叶えやすくなります。
またたくさんの派遣先で経験を積めるので、1つのサロンや店舗に勤めるよりも、幅広いお客さまに出会え技術を磨けるチャンスもあるでしょう。
デメリットは、アロマセラピストの認知度が低く、派遣の仕事が少ないことです。
派遣会社自体が受け入れるところが少ない上に、「派遣社員=即戦力」という観点から見ると、プロフェッショナルとしてのアロマセラピストの資格があいまいで、スキルの基準が定かではありません。
そのため派遣の雇用形態では、一般的なアロマセラピストが就職先に選ぶような店舗では働くことが難しく、上記にあげたイベントや福祉施設を中心に募集が行われています。
1日だけ、数時間だけの勤務になることもあり、より高いサービスが求められるので、上位の資格とホスピタリティを持った人材でなければ、仕事を得ることは難しいでしょう。
派遣のアロマセラピストの給料・年収
給料は働くエリアや職場によりますが、時給1,200円~1,400円ほどが多く、福祉施設や病院への派遣では、時給900円など比較的給与が低い傾向にあります。
しかし「人を癒す」というアロマセラピストの本来の存在意義を再確認できる貴重な場となることでしょう。
アルバイト・パートのアロマセラピスト
アルバイト・パートのアロマセラピストの仕事内容
アルバイト・パートのアロマセラピストの勤め先は、リラクゼーションやマッサージを行う店舗がほとんどです。
仕事内容はサロンでの接客や受付を担当しますが、正社員に比べて制限されることもあります。
たとえば施術時に植物性香油の調合まで受け持つことは少なく、数種類のアロマオイルの中からお客さまの好みに合わせて選ぶ程度になってしまうことが多いようです。
アルバイト・パートのアロマセラピストのメリット・デメリット
アルバイト・パートの働き方のメリットは、勤務時間や休日に融通がきくので、家事や育児とも両立させやすいことがあげられます。
正社員はお客さまで混み合う土日に休むことは難しいですが、アルバイト・パートなら子どもの運動会や参観日などに合わせて休みを取ることも可能でしょう。
また現場でより多くのお客さまに接することができるので、施術の経験を積むのによい機会であることもメリットです。
デメリットは、これまでアロマセラピストとしてバリバリ仕事をしていた人にとっては、やりがいが薄まってしまう可能性があることがあげられます。
店舗によって使うアロマオイルが1種類に決まっていたり、アルバイト・パートに任せられる仕事の範囲が決まっていると、アロマセラピストの資格や知識や技術を発揮できない場面もあるかもしれません。
アルバイト・パートのアロマセラピストの給料・年収
給料は「時給制」だけでなく、「完全出来高制」「完全歩合制」とさまざまです。
「時給制」の場合は時給900円~1,200円が多く、お客さまがいなくて待機している間も給与が支払われ、深夜営業のマッサージ店などは比較的時給が高い傾向にあります。
「完全出来高制」はお客さま1人につきいくらや、売り上げの何パーセントなどの決まりがあり、稼働に応じて給与が支払われる仕組みです。
待ち時間は収入にならないため、日や時間帯によってバラつきがあります。
「完全歩合制」は、たとえばお客さまが10,000円を支払うコースの歩合が60%なら、6,000円が施術者に支払われるというもので、「完全出来高制」によく似た待遇です。
店舗によってはアルバイトではなく「委託」とされている場合もあり、一個人企業として仕事を依頼される業務形態になります。
業務委託の場合も、正社員や契約社員と違って保険や福利厚生もないので、アルバイト・パートに近い働き方だと思ってよいでしょう。
ひとくちにアルバイト・パートといっても、アロマセラピストの給与形態は店舗やサロンによって異なるので、応募前に確認しておくことがおすすめです。
フリーランスのアロマセラピスト
フリーランスのアロマセラピストの仕事内容
企業や美容サロンなどで経験を積むと、独立開業してフリーランスのアロマセラピストとして活躍することもできます。
フリーランスのアロマセラピストの働き方は、自分で決めることができるので、休みの日や働く時間も自由に定められます。
お客さまの予約時間に合わせて働いてもよいですし、土日を休みにすることも可能です。
会社員時代には決められたシフトに沿って働かなければいけませんが、フリーランスは労働時間も自分の裁量次第なので、家事や育児との両立もしやすいでしょう。
仕事内容は自分のサロンやアロマ関連グッズのショップをオープンさせたり、自宅の一室でカウンセリングや施術、出張トリートメントなどさまざまです。
ほかにも外部のスクール講師や、企業や施設でアロマを使った空間演出のアドバイス、アロマテラピー活用に関する記事や本の執筆、講演会など多岐にわたります。
アロマセラピストとして、どんな仕事をするかを自由に選べるのもフリーランスの醍醐味といえるでしょう。
フリーランスのアロマセラピストになるまでのキャリアパス
フリーランスのアロマセラピストになる人の多くは、アロマセラピストの資格を持っていて、企業の社員として美容サロンなどで経験を積んでから独立しています。
社員のときには指名が絶えない人気のアロマセラピストでも、企業や店舗についていくれているお客さまを、独立後に自分のお客さまに引っ張ることはできません。
そのため独立後にお客さまの獲得で苦戦する人も多く、始めのうちは収入が上がらないようです。
しかし仕事が軌道に乗り安定すれば、口コミが多くなって知名度が上がり、年収の大幅アップや活躍の場も増えることが見込めます。
またアロマセラピストは国家資格ではなく民間の資格であることから、未経験から独立・開業することも可能です。
アロマセラピストとして企業に就職した経験がない人でも、さまざまな法人が設けている独自の資格を取得していれば、「〇〇認定アロマセラピスト」などの肩書を使用することができます。
未経験で開業することはできますが、美容サロンなどで長年経験を積んだ人でも、顧客の獲得に苦戦する世界です。
そのため未経験からの独立開業はリスクが高いということを、しっかり認識しておく必要があるでしょう。
フリーランスのアロマセラピストのメリット・デメリット
フリーランスの働き方のメリットは、アロマテラピーの知識や技術を発揮できる分野であれば何でも仕事にできることです。
自身の能力や興味があることを最大限に活せる上に、休みや働く時間も自由に決められるので、自分らしく働きたい人に最適でしょう。
正社員であれば企業のカラーに合わせたサロン作りをしなければいけませんが、フリーランスでは自分の理想とするサロンやお店づくりができるのも魅力です。
デメリットは美容サロンなどで長年経験を積んだ人であっても、顧客の獲得には苦労しているので、開業にはリスクがつきものだということがあげられます。
一から集客をするためには、人脈を使ったり、チラシを配布したりと地道な努力が必要になります。
また初期費用もネックになることが多く、アロマトリートメントの施術を行うには膨大な種類のエッセンシャルオイルをはじめとする消耗品に加え、マッサージベッドや内装などの設備投資も欠かせません。
独立後しばらくは出費が多く、収入も少ない期間が続くことも考えられるため、貯えに余裕を持っておくことが大切です。
フリーランスのアロマセラピストの給料・年収
給料は平均年収300万円~400万円と、社員の平均年収が200万円~300万円だったときに比べて、大幅アップを目指せます。
ただし独立後はほとんどの場合、苦戦を強いられることが多く、一から集客するために人脈を作ったり、チラシを配布したりと地道な努力が必要です。
仕事が軌道にのって安定すれば年収アップが見込め、知名度が上がり、口コミが多くなるほどさらなる収入を望めるでしょう。
副業・在宅のアロマセラピスト
副業のアロマセラピストの仕事内容
ほかの本業の仕事をしながら、副業・在宅でアロマセラピストとして活躍することも可能です。
アロマセラピストの民間資格の初級レベルなら独学で目指すこともできますし、中級、上級レベルならスクールがおすすめですが、社会人のためにさまざまな時間帯にクラスを設けています。
そのため仕事を続けながらアフターファイブや休日を利用して、資格取得を目指す人が多いです。
仕事内容はサービス内容にもよりますが、主にはお客さまの希望に合わせてカウンセリングをして、好みや心身の症状に合わせてアロマオイルをブレンドし、トリートメントの施術をします。
サロンでアルバイトとして働く人もいれば、自宅の一部をプチサロンのようにリフォームしたり、お客さまの自宅に訪問して簡単なアロマトリートメントの施術を行う人もいるなど、その形態はさまざまです。
副業のアロマセラピストのメリット・デメリット
副業・在宅のメリットは、ほかの仕事を続けながらできるので給料が安定していることがあげられます。
サロンが忙しいときやお客さまの予約が入ったときだけ仕事をするので、時間の融通がつくときだけ給料以外の収入アップが見込めるのは魅力でしょう。
またお客さまとのコミュニケーション次第で、自分が空いている時間のみに予約を入れられるので、子育て中のお母さんが主婦と兼業する場合にも向いています。
いきなり開業するよりも、副業から始めた方が、リスクが少ないのもメリットです。
デメリットは副業の予約が埋まってしまうと、本業とアロマセラピストの仕事で手一杯になり、忙しさが増す危険性があることでしょう。
在宅で行う場合は、家族の理解が得られないと続けていくことが難しいかもしれません。
無理なく仕事が続けられるように、本業やプライベートとのバランスをとっていく必要があります。
給料はアルバイトで副業する場合は、時給900円~1,200円が目安です。