野菜ソムリエになるには
野菜ソムリエになるまでの道のり
野菜ソムリエは、「日本野菜ソムリエ協会」が独自に認定している民間資格の名称であり、一般的にはその資格を持っている人のことを指します。
野菜ソムリエの資格を取得するためには、日本野菜ソムリエ協会が開催している養成講座を受講しなければいけません。
野菜ソムリエには難易度別に3種類の資格がありますが、そのうち「野菜ソムリエ」という初級の資格は、「野菜が好き」「野菜の知識を深めたい」「自分や家族の食生活を見直したい」など、もっと野菜のことを知りたいという気持ちで取得する人も多くいます。
もちろん、取得した資格を仕事に生かすこともできます。
野菜ソムリエの資格があれば、レストランや農業、料理教室など、食関連のさまざまな仕事で役立つ場面があるでしょう。
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野菜ソムリエの資格・難易度
ひとくちに「野菜ソムリエ」といっても、細かく見ていくと3種類の資格に分かれます。
難易度別に、初級となる「野菜ソムリエ」、中級の「野菜ソムリエプロ」、そして上級が「野菜ソムリエ上級プロ」です。
資格取得にあたって、どれでも自由に選べるわけではなく、初めての人はまず「野菜ソムリエ」もしくは「野菜ソムリエプロ」からスタートします。
それぞれの資格に該当する養成講座を受講し、修了試験に合格すれば、資格が取得できます。
そして「野菜ソムリエプロ」を取得した人のみ、「野菜ソムリエ上級プロ」の養成講座を受けることができます。
基本的には養成講座をきちんと受け、必要な知識を身につければ取得可能な難易度の資格です。
しかし上級になると、すでに野菜ソムリエとしての専門領域を持ち、その領域での活動実績が求められるなど、取得のハードルは一気に上がります。
野菜ソムリエになるための学校の種類
野菜ソムリエは民間資格であり、資格取得のために通わなくてはならないのは、日本野菜ソムリエ協会が主催する養成講座のみです。
養成講座の受講にあたっては年齢や学歴の制限はないため、何歳の人でも、また中卒や高卒の人でも野菜ソムリエを目指すことは可能です。
野菜ソムリエの養成講座は、現在では日本全国のほとんどの都道府県で開かれていますが、都市部のほうが場所・日程を多く選べるようになっています。
また、通学するのが難しい人向けに、通信制で学べる養成講座もあります。
詳しくは日本野菜ソムリエ協会のホームページで確認してください。
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野菜ソムリエに向いている人
食への興味が強い人
野菜ソムリエの資格は、おもに食に関わるさまざまな場所で生かすことができます。
具体的には、農業、食品メーカー、青果関連、飲食店、料理教室などが挙げられますが、これらに共通しているのは、「食」をとことん突き詰めていく場だということです。
野菜ソムリエは、資格を取得するだけで就職やその後のキャリアが保証されているわけではなく、自ら自分の知識を深め、広げる努力が求められます。
そのためには、自分自身「食」に強い興味を持ち、日々探求していく姿勢が不可欠だといえるでしょう。
人に何かを伝えるのが好きな人
野菜ソムリエは、「野菜・果物の本当のおいしさや魅力を人々に伝えていく」という使命を持っています。
野菜ソムリエの活躍の仕方はさまざまですが、自分自身が野菜・果物を好きになることはもちろん、その素晴らしさをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちが不可欠となります。
また、野菜ソムリエとしての活動の中では、わかりやすく、正しい情報を伝える力が必要になってきます。
やりたいことを自ら考えて動ける人
野菜ソムリエの資格の知名度は急上昇していますが、その資格を持っているだけで就職・転職に大きく有利になるとは限りません。
「資格を取得した先に何をしたいのか」が重要であり、それは自分自身で考えていく必要があります。
野菜ソムリエとして身につけた知識は、日常生活に役立たせることができるだけでなく、新しいビジネスの企画にもつながる可能性を秘めています。
チャンスはたくさんありますが、決められた道を歩むのではなく、自分で野菜ソムリエとしてやりたいことを見つけていく努力が必要になるといえます。
野菜ソムリエのキャリアプラン・キャリアパス
野菜ソムリエを目指す人の大半が、まずは初級となる「野菜ソムリエ」の資格を取得します。
さらに上を目指す場合は、「野菜ソムリエプロ」「野菜ソムリエ上級プロ」と進みます。
それぞれ新たに養成講座の受講費がかかってきますが、より野菜の専門的で幅広い知識が身につき、ビジネスの場で習得した知識・スキルを生かしやすくなります。
もちろん、初級レベルで終了しても、青果関係の仕事や飲食店などで身につけたことを役立てることは十分可能です。
資格を生かせる仕事を探すには、おもに食業界の求人を探すことになるでしょう。
有資格者を優遇してくれる飲食店もあり、また日本野菜ソムリエ協会で仕事をあっせんするサポートも行っているようです。
食や栄養などに関連するさらに幅広い知識を身につけ、独立して食に関わる活動をする野菜ソムリエもいます。
野菜ソムリエを目指せる年齢は?
野菜ソムリエの資格は、取得にあたっての年齢制限がありません。
実際、50代や60代になって野菜ソムリエの資格取得を目指して勉強をしている人もいますし、その資格を強みに働いている人もいます。
野菜ソムリエの活動の仕方に決まりきったものはなく、たとえば定年後の第二の人生として農業を始めたり、料理のスキルを生かして料理教室を開いたりすることも可能です。
その際に、野菜ソムリエとして身につけた野菜の知識を生かすことは十分に可能ですし、意欲さえあれば生涯野菜ソムリエとしてやっていくことができます。
野菜ソムリエは高卒から目指せる?
野菜ソムリエになるのに学歴は関係ありません。
正確には、資格取得にあたってはどのような学歴の人でも問題なく、野菜ソムリエになることができます。
ただし、その後、食関連の企業への就職・転職をする際には、各企業が定める応募条件として学歴が問われることは考えられます。
そのことを除けば、年齢・学歴・性別など一切関係なく、野菜ソムリエとして活動することが可能です。
野菜ソムリエの求人はある? 募集の状況は?
「資格があるだけ」での就職・転職は難しい
近年、野菜ソムリエ資格を取得するタレントが増えていることなどから、野菜ソムリエの資格そのものの知名度は急上昇しています。
過去に日本野菜ソムリエ協会が行った調査では、女性の「野菜ソムリエ」の認知率はなんと85%にものぼったそうです。
ただし、それだけこの資格が知れ渡り始めているにも関わらず、一部の企業や団体を除けば、就職・転職の場において「野菜ソムリエ」が優遇されることはまださほど多くないようです。
野菜ソムリエは、野菜・果物のプロフェッショナルとしては認められますが、野菜ソムリエの資格がなければできない業務というものはありません。
そのため、野菜ソムリエは「持っているだけで就職が確実になるわけではない」という点に注意が必要です。
野菜ソムリエの資格を生かして働ける場は?
ただし、資格が自分の「強み」となることは間違いありません。
野菜ソムリエの資格を取得した人の多くは、食品関係の仕事に就いています。
たとえば食品メーカーの企画・開発部門で活躍すること、レストランの経営コンサルタントとして、あるいは野菜や果物の卸売りなどでも知識を生かせます。
また、料理教室の講師やレシピ監修などの仕事に携わる人もいます。
すでに関連する職業に就いて働きながらスキルアップを目指すケースもあれば、これからそういった仕事に就くことを目指し、自分のスキルアップやアピール材料として資格取得を目指す人もいます。
そして資格取得後も、日本野菜ソムリエ協会が開催する勉強会・イベントに参加したり、自分でより知識を深めていけば、「野菜や果物のプロ」としてさまざまな活躍の場が見出せるでしょう。
「アクティブ野菜ソムリエ」になり、活躍の場を広げる
野菜ソムリエ資格の種類のうち、もっとも難易度の低い「野菜ソムリエ(旧「ジュニア野菜ソムリエ」)」の有資格者は、野菜ソムリエと呼ばれる人の90%を占めているようです。
しかし、資格を取得してもそれを生かすことなく、形だけとなっている有資格者も少なからずいるといわれます。
こうした現状のなか、日本野菜ソムリエ協会には、中級資格の野菜ソムリエ(現「野菜ソムリエプロ」)資格者で、自らベジフルライフを実践し、野菜・果物の魅力を周囲に伝える具体的な活動をしている人を「アクティブ野菜ソムリエ」として認定する制度があります。
アクティブ野菜ソムリエになることで、協会から各種情報が提供されたり、スキルアップセミナーなどに参加できたりするメリットがあります。
資格を取得したうえで積極的に活動していくことで、希望する就職の実現に近付くことができるかもしれません。