税関職員の年収はいくら? 給料や空港税関についても詳しく解説

税関職員は、国の税収を管理し、国境を守る重要な役割を果たしています。

また、税関職員は国家公務員という身分で働くため安定性が高く、待遇・福利厚生の面でも魅力があるといえる職業です。

この記事では、税関職員の年収・給料の事情について詳しく紹介します。

税関職員の平均年収・給料

税関職員の平均年収・給料は、平均的な会社員よりも高めの水準です。

総合職と一般職、また配属先によって給料は変わってきますが、国家公務員のため、いずれの働き方でも年収・給料は安定しているのが特徴です。

また、定期的な異動や、妊娠・出産を経験しても働き続けられるような、充実した手厚い福利厚生が魅力といえます。

総合職の税関職員

税関職員のなかでも、総合職の職員は全国に180名ほどしかいません。

総合職のみでの給料や年収は公表されていませんが、給料は国の規定に基づいて支給されており、30代で約510万円以上、40代で約850万円以上といわれています。

40代になると、平均的な会社員の2倍ほどの給料を稼ぐことができるようです。

一般職の税関職員

一般職の税関職員の給料は、勤務する税関によっても異なりますが、平均月給は38万円、年収は337万円〜721万円となります。

全国には9つの税関があり、地方別に見てみると、とくに東京税関と大阪税関の年収が高い傾向にあるようです。

また、年代別に見ると20代は年収400万円台ですが、30代からは年収420万円〜541万円、40代は年収487万円〜681万円、50代は年収614万円〜730万円と、最大200万円ほどの開きが出てきます。

年齢とともに年収は上がっていきますが、より高い評価を得て出世したほうが大きな年収を稼ぐことができるでしょう。

税関職員の初任給はどれくらい?高卒と大卒で違いはある?

税関職員の初任給は、総合職の学部卒は243,400円、大学院卒(大卒程度試験)は260,080円、大学委員卒(院卒程度試験)は264,400円です。

参考:財務省税関総合職 令和2年度採用案内

一般職の場合は全国各地にある税関に採用されることになるので、給料は各地で異なります。

初任給は17万円程度になることが多く、担当する業務や勤務時間によって別途手当がつくことがあるようです。

空港の税関職員の年収は?

空港の税関職員の年収については、税関職員の「一般職」と同等の給料となります。

役職や勤続年数などによって異なりますが、一般的な会社員に比べると比較的高い水準であることが知られています。

国内の主要な空港において勤務する場合、初年度は約240万円前後からスタートし、徐々に昇給していきます。

経験豊富なベテラン職員であれば、年収は500万円~600万円以上に達する場合もあります。

ただし、空港の税関職員は業務上、24時間体制で勤務が必要なことが多いため、夜勤や休日出勤などの勤務もしなくてはなりません。

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税関職員の福利厚生の特徴

当直や休日などで手当が出る

税関職員は、福利厚生として手厚いサポートが受けられることが特徴です。

仕事と子育ての両立支援が充実しており、女性だけでなく「男性育児参加休暇」など、妊娠がわかってから小学校に就学するまでの長い期間に制度が利用できます。

また、公務員宿舎は独身寮から家族向けのものまであり、長年にわたって住み続ける人も多くいます。

住宅にかかる費用が大幅に節約できるという意味でも、税関職員は恵まれた待遇であるといえるでしょう。

このほか、指定のホテルやスポーツクラブを安く利用できるなどのメリットもあります。

研修制度が充実

税関職員は、税関業務に必要な法律や手続き、品目や輸出入規制など、さまざまな知識を身につける必要があります。

そのため、税関職員の研修は非常に充実したものとなっています。

採用後の研修期間だけでなく、経験に伴って継続的に研修を受けられます。

税関業務に関する法律や条令の改正があれば、それに対応するための研修が実施されますし、国際的な貿易ルールの変化があれば、海外研修や留学をする場合もあります。

さらに、品目や輸出入規制に関する知識を深めるために、さまざまな専門家との連携も積極的に行われています。

たとえば医薬品や食品など、特定の品目に関する研修会が行われることもあります。

このように税関職員は非常に研修制度が充実しており、税関業務に必要な幅広い知識を身につけることができます。

税関職員の給料・年収の特徴

ここからは、税関職員の給料・年収の特徴を、より詳しく紹介します。

特徴1.国家公務員に準ずる給料・年収

税関職員は国家公務員なので、給料は国の規定の中で金額が決定されています。

国家公務員の場合「年齢=月収」が一定の目安といわれているので、総合職の税関職員の場合も40代になった頃の月給はおよそ38万円です。

一般職の場合は総合職よりも若干低めとなりますが、別途手当が支給されることもあるので、安定して働くことができます。

特徴2.年齢が上がるにしたがって給料・年収も増える

初任給は規定によって支給されますが、公務員は年齢とともに給料・年収が上がる仕組みです。

総合職の場合は役職がついてキャリア官僚となれば、海外出向や出世することで年収1,000万円越えも夢ではありません。

また一般職の場合も年齢とともに給料が上がっていくので、出世することで年収700万円を超える人もいます。

特徴3.東京や大阪の税関はやや給料が高い傾向

一般職として働く場合、給料は勤務する税関によって異なります。

東京や大阪では、多くの企業や団体があり、税関業務に関わる航空貨物や海上コンテナなどの輸出入量も多いことから、税関職員の需要が非常に高いことが特徴です。

また、東京や大阪は国内有数の都市であり、物価や生活費が地方よりも高くなっています。

このため、東京や大阪で働く税関職員はやや給料が高い傾向があるとされています。

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税関職員と関連する職業との年収の違い

税関職員と似た役割を持ち、同じく公務員として働く職業に「入国審査官」があります。

入国審査官は、空港や港で日本に出入国する人を管理し、国内の治安を守る職種です。

入国審査官の給料は「国家公務員行政職俸給表(一)」の内容が適用されます。

法務事務官として採用される1年目は年収300円~400万円ほどとされますが、入国審査官全体の平均年収は600万円~700万円前後となるでしょう。

他の職業として、「入国警備官」は、日本への不法入国や不法滞在の疑いがある外国人を取り締まる職種が挙げられます

入国警備官は「国家公務員公安職俸給表(一)」が適用され、平均年収は600万円~700万円程度と考えられます。

税関職員が収入を上げるためには?

税関職員が収入を上げる方法は、総合職と一般職で異なります。

総合職であれば、キャリア官僚を目指すことで収入アップが可能です。

出世して役職がついたり、海外に出向することで年収はさらに上がり、年収が1,000万円以上になる人もいます。

一方、一般職の場合は税関のある地方によっても平均年収が異なるので、選べるのであれば1番平均年収が高い東京税関を受験することがおすすめです。

出世することで収入アップを狙うこともできますが、国家公務員は年々給料が上がる仕組みなので、辞めずに長く勤めるだけでも収入を上げることができます。

税関職員は年収1000万円を目指せる?

税関職員の年収が1000万円を目指すことができるかどうかは、役職や勤務年数、職務経験や能力によって異なります。

税関職員の給料はあらかじめ決められているため、大幅な増加は見込めませんが、総合職として長期間勤務し昇進することで、1000万円を目指せる可能性があります。

ただし、税関職員の総合職は幹部候補職員として採用され、関税局・税関を中心に、国内だけでなく海外にもあるさまざまな部局を経験しなくてはならない仕事です。

また採用も毎年数名であることから、非常に狭き門であることを覚悟することが必要です。

「税関職員の平均年収・給料」まとめ

税関職員の平均年収や給料は、一般的には公務員としての待遇が与えられ、安定した収入が得られます。

福利厚生や研修制度も整っており、安定した環境で働き続けられる一方で、厳しい業務や24時間体制での勤務を担当することもあります。

税関職員は、国民の生活や国家の安全に関わる重要な職務を担っており、その責任に見合った給与が支払われているといってよいでしょう。