養護教諭に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
養護教諭に向いている性格・適性
寛大で世話好きな人
保健室には、いろいろな子どもたちがやってきます。
身体的なケガや病気での来室はもちろん、「話を聞いてほしい」「友達や担任とは違う人と過ごしたい」という児童・生徒もたくさんいます。
そんな子どもたちを優しく受け入れ、じっくりと話を聞いてあげられる人が、養護教諭には向いています。
たとえ事務的な作業が机に山積みであっても、子どもは自分を頼って来室しているんだからと、児童・生徒の気持ちを寛大に受け止めて、積極的に耳を傾けられる人材が求められるのです。
往々にして子どもの話は、自己中心的かつ主観的であり、ときには多分に嘘も含まれていますが、それを否定しないでいったんは受け入れ、うなずいてあげられる寛容さが必要です。
すぐにイライラ・くよくよしない人
日中の来室数が多くて、生徒が下校してからでないと事務仕事がこなせなかったり、他の教員や管理職との連携がうまくいかず、問題を抱える子どもの状況を好転できなかったりと、挙げればきりがないくらい「もう、どうしてこうなんだ」と怒りたくなる場面が多い養護教諭の職。
そんなときでもイライラしたり、くよくよしたりしないで、さっと気分転換ができる人が、この仕事には向いています。
これは他の職種にも当てはまることですが、人間相手の仕事ですからこちらの思い通りにことが運ぶ方が稀なものです。
それを一つひとつ気に病んでいたら、勤まりません。
どんなことがあってもおおらかに受け流して、翌日には笑顔で出勤できる性格の人であれば、明るい保健室運営ができることでしょう。
子どもの成長を楽しめる人
養護教諭には教育に関わる者として、関わる子どもたちの健全な成長を支援することが求められます。
たとえ少しずつでも、子どもができなかったことができるようになったり、広い視野で物事を見られるようになったりしたのを目の当たりにしたときには、うれしくなるタイプの人に向いています。
子どもの性格やタイプはさまざまですので、「こうでなくてはならない」と決めつけることなく、一人ひとりの子どもの可能性を信じてそっとサポートすることを楽しめるようであれば、養護教諭の適性があるといえるでしょう。
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養護教諭に必要なスキル・能力
冷静な判断力
養護教諭は、子どもの話をじっくりと聞く姿勢を持っている一方で、その子が退室したらすぐに、事務仕事をてきぱきと片付けるくらいのドライさが必要です。
というより、そのような冷静さがなければ職業として続けることは困難でしょう。
児童・生徒によっては、聞くだけで涙を禁じえないつらい状況に置かれている子もいます。
そんなとき、優しい養護教諭は「何か力になってあげたい」「問題を解決してあげたい」と思うことでしょう。
しかし、子どものSOSをキャッチすることはできても、それ以上、踏み込んだ対処ができない場合も多いので、子どもの悩みやつらい状況に共感しつつも、ある程度の距離を置いて接することのできる人が向いています。
また、赴任先によっては、授業を受けたくなくて保健室にいりびたる生徒や、少し親切にするとどんどん要求がエスカレートしてくる生徒など、一線を画さなければ対応に困る子どももいます。
そういうケースにも落ち着いて対処できる冷静さが求められます。
自分で考え、行動する力
養護教諭は学校に一人しか配置されないケースが多く、1日の大半の時間を保健室で過ごします。
何か困ったことがあっても、すぐ周りに相談できる環境ではない場合もあるので、基本的には自分で考え、自分で判断して行動しなくてはなりません。
もちろん、どうしてもわからないことがあれば近隣校の養護教諭や、教育委員会などに相談することもありますが、そうした行動も自律的に行わなくてはなりません。
誰かに指示されるのを待つのではなく、自ら動こうとする主体性が養護教諭には求められます。
救急処置ができること
学校では、日々さまざまなことが起こります。
予期せぬケガや体調不良などで駆け込んできた子どもたちに対し、状態を的確に把握して、最初の処置をするのは養護教諭となります。
緊急度が高ければ即座に救急車を呼びますが、止血や固定、心肺蘇生法など、救急処置が必要な場面も発生しますので、それらに関する正しい知識と技術を持ちあわせてなくてはなりません。
子どもたちの安全と命を守る重要な役割を担っていると考え、日々勉強を続けていく気持ちが欠かせません。
養護教諭に向いていないのはどんな人?
養護教諭は学校の先生の一種ではありますが、国語や数学といった一般教科を指導する教諭とは少々違う立場で仕事をします。
もちろん、その学校の一員としてチームワークを発揮しなくてはならない場面も多々ありますが、周囲からは、その学校に何人といない養護教諭には専門職としての大いなる活躍を期待されます。
普段は自分一人でいる時間も長いので、同じ立場の仲間とワイワイ働きたいといったタイプの人には、少々荷が重く感じられてしまうかもしれません。
専門的な役割を担っていることに誇りを持つことができ、一人で過ごすことがあまり苦にならない人のほうが向いているといえるでしょう。