あん摩マッサージ指圧師になるには? 必要な資格は?
しかし、あん摩マッサージ指圧師の養成学校は、国内に約20校しかなく、通信制の学校はありません。
国家試験の合格率は80%以上と高く、しっかりと学校で勉強していれば問題ないでしょう。
この記事では、あん摩マッサージ指圧師になるために必要なこと・必要な資格について解説します。
あん摩マッサージ指圧師になるまでの道のり
「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得する
あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格することが必要です。
この試験は誰でも受けられるものではなく、まず受験資格を得るために、あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある大学または専門学校で3年から4年学ばなくてはなりません。(盲学校の場合は、3年から6年の学習期間が必要)
あん摩マッサージ指圧師の養成学校の数は少なく、国内に約20校しかありません。
通信制の学校はないため、いずれかの養成学校に通学して受験資格を得ることが必要です。
同時にはり師・きゅう師の国家資格が取得できる学校も
あん摩マッサージ指圧師の養成学校には、同じ東洋医学である「はり師」「きゅう師」の受験資格を同時に得られるところがあります。
まだどの分野に進むか決めきれていない人や、将来は東洋医学のプロフェッショナルとして幅広く活躍したい人などが、あん摩マッサージ指圧師とはり師・きゅう師の両方の資格取得を目指しているようです。
学校によってカリキュラムは異なるため、事前にどの資格の受験資格を得れるのか、情報収集しておくとよいでしょう。
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あん摩マッサージ指圧師の資格・難易度
あん摩マッサージ師指圧師の資格の概要
あん摩マッサージ指圧師は、国家資格で、「はり師」「きゅう師」の資格も同時にもつと、「鍼灸マッサージ師」・「三療師」などと呼ばれます。
はり師・きゅう師も取得していると、あん摩マッサージ指圧師の資格を単独で取得するよりも、就職・開業する際には有利にはたらくようです。
あん摩マッサージ指圧師の試験概要
あん摩マッサージ師の国家資格を取るには、まずあん摩マッサージ師を養成するカリキュラムのある大学や専門学校で学び、その後、国家試験を受けることになります。
試験は年に一度、2月上旬に行われており、多くの人が同年3月卒業見込みで受験します。
合格率は80%以上と高く、きちんと学校で勉強していれば合格できる範囲内です。
あん摩マッサージ指圧師の業務に関連するその他の資格
あん摩マッサージ指圧師の試験科目は12ありますが、そのうちの11科目が、はり師・きゅう師の試験と重なるため、同時に受けることが可能です。
ほかに関連する資格としては「柔道整復師」があり、接骨やほねつぎとして知られる資格で打撲や捻挫・骨折・脱臼のための施術が許可されています。
柔道整復師は接骨院での勤務がおもですが、「スポーツトレーナー」としても活躍の場もあります。
あん摩マッサージ指圧師と、柔道整復師のどちらの資格をとるかで悩む人も多いようです。
取得までの時間はかかりますが、可能であればどちらの資格もあったほうが、開業の時には大いに役立ちます。
マッサージ業界では、国家資格は多ければ多いほど施術内容の幅が広がり、患者さんの多様なニーズに対応できるため有利になるとされています。
あん摩マッサージ指圧師になるための学校の種類
あん摩マッサージ師になるためには、厚生労働省や文部科学省が認定したあん摩マッサージ指圧師の養成課程がある大学や、専門学校に3年以上通う必要があります。
学費は、初年度納入金で見ていくと大学・短大は180万円から200万円程度、専門学校が120万円から250万円程度となっているようです。
なお、あん摩マッサージ指圧師の養成学校には、同じ東洋医学の治療家である「はり師」「きゅう師」の受験資格を同時に得れるところがあり、両方の資格取得を目指している人も多くいます。
あん摩マッサージ指圧師になるための学校と費用(大学・専門学校)
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あん摩マッサージ指圧師に向いている人
あん摩マッサージ指圧師が施術をする患者さんは、身体のどこかにつらい症状を抱えています。
一人ひとり異なる状態の患者さんと接し、会話や施術時の反応からどこか悪いのかを察知しなくてはならないため、観察力・洞察力にすぐれている人はこの仕事に適性があります。
もちろん、その前提として「患者さんを元気にしたい」という気持ちは欠かせず、
- 人と接することが好き
- 健康に興味がある
- 自分が身につけた技術によって困っている人を助けたい
と考えられるような人は、あん摩マッサージ指圧師に向いているといえるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師のキャリアプラン・キャリアパス
あん摩マッサージ指圧師は開業権があるため、就職後は2年から3年間修行をし、独立を目指す人が多くいます。
ですが、就職せずにいきなり開業する人はまれで、たいていはまずはどこかに就職して経験を積むことからスタートするのが一般的です。
また近年、あん摩マッサージ指圧師の活躍の場は、福祉の領域にも広がり、とくに訪問マッサージにおいて需要が増えてきています。
高齢化社会を迎えるなかで、リハビリテーションや介護の場でも働け、あん摩マッサージ指圧師の実務経験があることで、「ケアマネージャー」の試験科目が一部免除されるという規定もできたため、あん摩マッサージ指圧師の需要は高まっていくと考えられています。
あん摩マッサージ指圧師を目指せる年齢は?
あん摩マッサージ指圧師は、何歳になっても働けます。
あん摩マッサージ指圧師の国家試験に年齢制限はないため、何歳からでも目指せます。
養成学校の夜間部の場合、学生の年齢は18歳程度から上は60代の人までと幅広く、昼間に仕事をしながらでも学校に通えることから社会人が転職のために通うというケースも多く見られます。
参考:あん摩マッサージ指圧師のデータ
あん摩マッサージ指圧師の人数の推移
あん摩マッサージ指圧師として従事する人の数は近年は横ばいの傾向です。令和2年のあん摩マッサージ指圧師の従事者は118,103人となりました。
あん摩、マッサージおよび指圧を行う施設所数
あん摩、マッサージ及び指圧を行う施設所数は若干減少している傾向にあります。
あん摩、マッサージおよび指圧、はり並びにきゅうを行う施術所
一方であん摩、マッサージ及び指圧、はり並びにきゅう4種類の施術を行う施術所の数は増加をしつつある状況です。あん摩、マッサージ及び指圧だけでなく、はり、きゅうを同じ施設内で行う所が増えているようです。
あん摩マッサージ指圧師の働き方の種類と雇用形態
あん摩マッサージ指圧師の雇用形態
- 正社員
- 派遣
- アルバイト、パート
- 独立して自分で治療院を開業
働く時間や曜日など、自分の希望に合う働き方を見つけられるでしょう。
また、自分の治療院を持ちたい場合は独立して開業するという方法もあります。
正社員のあん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師として正社員になる場合、「あん摩マッサージ指圧師」のみの求人はそれほど多くなく、
- 鍼灸師
- 柔道整復師
など複数の資格を取得している方が就職は有利なようです。
あん摩マッサージ指圧師のみで仕事を続けていくのであれば、いずれは独立することを目標にしてキャリアプランを考えておいた方がよいでしょう。
派遣のあん摩マッサージ指圧師
派遣のあん摩マッサージ指圧師とは
あん摩マッサージ指圧師は、介護施設やデイサービスなどの施設で「派遣」として働く人もいます。
派遣で仕事をするためには、まず介護・医療関連職種を扱う派遣会社などを見つけ、自分の経歴などを説明し、人材登録を行います。
派遣で働く場合、治療院などに就職してフルタイムで働く場合と異なり、
- 希望する時間や曜日だけ働ける
- 勤務条件などをしっかりと見極めたうえで仕事をスタートできる
といったメリットがあるため、経験の浅い人には安心感があるでしょう。
とくに、
- 短時間だけ働きたい
- 子育てと両立させたい
といった人が、派遣を利用するケースも多いようです。
国家資格が必須
あん摩マッサージ指圧師として患者さんに治療を行うためには、国家資格が必要です。
仕事としてマッサージができるのは、
- 医師
- あん摩マッサージ指圧師
のみで、どれだけマッサージが上手であっても、民間企業で経験があったとしても、無資格でマッサージの仕事を行うことは法で禁じられています。
「派遣」というと手軽に働けるイメージがあるかもしれませんが、どのような雇用形態であっても、マッサージの仕事ができるのはきちんと時間をかけて勉強し、基礎的な力を身につけた人だけとなっているのです。
派遣のあん摩マッサージ指圧師の給料
こうしたことから、派遣のあん摩マッサージ指圧師の給料は、平均して時給1,000円から2,000円程度と比較的高めに設定されています。
実力や経験がある人は、さらに多くの時給を得られることもあるようです。
アルバイト・パートのあん摩マッサージ指圧師
アルバイトも有資格者のみ
あん摩マッサージ指圧師は、アルバイトとして働くこともできますが、患者さんに治療を行うためには国家資格をもっていなくてはなりません。
そのため、あん摩マッサージ指圧師のアルバイトは一般的なアルバイトよりもレベルが高いといえます。
あん摩マッサージ指圧師のアルバイトの時給が1,000円から2,000円程度と、他のアルバイトより高めに設定されている場合が多い理由の一つも、この「専門性を要するところ」にあるといえるでしょう。
アルバイトのあん摩マッサージ指圧師の仕事内容
あん摩マッサージ指圧師のアルバイトでは、正社員と同様の仕事を任されるケースがほとんどです。
一人のアルバイト(有資格者)が責任をもって患者さんと接し、施術を行っていきます。
治療院等があん摩マッサージ指圧師の無資格者、未経験者を採用することもありますが、
- 受付業務
- 国家資格をもつあん摩マッサージ指圧師の補佐業務
となり、自分自身で施術を行うことはありません。
アルバイトの求人も多い
あん摩マッサージ指圧師のアルバイトの求人は、
- 医療系の求人情報サイト
- ハローワーク
でもしばしば出されています。
地域によって給料は異なりますが、最近では福祉領域でも需要があるため、求人の量は比較的安定しているようです。
アルバイトのあん摩マッサージ指圧師の給料
アルバイトの給料は「時給制」が基本になっていますが、資格を取得し、自ら施術を行う場合は「完全出来高制」の場合も少なくありません。
そうなると、自分が治療を行う患者さんの数が増えれば増えるほど、たくさんの収入を得られます。
治療院やマッサージ店は小規模のところも多いため、正社員ではなくあえてアルバイト中心に雇うケースも多く、患者さんからの信頼と実力を身に付ければ、アルバイトからでも独立し開業できます。
アルバイトとして働く場合、正社員とはボーナスの支給や福利厚生といった待遇面で差が出ることもありますが、雇用形態以上に個々の実力が重視される仕事だといえるでしょう。
「あん摩マッサージ指圧師になるには? 必要な資格は? 」のまとめ
あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格することが必要です。
あん摩マッサージ指圧師の養成学校には、同じ東洋医学である「はり師」「きゅう師」の受験資格を同時に得られるところがあります。
はり師・きゅう師も取得していると、あん摩マッサージ指圧師の資格を単独で取得するよりも、就職・開業する際には有利にはたらくようです。