歯科衛生士への転職・働きながら資格は取れる?
歯科衛生士への転職状況は?
歯科衛生士になるには国家資格を取得する必要があります。
この国家試験は、国や都道府県の指定する専門学校もしくは大学の歯科衛生士養成コースに3年以上通うことで受験資格が得られます。
独学では受験ができないため、他業種から歯科衛生士を目指す場合も学校に通う必要があります。
学校に通うとなると時間も費用も必要となるため、歯科衛生士へ転職する未経験の社会人はそれほど多くありません。
しかし、柔軟な働き方ができ、給与・待遇が比較的よい歯科衛生士は、社会人にとっても魅力的な職業です。
最近は、高校や大学を卒業した後、あらためて歯科衛生士を目指す人も増えています。
夜間部を設けている専門学校のなかには、生徒の半数以上が20代後半以上の社会人といったところも存在します。
歯科医院は全国にあるため歯科衛生士の需要は高く、学校へ通うことさえできれば社会人の転職も難しくないといえます。
20代で正社員への就職・転職
歯科衛生士への転職の志望動機で多いものは?
他業種から歯科衛生士への転職を目指す人の志望動機として多いのは、「家庭や育児と両立できる仕事に就きたい」「手に職をつけたい」といった理由です。
現在、全国で働く歯科衛生士の9割以上は女性だといわれています。
歯科衛生士の主な勤務先である歯科医院ではシフト制を採用していることも多く、アルバイトやパートであれば午前のみ勤務するなど、柔軟に働くことができます。
家庭や育児と両立しながら働きたいと考える女性にとっては魅力の一つとなるでしょう。
さらに、歯科衛生士は資格職なので、出産のため一時的に退職してブランクができても復職しやすいというメリットがあります。
また、歯科衛生士との給与・待遇の差を実感した歯科助手が、キャリアアップとして専門学校へ進学するケースも少なくありません。
未経験・社会人から歯科衛生士になるには
歯科衛生士は国家資格
歯科衛生士の仕事は、医療関係の仕事に就きたい、手に職をつけて結婚後や出産後も働きたいという人にとても人気があります。
現在の仕事を辞めて、歯科衛生士へ転職したいと考えている人もいるかもしれませんが、歯科衛生士になりたいからといって、すぐに転職できるわけではありません。
歯科衛生士は歯科助手と違い、患者さんの口内に触れて処置ができる専門職ですので、国家資格が必要となります。
歯科衛生士の資格は、歯科衛生士養成学校へ3年間通い、卒業資格を得た上で、国家試験を受験し合格してやっと手にすることができるものです。
したがって、転職先をあれこれ考える前に、まずは資格を得るために3年間学校に通う必要があるということを覚えておきましょう。
家族の協力を得られるか
歯科衛生士への転職の道は、最低でも3年かかります。
歯科衛生士の学校に通うとなると、学校選びと学費の工面が必要になります。
看護学校と同様に、医療系の専門学校は実習やレポートが多いため、アルバイトをする時間がありませんから、経済的に家族の協力が必要となります。
その協力が得られるのかどうか、家族で十分話し合ってから歯科衛生士への転職を目指しましょう。
20代で正社員への就職・転職
歯科衛生士への転職に必要な資格・有利な資格
歯科衛生士になるには、専門の養成学校へ3年以上通い、国家資格に合格する必要があります。
国家資格以外に取得しなければいけない資格はないため、まずは試験に合格できるよう在学中にしっかりと勉強することが大切です。
転職のためにほかの資格を一から勉強して取得する必要はないものの、小規模な歯科医院では歯科衛生士がレセプト作成などの事務をおこなうこともあるため、医療事務や歯科助手に関する資格を持っている場合はアピールするとよいでしょう。
また、歯科衛生士は患者さんとのスムーズなコミュニケーションが求められる職業です。
接客スキルを証明する資格や、福祉系の資格、保育士資格など、人と接する仕事に役立つ資格を持っている人は積極的に伝えるのがおすすめです。
歯科衛生士への転職に役立つ職務経験は?
歯科衛生士は歯科医院や病院において、歯科医師の治療補助や患者さんの保健指導などを担う職業です。
同じく歯科医院に勤務して歯科医師のサポートや事務をおこなう歯科助手として働いた経験を持っている人は、歯科衛生士の業務を間近で見ているため、未経験であっても転職の際に有利となるでしょう。
また、看護師や医療事務など、医療関係の職歴がある人も、患者さんとの関わり方を学んだ経験などをアピールできます。
子どもやお年寄りの患者さんと接することも多いため、保育や介護、福祉の分野での職務経験も役立ちます。
しかし実際の転職では、前職そのものよりも、これまでの職歴のなかでどんなことを学び、それを歯科衛生士の職業にどう生かせるか、自分の言葉で説明するほうが大切です。
歯科衛生士への転職面接で気をつけるべきことは?
歯科衛生士への転職面接では、これまでの職務経験や志望動機、自己PRといった一般的な質問にはスムーズに答えられるよう準備しておきましょう。
他業種から専門学校へ通って歯科衛生士を目指した場合は、「前職を辞めた理由」を聞かれる可能性が高いです。
給与が低かった、職場の環境が悪かったなどマイナスに聞こえる説明は避け、キャリアアップしたいから、医療職に憧れていたからなど、ポジティブな動機を伝えることが大切です。
また、歯科衛生士は医療現場で働く職業です。
転職面接の際はスーツまたはスーツに準じる服装で臨み、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
女性は肩にかかる長さの髪は束ね、アクセサリーやネイルはできるだけシンプルなものを選ぶようにします。
男性の場合は、寝ぐせや無精髭に注意してください。
歯科衛生士に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
歯科衛生士国家試験の受験資格には、年齢制限がありません。
歯科衛生士の専門学校に通う人のなかには20代後半以上の社会人・フリーターも少なくなく、夜間部を設ける学校になると学生の年齢層はさらに広がります。
歯科医院や病院の求人についても「年齢不問」としているところが多く、資格を取得すれば転職の機会は十分にあります。
ただし、歯科衛生士として働く人には20代が多く、年齢が上がるにつれて未経験の応募者は採用されにくくなるのが実情です。
明確な年齢制限はありませんが、30代〜40代から歯科衛生士を目指す場合は、立地条件などで応募者の少ない勤務先を選んだり、歯科衛生士に生かせる前職の経験を積極的にアピールしたりといった工夫が必要となるでしょう。
未経験から歯科衛生士の転職での志望動機
未経験から歯科衛生士を目指す際の志望動機では、「歯科衛生士を志望した理由」と「なぜその歯科医院へ応募したのか」について、分かりやすく伝えることが大切です。
採用担当者には「できるだけ長く働いてほしい」という思いがあるので、歯科衛生士の仕事内容を正しく理解しているか、志望動機に当院の方針とのずれがないか、という観点から面接がおこなわれます。
「人の役に立ちたいから」、「医院の理念に共感したから」といった一般論だけでなく、自らの体験をもとに「なぜそう思うようになったか」を伝えられると、説得力のある志望動機になります。
とくに他業種から歯科衛生士を目指す人は「とにかく歯科衛生士になりたい」と思うあまり、「なぜ他院ではなく当院なのか?」といった質問への対策がおろそかになりがちです。
事前に応募先のホームページなどを読み込み、医院の理念や考え方を理解しておきましょう。
歯科衛生士への転職に必要な心構え
歯科衛生士の養成学校を卒業したのち、晴れて国家資格に合格したら、歯科衛生士への転職の道が開けます。
歯科衛生士のおもな就職先は歯科医院ですが、近年は歯科医院の数が増え、人気のある歯科医院と、淘汰され潰れてしまう歯科医院との二極化が進んでいます。
3年以上の歳月をかけてやっと歯科衛生士へ転職できたにもかかわらず、転職先の歯科医院が潰れてしまったり、歯科医院の経営が思わしくなく給与・待遇面に不満があったりするようでは、元も子もありません。
歯科衛生士として転職する際には、歯科業界の現状や最新の展望などをリサーチし、どのような歯科医院が生き残っていけるのか知ることが大切です。
また、将来性のある歯科医院や人気の高い就職先にはどのような歯科衛生士が求められているのかを理解し、自らの適正をアピールしましょう。
新卒の歯科衛生士よりも、就職経験のある社会人歯科衛生士は就職活動において有利となるケースも多いです。
応募先にアピールできる自分の強みを見つけ、転職活動に生かすようにしましょう。