アロマセラピストとエステティシャンの違い
アロマセラピストとエステティシャンの仕事内容の違い
「アロマセラピスト」は、天然の植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を心や身体の症状に合わせて処方し、アロマテラピー(芳香療法)を行う仕事です。
イギリスやフランスでは医療行為として認められていますが、日本ではリラクゼーション目的で利用されていて、人々の心や身体を癒す役割があります。
一方「エステティシャン」は、美顔術、メイクアップ、脱毛、痩身法などのエステティックの施術を行う仕事です。
「美学」「美意識」「審美」という意味を持つエステティックの言葉通り、肌や体を美しくすることを指します。
本来はアロマを使って健康に導くのがアロマセラピスト、美容系のプロがエステティシャンという、明確なコンセプトや認識の違いがありました。
しかし現在では、アロマセラピストであっても肌を美しくするなど、美容にアプローチをする施術を行うように変化してきています。
一方、エステティシャンもリラクゼーションや健康増進を目的とした施術を行うようになり、明確な線引きができなくなってきているのです。
どちらも日本において公式な資格はありません。
ひとつの店舗で見てみると、アロマセラピストとエステティシャン両方のスタッフを抱えるケースはごくまれで、合わせて「セラピスト」などと呼ばれ、同じ仕事をすることもよくあるようです。
中にはアロマセラピストの資格を持った人が「エステティシャン」の肩書きだったり、エステティシャンの資格を持った人が「アロマセラピスト」の肩書きであることも少なくありません。
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アロマセラピストとエステティシャンになる方法・資格の違い
アロマセラピストとエステティシャンになるには、決まった方法はありません。
しかしそれぞれスクールや民間資格が存在し、その種類に違いがあるので詳しく見ていきましょう。
アロマセラピストになるには、アロマテラピー専門のスクールに通って資格を取る方法が王道のルートです。
ほかにも通信講座で資格取得を目指す方法もありますが、未経験でアロマセラピーサロンに就職をし、働きながら資格取得を目指す人もいます。
アロマセラピストになるのに資格は絶対必要なわけではありませんが、アロマテラピーは人の心身に少なからず影響を与えるものなので、しっかりした知識を持った上で施術を行うことが必要です。
資格はアロマの正しい使い方、アロマテラピーに関する知識などの能力を身につけていることを証明するため、就職で有利になったり、お客さまに安心感を与えられる材料になるでしょう。
民間資格は種類がたくさんありますが、代表的なものは以下の3つです。
・日本アロマ環境協会「アロマテラピー検定」「アロマテラピーアドバイザー」など
・日本アロマメディカル心理セラピー協会「アロマヒーリングセラピスト」
参考:日本メディカル心理セラピー協会 アロマヒーリングセラピスト
・日本インストラクター協会の「アロマオイル士試験」
参考:日本インストラクター技術協会 アロマオイル士試験
また、エステティシャンになる方法にも決まった方法はありませんが、一般的なルートは高校卒業後に美容系の専門学校やサロン系列スクールに通い、卒業後にサロンに就職する方法です。
資格は日本エステティック業協会「AEA認定エステティシャン(基礎資格)」などがあり、AEAでは実務経験が2年以上になると上位資格や最上位資格を目指すこともできます。
このようにアロマセラピストとエステティシャンはスクールに通って資格取得を目指してから、就職する人が多いです。
どちらも健康や美容に特化した施術を行う仕事ですが、アロマセラピストはアロマに関する知識、エステティシャンはエステティックに特化した知識を身につける点に違いがあります。
スクールや資格を取得する際は、その内容をよく検討した上で選ぶのがよいでしょう。
アロマセラピストとエステティシャンの資格・必要なスキルの違い
アロマセラピストとエステティシャンも、資格が絶対に必要な仕事ではありません。
しかし人の心と体を癒したり、健康や美容を支える施術を行う立場上、必要な知識や技術を身につける必要があります。
資格があると就職で有利になったり、お客さまから信頼される要素となりやすいので、多くの人が目指しているのが特徴です。
アロマセラピストの資格は、日本では国家資格ではなく、民間のものが多くあります。
もっともポピュラーといわれている日本アロマ環境協会(AEAJ)の「アロマテラピー検定」は、2018年で累計46万人以上が合格している資格で、マークシート形式の試験です。
出題範囲は公式テキストから出題されるので、しっかり自習をすれば問題ないでしょう。
ただし上位資格になると、認定スクールで履修科目を受講する必要があるなど、スクーリングも必要となるため、難易度は上がっていきます。
また、エステティシャンにも日本では公式な資格はなく、民間法人が定めたさまざまな資格が多いです。
たとえば日本エステティック業協会「AEA認定エステティシャン(基礎資格)」は、学校によっては合格率100%の場合もあるので、しっかり勉強していれば問題ないでしょう。
しかし、まずはAEA認定校で勉強することが取得条件になるので、注意する必要があります。
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アロマセラピストとエステティシャンの学校・学費の違い
アロマセラピストとエステティシャンになるには、必ずしも学校に通う必要はありませんが、専門学校、スクール、通信講座などで学ぶことができます。
アロマセラピストの場合はスクールが多く、希望のコースを選んで学べるのが特徴です。
資格取得に特化したコースはもちろん、英国式アロマ、施術方法、医療・介護系アロマセラピー、メディカルアロマセラピーなど学校によって学べる内容が大きく異なります。
学費はスクールやコースによって異なり、資格取得を目指すコースは15万円ほどからありますが、アロマセラピスト養成コースやサロン開業コースは25万円〜60万円などです。
通う期間も3日の場合から6ヶ月コースまでと、選ぶスクールやコースによって違いが大きいので、それぞれの違いをよく検討して選ぶとよいでしょう。
エステティシャンの場合は、多くの人が美容専門学校や通信講座で学んでいます。
学費は専門学校の場合、初年度約25万円〜約200万円ほどと、学校によって差が大きいのが特徴です。
民間団体の資格を取得していると、即戦力として就職するのに有利になるので、エステティック関連の協会からの認定校を選ぶことをおすすめします。
資格によっては、認定している学校で学んでいることで実務経験が免除される場合があり、資格取得の近道になるでしょう。
アロマセラピストとエステティシャンの給料・待遇の違い
アロマセラピストの平均月収は20万円前後、年収にすると200〜300万円程度といわれおり、一般企業の事務職と比べると若干下回るようです。
働きながら、より上位の資格試験に合格すると給料が上がるシステムを採用している企業が多く見受けられ、時間面・費用面で資格取得をサポートする企業もあります。
またチーフや店長などの管理職になると、比較的高収入が得られることも多いようです。
独立開業したアロマセラピストの場合は、平均年収が300万円〜といわれていて、データ上では会社員の場合の1.5倍の収入となっています。
エステティシャンの給料は地域によって異なりますが、正社員の月給は20万円前後が相場で、平均年収は30歳代前後で300万円〜400万円ほどです。
働く店舗によっては、エステティシャンの方が給料がよいといえるでしょう。
しかしどちらも長い勤務時間と労働量の多さに比べて、給与面ではあまり恵まれていないサロンもあるようです。
また年齢とともに給料が上がるというよりは、経験やスキルがある人ほど多くの収入が得やすく、勤め先によってはボーナスがない場合もあるため、新人時代は生活に苦労することもあるかもしれません。
アロマセラピストとエステティシャンはどっちがおすすめ?
どちらも人を癒したり、美容や健康を支える共通点が多い仕事ですが、アロマセラピーが好きな人は「アロマセラピスト」、美に対する意識・関心が高い人は「エステティシャン」がおすすめです。
アロマセラピストは300種類もあるといわれるアロマの香りや効果効能、ブレンドしたときの相性などの知識が求められます。
さらに体や顔に触れて施術をするときは、皮膚の構造や血液、リンパの流れ、ツボや反射区などのエステティックの知識や技術も必要になるので、トリートメント技術を高めたい人にぴったりです。
一方エステティシャンは、来てくださるお客さまも美容に対してこだわりを持っている人が多いため、期待に応える高い美容の知識や技術力が求められます。
普段から自分自身でもさまざまな美容法を試したり、情報収集している人が向いているでしょう。