独学で宅建に合格できる?

宅建士を独学で目指す人はいる?

宅建士(宅地建物取引士)試験の合格率は、例年15%前後しかなく、世間一般にも難易度の高い試験として知られています。

しかし、宅建士試験には受験資格がなく、誰でも自由に試験を受けることができるため、受験生のすべてが「本気で合格を目指している人」というわけではありません。

なかには、とりあえず受けてみるという記念受験の人や、勤め先に強制されて、やる気のないまま仕方なく受験している人もおり、そうした人々の存在が合格率を大きく下げている一因となっています。

宅建士試験が難関であることは間違いありませんが、少なくとも合格率から感じられるほどのレベルではなく、独学でも合格できる可能性は十分にあります。

ただし、独学は人によって向き不向きが大きく分かれますし、勉強方法が間違っていると何年経っても合格できないなど、リスクも相応にあります。

以下に独学のメリット・デメリットをご紹介します。

自身の性格や事情と照らし合わせて、学習スタイルを決めるうえでの参考にしてください。

独学のメリット

マイペースに勉強できる

独学の最大のメリットは、時間や場所を選ばず、自分のペースで勉強できることです。

民間の予備校に通う場合、授業時間はあらかじめ決まっていますし、教室まで通学するという負担も発生します。

宅建士を目指しているけれども、仕事の都合で毎日同じ時間に通うことが難しかったり、地方在住でそもそも通える範囲にスクールがないという人もいるでしょう。

しかし、独学であれば仕事から帰宅して一息ついた後、好きなタイミングで勉強に取り掛かることができますし、休日には気分転換も兼ねてカフェで勉強することもできます。

また、1日の勉強量や勉強する内容も自分の自由であり、たとえば日によって過去問演習だけに取り組んだり、暗記だけに集中したりなど、自身の進捗状況に合わせて柔軟に学習を進められます。

学費を安くおさえられる

民間の予備校に通学する場合、初学者向けや既修者向けなどのコースにもよりますが、入学金などを含めて20万円~25万円程度の費用がかかります。

短期集中講座でも10万円前後が相場ですし、模擬試験を1回受けるだけでも約1万円はかかるため、しっかり対策しようとすればするほど経済的負担は重くなります。

しかし、独学であれば必要になるのは基本的にテキスト代のみであり、費用を安くおさえることが可能です。

初期投資を安く済ませておけば、後から直前対策などの足りない部分にお金を回すこともできるでしょう。

宅建士は、試験に合格した後も資格登録料や講習受講料などで10万円近く必要になるため、学費をおさえられるというメリットは大きいといえます。

市販のテキストが豊富にある

宅建士は、毎年20万人を超える人が試験を受ける人気資格です。

このため、マイナーな資格とは異なって、一般の書店でもさまざまな種類の参考書や過去問題集、予想問題集などが市販されています。

独学者にとって、唯一の勉強ツールであり、また教師代わりでもあるテキスト選びは非常に重要ですが、宅建士試験の場合、豊富な選択肢があるという点は大きなメリットといえます。

ネットのレビューを参考にしたり、書店で一冊ずつ実際に手に取ったりして、見やすい、わかりやすいと感じられるもの、自分のフィーリングに合ったものをチョイスするとよいでしょう。

独学のデメリット

余分な時間がかかる

宅建士試験に合格するためには、一般的に約300時間の勉強が必要といわれています。

しかし、独学で挑む場合、わからないことがあれば立ち止まってその都度自分で考えなければいけませんし、コツやノウハウを教えてくれる人もいません。

このため、予備校などを利用する人に比べると、どうしても学習の効率性が下がってしまうというデメリットがあり、300時間以上勉強しなければならない可能性が高くなります。

とくに初学者については、法律問題特有の考え方に戸惑ったり、重要な部分とそうでない部分の見分けがつきにくいなど、勉強がなかなか捗らないケースも多いかもしれません。

自己管理能力が問われる

資格学校などを利用すれば、テキストも、カリキュラムも、スケジュールも、すべてスクール側が用意してくれます。

定期的に演習問題などで実力をチェックしてくれますし、本番を想定した模擬試験の日程まであらかじめ組まれているところもめずらしくありません。

これに対して、独学の場合は、そのすべてを自分で準備し、計画を立てなければならないため、高い自己管理能力が問われます。

宅建士試験では、直近の税制改正や統計に関する問題も出題されることから、そうした最新の情報への対応も試験直前に行う必要があり、スケジュールの組み方は非常に重要です。

また、独学だと、誰かに勉強を強制されることもありませんし、さぼっても誰かが見ているわけでもないため、自分を律することのできる強い精神力も必要になります。

宅建士試験の低い合格率を考えると、一発で合格できるとも限りませんから、とくに不合格直後など、どこかでモチベーションを失ってしまうこともあるかもしれません。

リーズナブルな通信講座もある

独学の場合、上述の通り学費はテキスト代程度で済むものの、宅建士試験ではかなりの量のテキストが必要になります。

宅建業法や民法、各種法令上の制限、税制など試験の出題範囲が幅広いため、参考書だけでも複数冊が必要ですし、学習の中心となる過去問題集も必携です。

直前期には、最新の法改正や裁判の判例などを踏まえた予想問題集も購入しなければならないでしょう。

一冊あたりの単価はたかが知れていても、それが積み重なると、数万円程度かかる可能性も十分にあります。

それと比べると、通信講座のなかには4万円~5万円程度のものもあるため、経済的な負担としては、そこまで大きな差はないかもしれません。

どれだけのお金をかけられるかは個人の事情次第で一概にはいえませんが、コストと効率性を天秤にかけて、慎重に学習スタイルを検討する必要があるでしょう。