精神保健福祉士のやりがい・楽しさ・魅力
精神保健福祉士のやりがい・楽しさ
社会的意義の大きさ
精神障がいという問題は非常に大きく、また社会からの偏見も、残念ながらまだ完全になくなっているとはいい難い部分もあります。
障がいをもつ本人やその家族は、生活の問題や経済的な問題、学業や就労の問題、将来の問題など、さまざまな不安や悩みを抱えて、あらゆる面での手助けを必要としています。
精神保健福祉士は、医療や福祉に関する専門知識を駆使して、そうした困難な状況に直面している人の支えになることが役割であり、その業務には非常に大きな社会的意義があります。
一筋縄でいくような簡単な仕事ではありませんが、本人や家族が抱える問題が深刻であるだけに、それらを無事に解決できたときには、心からの「ありがとう」という感謝の言葉がもらえるでしょう。
また、それぞれの患者や家族と深く付き合っていくなかで、ときに仕事を超えた人間関係が生まれることもあり、そうした人と人との「つながり」が、精神保健福祉士にとっての大きなやりがいとなっています。
患者とともに前進していく喜び
一般的に、精神障がいの回復スピードは非常に緩慢であり、少し症状が改善したかと思えば、翌日にはまた悪化していることもしばしばあります。
精神障がい者を支援する精神保健福祉士にも、忍耐力をもって、粘り強く解決に向けて取り組んでいく姿勢が求められますが、そうした日々のなかで患者の成長を感じられる瞬間もあります。
「引きこもり状態だった患者が、自分の意思を示せるようになった」「表情のなかった患者が笑うようになった」など、ほんのわずかでも患者の成長を目の当たりにすると、大きな喜びが感じられるようです。
また、患者がどうにかして障がいを克服しようと懸命に努力する姿から何かを感じ取り、自分自身も人として患者とともに成長していける点は、精神保健福祉士ならではのやりがいといえるでしょう。
精神保健福祉士の魅力
活躍の場が幅広い
精神保健福祉士の就職先は、精神病院などの医療施設をはじめ、福祉施設や行政施設、高齢者施設、司法施設など数多くの選択肢があります。
さらに近年では、小学校や中学校などの教育機関や一般企業に勤め、障がいをもたない人のメンタルヘルスケアを手掛けるケースも増えつつあります。
精神保健福祉士の魅力は活躍できるフィールドが幅広いことであり、小さな子どもからお年寄りまで、さまざまな人の役に立てる仕事です。
また、各都道府県が運営する精神障がい者向け施設は、必ず精神保健福祉士を配置することが法律で定められているため、全国どこでも働ける点も、精神保健福祉士ならではの大きなメリットです。
就職先が多いことから、家庭の事情など、なんらかの理由でいったん職場を辞めざるを得なくなっても、また再就職先をみつけやすいでしょう。
多彩な人生を学ぶことができる
精神保健福祉士が受ける相談内容は、家庭生活から金銭的なことまで、かなりつっこんだプライベートなところまで及びます。
解決に向けて何度となく面談を重ねていくなかで、精神保健福祉士は、それぞれの個人や家族が歩んできた「人生」を垣間見ることになるでしょう。
もちろん明るい話や楽しい話ばかりではなく、ときに人の心の闇を覗くようなドロドロした話を聞くこともあるかもしれません。
しかし、それぞれが歩んできた道のりや環境はさまざまですので、どんな内容であっても非常に興味深く、また学ぶことも多いはずです。
他人への関心が強く、他人がどんな人生を歩んでいるのか知りたい人にとっては、精神保健福祉士はうってつけの職業といえるでしょう。