心理カウンセラーの需要・現状と将来性
心理カウンセラーの現状
いまや、心理カウンセラーという仕事は特別なものではなくなっています。
病気になったら内科などの病院にかかるように、心に不安を覚えたらカウンセリングを受けるという考え方が徐々に世の中に浸透し始めており、学校、病院、一般企業、福祉施設など、さまざまな場所で心理カウンセラーが必要とされています。
しかしながら、心理カウンセラーの職業としての社会的な立場はまだ確立されきっておらず、就職状況もやや厳しいものとなっています。
その大きな理由のひとつとして、心理カウンセリングの世界では、長年国家資格がなく、たくさんの民間資格が乱立する状況となっていたことが挙げられます。
なかには「臨床心理士」といったように専門性が高い資格も存在していましたが、正社員や常勤の求人は決して多くなく、ある程度の経験を積んだ心理カウンセラーでも、非常勤としていくつもの職場を掛け持ちしながら生計を立てているというケースは珍しくありません。
最近では、「公認心理師」という国家資格が誕生し、心理カウンセラーとして確かな知識・スキルがあることをより証明しやすくなりました。
しかし、現状では活躍の幅が広がっている反面、安定した待遇の下で働けるのは一部の人になっていることは否めません。
20代で正社員への就職・転職
心理カウンセラーの需要
心理カウンセラーは、多岐にわたる領域で需要がある仕事です。
具体的には、大きく分けて「医療」「教育」「司法」「福祉・公衆衛生」「産業」「研究」の6つの領域に活躍の場が広がっているとされ、さまざまな施設・企業等で心理カウンセラーが求められています。
また、心理カウンセラーを本業としていなくても、教師、看護師、ホームヘルパー、ケアマネジャーなど、別の職業に就く人が心理学の知識やカウンセリング技術を業務に生かすということはよくあります。
もはや「人と関わる仕事」すべてにおいて、カウンセリング的な要素が必要になってくる場面があるといえるでしょう。
心理カウンセラーの将来性
価値観の多様化によって選択肢が増えた一方、「生きづらさ」を感じて苦しんでいる人も増えているといわれる現代社会。
このような時代の中で活躍する心理カウンセラーには、さまざまな価値観を柔軟に受け入れながらも、各領域において高い専門性を発揮し、一人でも多くの人の悩みを解決に導く本物の力が求められています。
心理カウンセラーの仕事が一般的に認知され始め、目指す人も増えているからこそ、薄っぺらい知識ではない、確かなものを身につけていく努力を惜しまないことが成功のための重要なポイントとなるでしょう。
無資格であっても働ける職業ではありますが、公認心理師や臨床心理士など、信用度の高い資格を取得しておくことで、より進路の選択肢も広がっていくといえます。
20代で正社員への就職・転職
心理カウンセラーの今後の活躍の場
子どもからお年寄りまで、幅広い世代の人を対象に心の問題に向き合っていく心理カウンセラーは、すでに多岐にわたる場所で求められており、この先も幅広い領域での活躍が期待されます。
自分の経験やスキル次第で、さまざまな働き方ができたり、仕事の幅を広げていったりすることができるのも、この仕事の魅力といえるでしょう。
ある程度の実力をつけた心理カウンセラーは、「私設心理相談所(カウンセリングルーム)」を開設し、独立して活動を続けていくこともできます。
しかし、この業界では実績や信用が重視されやすい面もあるため、まずは地道に経験を積んでいく努力が必要になるでしょう。