ソムリエの試験の難易度・合格率
ソムリエの資格・試験にはどんな種類がある?
ソムリエの試験で代表的なものは、「日本ソムリエ協会」が認定している「ソムリエ呼称資格認定試験」です。
日本にはソムリエの国家試験がなく、こちらも民間団体が認定する資格となります。
しかし、資格取得者に与えられる金色のブドウ型のバッジは、ソムリエの代名詞として知名度があります。
日本ソムリエ協会が認定するソムリエ資格には、「ソムリエ資格」、「ソムリエ・エクセレンス資格」の2種類があります。
2018年度までは「ソムリエ資格」、「シニアソムリエ資格」の2種類でしたが、2019年度より「シニアソムリエ」の呼称が「ソムリエ・エクセレンス」へ変更となっています。
一次試験は筆記試験が出されます。
それに合格すると後日、二次試験が受けられます。
二次試験は口頭問題や利き酒も含む実技試験です。
北海道から東京、名古屋、九州、沖縄など全国で二次試験まで実施されるので、近くの受験地を選べます。
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ソムリエ呼称資格認定試験の内容・種類
日本ソムリエ協会が実施する「ソムリエ呼称資格認定試験」は、国内ではもっとも認知度の高いソムリエ資格試験です。
ソムリエを名乗って仕事をしている人の多くがこの資格を持っています。
試験では、筆記試験からテイスティング、論述試験、サービス実技までが課され、ワインや接客に関する幅広い知識・スキルが問われます。
ソムリエ資格試験に合格した人は、その後さらに3年以上の実務経験を積むと、上位資格である「ソムリエ・エクセレンス」の受験資格が得られます。
ソムリエ呼称資格認定試験の受験資格・難易度・費用
ソムリエ呼称資格認定試験を受験するには、20歳以上であることのほか、飲食サービス業における3年以上の実務経験が求められます。
日本ソムリエ協会の会員歴が2年以上ある人に限り、必要な実務経験は2年以上に短縮されます。
ソムリエ資格試験の合格率は25〜30%となっており、難易度は高めだといえるでしょう。
2019年に初めて実施された上位資格「ソムリエ・エクセレンス」の合格率は8.2%と、さらに低くなっています。
ソムリエ資格試験を一次試験(筆記試験)から受ける場合の受験料は、会員料金で20,380円、一般の場合29,600円です。
ワインエキスパート資格試験
ワインエキスパート資格の内容・種類
日本ソムリエ協会は、上述のソムリエ呼称資格認定試験のほかに、「ワインエキスパート」という資格試験を実施しています。
正式には「ソムリエの資格」ではありませんが、ワインエキスパート資格試験においてもワインの専門知識やテイスティングのスキルが問われます。
一般のワイン愛好家や、実務経験が3年に満たずソムリエ資格試験を受けられない人が多く受験する試験です。
実際に、ワインエキスパートの試験はソムリエ資格試験と同日に実施され、筆記試験のテイスティングの試験内容はほとんど同じです。
ワインエキスパート資格試験では、ソムリエに課される論述試験とサービス実技はありません。
また、ソムリエ資格と同じく「ワインエキスパート・エクセレンス」という上位資格も設けられています。
ワインエキスパート資格試験の受験資格・難易度・費用
ワインエキスパート資格試験は、20歳以上であれば受験することができます。
一般のワイン愛好家が知識を測るために受験するケースが多いため、ソムリエ資格試験とは異なり職種や実務経験は問われません。
試験内容は、ソムリエ資格の筆記試験・テイスティング試験とほとんど同じなので難易度は変わりませんが、論述と実技がないため受験しやすいといえます。
近年では合格率もソムリエ資格より高くなっています。
ワインエキスパートの受験料はソムリエ資格試験と同じく、一次試験から受験する場合、会員料金で20,380円、一般で29,600円です。
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ワインコーディネーター/ソムリエ
ワインコーディネーター/ソムリエの内容・種類
ソムリエ資格には日本ソムリエ協会が主催するもののほか、「全日本ソムリエ連盟」が実施する「ワインコーデエィネーター/ソムリエ」の資格があります。
ソムリエ呼称資格認定試験と比べると知名度は下がるものの、実務経験を問わないため気軽に受験することができます。
ワインコーディネーター/ソムリエの資格を取得するには3通りの方法があります。
3ヵ月で課題を3回提出すると合格できる「通信プログラム」、会場で2日間の講義・試験を受ける「2日間集中プログラム」、自宅で学習して1年以内に会場で試験を受ける「在宅コース」の3パターンです。
試験を申し込むときに「ワインコーディネーター」か「ソムリエ」いずれかの資格名を選ぶことができます。
ワインコーディネーター/ソムリエの受験資格・難易度・費用
ワインコーディネーター/ソムリエは、20歳以上であれば誰でも受験することができます。
合格率は公表されていませんが、課題の提出や2日間の集中講義・試験で認定されることを考えると、三次試験までおこなわれる日本ソムリエ協会のソムリエ資格試験よりは難易度が下がるといえるでしょう。
とはいえ、ワインは非常に奥深いお酒なので、資格取得にはそれなりの勉強期間が必要です。
受験料はコースにより異なり、通信プログラムでは受講料の76,400円に加え、認定料25,000円、入会金19,000円、年会費15,900円が必要です。
2日間集中プログラムでは137,100円(認定料・入会金・年会費込み)となり、在宅コースでは56,800円(認定料・入会金・年会費は別途)に設定されています。
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート呼称資格認定試験の所有者数、合格率
ソムリエ
ソムリエ資格所有者の累計
ソムリエ資格所有者は、毎年1,000人前後増えていましたが、2016年度から呼称資格制度の変更により大幅に増加しています。2023年度は570人増加し、39,719人となっています。
ソムリエ資格試験合格率の推移
ソムリエ資格試験の合格率は30%前後を推移しておりましたが、2023年度の合格率は前年度より大幅に下降し17.7%となりました。
ワインエキスパート
ワインエキスパート資格所有者の累計
ワインエキスパート資格所有者は、毎年1,000人程度増えていましたが、2023年時点での累計は前年よりも1,465人増加し、22,529人となっています。
ワインエキスパート資格試験合格率
ワインエキスパート資格試験の合格率は、30%〜40%の間を推移しています。2023年度試験の合格率は41.9%となりました。
2024年度 J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験の概要
試験日 | ・第一次試験[ソムリエ、ワインエキスパート] 2024年7月20日(土)~2024年8月31日(土) ※CBT方式 ・第二次試験[ソムリエ、ワインエキスパート] 2024年10月7日(月) ・第三次試験[ソムリエ] 2024年11月18日(月) |
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試験地 | ・第一次試験 全国47都道府県内に指定された会場 ・第二次試験 札幌、盛岡、仙台、東京、長野、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇 ・第三次試験 札幌、盛岡、仙台、東京、長野、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇 |
受験資格 | ・いずれの資格も基準日(2024年8月31日時点)において年齢20歳以上の方 ・受験する呼称資格を保有していない方 ・国籍は不問 J.S.A.ソムリエ<一般> ◆ 酒類・飲料を提供する飲食サービス J.S.A.ワインエキスパート●酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する方 |
試験内容 | [第一次試験] 筆記試験:2024年度日本ソムリエ協会教本記載事項より出題 [第二次試験] [第三次試験] |
受験料 | <一次・二次試験> ・会員:20,380円 ・一般:29,600 円 <二次試験のみ> ・会員:7,300円 ・一般:14,210 円 <三次試験のみ> ・会員:3,650円 ・一般:7,100円 |
合格率 | ・ソムリエ:17.7% ・ワインエキスパート:41.9% ※すべて2023年度 |
詳細情報 | 一般社団法人 日本ソムリエ協会 |