社会保険労務士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
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社会保険労務士に向いている性格・適性
正義感が強い人
近年、日本では「ブラック企業」という言葉がメディアでも一般的に使われるようになっています。
ブラック企業とは、ほとんどの場合で「サービス残業が多い」「健康保険に加入させない」「給料が正しく支払われない」など、労働条件に違反するような働き方をしいる企業のことを指しています。
社会保険労務士の役割のひとつは、こういった「ブラック企業がない社会」をつくりあげていくことです。
労働者が不当な不利益をこうむることがないよう、企業や労働者を専門知識を持ってサポートし、企業側の認識が誤っているときにはそれを正していくことも必要です。
これは社会的に大きな責任をともなう仕事であるため、「よりよい社会をつくりたい」といった強い正義感がある人が社会保険労務士に向いているでしょう。
数字を扱うことや、コツコツとした作業が苦にならない人
「社会保険」や「労務」のプロフェッショナルである社会保険労務士の仕事には、計算作業がつきものです。
計算作業も単純なものだけでなく、たとえば「月々の健康保険料を計算する公式」「年金支給額を計算する公式」「労働災害保険を計算する公式」など、さまざまな公式を用いて複雑な計算をおこなうこともあります。
こういった作業を相談者の年齢や労働期間に応じて、電卓を片手に一つひとつ丁寧に計算しなければいけません。
いずれもその人の人生設計に大きな影響を与える大切なお金を計算することになるため、ミスなく正確な計算ができる几帳面さが社会保険労務士には求められます。
そしてこれらの計算作業に加えて、さまざまな資料や必要書類のチェックも同時にこなしていかなければいけません。
ち密な作業が苦にならず、数字を扱うことやコツコツとした作業が問題なくできる人が社会保険労務士には向いています。
企業の経営に興味がある人
社会保険労務士は企業のコンサルティングをおこなうこともあります。
ときには、その企業の就業規則の作成や賃金制度の設計、福利厚生の仕組みの考案にも力を貸すことがあります。
「どのような制度があれば、経営に負担をかけずに労働者にとって快適な労働環境を作ることができるのか?」これを考えるのが、労務のプロフェッショナルである社会保険労務士の腕の見せどころです。
社会保険労務士は、こういった仕事を通して企業の経営に間接的に貢献できるため、企業経営に興味がある人はとくにやりがいを感じられる職業だといえるでしょう。
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社会保険労務士に必要なスキル・能力
専門知識の習得と勉強の継続が不可欠
社会保険労務士にとってまず必要な知識は、実務を進めるうえで必須となる「保険や年金、労務管理」などに関する専門知識です。
これらは国家試験をパスするために学ぶことでもあり、資格を取得することで「社会保険労務士としての最低限の知識を備えていること」を証明することができます。
しかし、保険や労務分野の法律は毎年のように法改正が起こっており、新しい情報が次々と生まれてくる状況です。
それらを確実にキャッチアップしていかなければ、間違った情報をもとに顧客へアドバイスしてしまう可能性が高まります。
このように、社会保険労務士は国家試験合格後も関連書籍を読んで勉強したり、セミナーや講演会に参加して専門知識をたくわえるなどの自主的な努力が欠かせません。
事務処理能力とコミュニケーション能力
社会保険労務士は顧客から依頼を請けて、労務や保険関連の書類作成や手続き代行業務などを担当します。
パソコンでの作業が中心となるため、書類作成ソフトを問題なく扱えるなどの基本的な事務処理能力が必要な仕事でしょう。
また、企業や個人を相手に相談業務をおこなう際には、まずは相手の話をしっかりと受け止める力や、労務や保険に関する専門的な内容をわかりやすく説明する力も求められます。
このように「事務処理能力」に加えて「コミュニケーション能力」を身につけることで、社会保険労務士としての活躍の場をさらに広げることができるでしょう。
独立開業する場合は営業力も必要
社会保険労務士のなかには、国家資格を生かして独立開業する人もいます。
会社や事務所に所属するのとは異なり、独立となれば個人で仕事をとってこなくてはなりません。
そのため、独立開業する社会保険労務士には「営業力」が必要不可欠です。
どれだけ社会保険労務士として高い専門知識を有していても、自分自身を世の中に認めてもらい仕事を依頼してもらえるような存在にできなければ、収入はまったく入ってこない状況になってしまうでしょう。
「独立後の新規顧客をどう開拓していくか?」については、独立開業に踏み切る前にしっかりと対策をしておくべき重要なテーマです。
社会保険労務士に向いていないのはどんな人?
社会保険労務士が仕事で関わるものは「年金、社会保険、人事労務」など、個人や会社にとって非常に重要度の高い分野を取り扱うことになります。
さらに、それらは法律によってルールが定められている内容でもあるため、小さなミスが後々大きなトラブルにつながってしまうことも考えられるでしょう。
細かい数字を追ったり、書類内容のチェック作業なども念入りにおこなう必要があるため、「おおざっぱな性格」の人には辛い仕事だといえます。
また、「社会保険労務士の資格さえ取れれば安泰」と考えている人も注意が必要です。
公務員試験などとは違って「試験合格すれば就職できる」といったものではないため、資格を取得した後のことも十分に考えてから試験対策に動き出すのがよいでしょう。