精神保健福祉士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

精神保健福祉士の業務スケジュール

精神保健福祉士には、医療施設や福祉施設、行政機関など、さまざまな勤務先がありますが、どこの職場であっても、業務内容が非常に多岐にわたるという点は共通しています。

このため、朝8時~9時頃に出勤するところまでは毎日同じですが、その後のスケジュールは日によってばらばらであることが多いようです。

施設利用者からの面談に応じたり、スタッフ間の打ち合わせを行ったりと、内勤のみで1日を過ごすこともあれば、利用者の自宅や関係する施設をまわるなど、外出だけで1日が終わることもあります。

精神保健福祉士は、多様な人を相手に、多様な場所で、多様な仕事をこなすことが求められますので、臨機応変な姿勢や手際の良さ、スケジュール管理能力などが重要になるでしょう。

なお、ほとんどの職場は日勤ですが、グループホームや訓練施設など、障がい者の生活全般をサポートする宿泊形式の施設では、夜勤を含むシフト制となるケースもあります。

精神病院で働く精神保健福祉士の1日

ある程度の規模をもつ精神病院では、入院病棟担当、外来担当、デイケア担当といったように、精神保健福祉士ごとに役割分担がなされており、担当業務によって1日のスケジュールも異なります。

デイケア担当を例にあげると、基本的に日中は施設利用者とともにプログラムを行って、利用者とのコミュニケーションを図りながら、治療に役立てるための情報収集を行います。

ただし、日によっては、患者や家族と個別に面談を実施したり、患者の外出を支援したり、支援プログラムを企画したりすることもあります。

長時間の残業が求められるケースはあまりなく、ほぼ定時で仕事が終わる日も珍しくありませんが、業務後にはスタッフ全体でカンファレンスや勉強会が実施されることもあり、すぐに帰宅できない日もあります。

8:30 出勤
スケジュールを確認し、ほかのスタッフを交えたミーティングに出席します。
9:30 利用者出迎え
デイケア利用する障がい者を出迎え、服装や態度を観察したり、一緒に体操したりします。
10:00 プログラム参加
利用者やスタッフとともに、次週実施予定の野外活動について意見を交換します。
12:00 昼食休憩
スタッフルームにおいて持参した弁当を食べます。
13:00 プログラム準備
午後からのプログラムに使用するトランプやオセロなどのゲーム機材を机に並べます。
13:30 プログラム参加
利用者とともにゲームを行いつつ、会話のなかから各人の性格や心理状態の把握に努めます。
15:30 デスクワーク
利用者の活動記録を作成し、翌日以降のプログラム内容を検討します。
17:30 勉強会
スタッフ全員が参加する勉強会に出席した後、帰宅します。

精神保健福祉センターで働く精神保健福祉士の1日

精神保健福祉センターとは、地方自治体が運営する行政施設の一種であり、精神障がい者の自立支援や社会復帰のためのさまざまな行政サービスを提供しています。

精神保健福祉センターで働く精神保健福祉士は、精神障がいに関する相談対応がおもな仕事であり、電話で悩みを聞くこともあれば、来訪者から直接話を聞くこともあり、また相談者の自宅に伺うこともあります。

センターに勤務する場合は、施設の開館・閉館時間に合わせた日中の勤務となりますが、付随する自立訓練施設などに勤める場合は、宿泊者に対応するため、夜勤を含むシフト制で働くケースもあります。

8:30 出勤
センター全体でミーティングを行い、情報共有を図ります。
9:00 来訪者対応
精神に障がいを抱える人とその両親と面談し、医療機関や入院費用についてアドバイスします。
10:00 短期入所施設訪問
グループ施設である短期入所施設(ショートステイ)を訪れ、利用者の状況を確認します。
12:00 昼食休憩
施設内の職員食堂で昼食を取ります。
13:00 講演会対応
市民会館に移動し、メンタルヘルスに関する講演会の裏方作業を手伝います。
15:30 デスクワーク
保健所職員に対する精神保健福祉の研修資料を作成します。
17:30 退勤
業務の進捗状況によっては残業することもあります。

精神保健福祉士の勤務時間・休日

精神保健福祉士の勤務時間

精神福祉士の代表的な職場である精神病院などの医療施設、福祉施設や行政施設でも、患者や施設利用者からの相談対応がおもな仕事になるため、日中の勤務が基本となります。

公的機関に勤める場合は、地方公務員としての勤務体系が適用されるため、日々の勤務リズムはかなり固定的です。

ただし、行政施設のなかでも、短期入所事業(ショートステイ)や宿泊形式の自立訓練を行う施設に勤める場合は、夜勤を含むシフト制の勤務体系となるケースもあります。

同じように、民間のグループホームなどでも、夜間の緊急時に対応できるようにするため、交代で宿直業務が発生する場合があるでしょう。

精神保健福祉士の休日

精神保健福祉士の休日は、職場によって事情が異なります。

精神病院などでは、外来を受け付けていない土日祝日でも、入院患者やその家族からの相談に対応する必要があることから、シフト制で働くケースが一般的です。

一方、同じ医療施設のなかでも、精神科クリニックなど外来患者のみに対応する職場では、水曜日と日曜日といったように、勤務先の定休日に合わせて毎週固定の休みとなります。

福祉施設や行政施設では、公務員に準じて基本的には土日が休みの完全週休2日制となりますが、市民に向けた保健福祉関係のイベントを企画運営するために、土日に出勤することも少なくありません。

精神保健福祉士の残業時間

精神保健福祉士は、勤務先によって多少の差はあるものの、総じて残業の少ない職業といえます。

とくに公的機関に勤める場合は、施設の営業時間があらかじめ定まっているため、残務処理さえスムーズに終えられれば、ほぼ毎日定時で帰宅することも可能です。

病院などの医療施設で働く場合でも、医師看護師などの医療職とは違って、緊急にこなさなければならない仕事が発生するケースは少なく、残業時間はかさみにくいといえます。

ただし、施設規模に対してスタッフ数が少ない職場の場合、根本的に人手が足りていないために一人あたりの仕事量が多くなり、残業しないと仕事がまわらないというケースも散見されます。

就職先を選ぶ際には、できれば事前に施設を見学し、勤務実態や職場の雰囲気などについてスタッフからヒアリングしておいたほうがいいかもしれません。

精神保健福祉士は忙しい? 激務?

精神保健福祉士は、一般にそこまで忙しい職業とはいえませんが、職場の事情はさまざまですから激務と感じることもあるでしょう。

たとえば病院の場合、スタッフ同士のチームワークが悪い職場は、患者の転院や家族への連絡といった情報伝達がうまくいかないために、急な仕事に振り回されるケースがあります。

また、精神保健福祉士の仕事に対する理解が浅い職場も要注意であり、本来の業務に関係のない経費処理などの雑用を押し付けられて、仕事が積みあがるケースもあります。

明らかに自分に非がないのに激務に追われ続けるという場合は、職場を移ることを検討するべきかもしれません。

精神保健福祉士の休日の過ごし方

精神保健福祉士の休日は、ゆっくり家族や友人と過ごしたり、レジャーに出かけて気分転換することもある一方、自己啓発や仕事の準備にあてるケースも少なくありません。

関連する福祉系資格の勉強をしたり、担当する患者の訓練プログラムを考えたり、障がい者に関する地域の集まりに参加したりと、仕事に関連したことで休日を過ごす人が目立ちます。

精神保健福祉士になる人は、もとから社会福祉に関心が高いため、プライベートの時間も仕事に役立つ活動をしていることもあります。