高卒で精神保健福祉士になるには
高卒で精神保健福祉士になるには
精神保健福祉士になるには、国家試験に合格して精神保健福祉士資格を取得しなければなりません。
この国家試験は誰でも受けられるわけではなく、全部で11通りあるいずれかの受験資格を満たす必要があります。
そのほとんどは、「大卒」または「短大卒」の学歴が求められますが、なかには、学歴が関係ないルートも存在しています。
つまり、制度上は、高卒からでも精神保健福祉士になることは可能です。
ただ、高卒から目指す道はほかのルートよりも険しく、また時間も余分にかかります。
このため、高卒から精神保健福祉士になる場合、そのままの学歴で目指したほうがいいのか、それとも大学に入り直したほうがいいのかは意見の分かれるところです。
以下では、2つのルートを比較しながら紹介しますので、自身に最適だと思うほうを選択してください。
受験資格を得るためのルート
高卒の学歴のまま資格取得を目指す場合
大学や短大に進学せずに受験資格を得るには、厚生労働省の指定する施設において、相談援助実務を4年以上こなした後に、一般養成施設で1年以上学ぶことが必要です。
ここでいう指定施設には、精神病院、精神科・心療内科のある総合病院、クリニックといった医療施設や、保健所、保健センター、精神福祉保健センターといった行政施設などがあります。
まずは、これらの施設に就職し、施設利用者からの生活相談などに応じる業務補助スタッフとして働きます。
実務経験を積んだ後には、精神保健福祉士の一般養成施設に入学し、精神医学や福祉行政についての知識を身につけます。
学校によっては、1年ではなく1年半~2年ほどのカリキュラムが組まれていることもあります。
養成施設において所定の単位を修得して卒業すると、精神保健福祉士国家試験の受験資格が得られます。
このルートの場合、仮に国家試験に1発合格するとしても、資格取得までに最短で5年かかる計算になります。
大学に進学する場合
保健福祉系の4年制大学に進学する場合、在学中に精神保健福祉士に必要な精神障がいなどの専門知識を学べる「指定科目」さえ履修しておけば、卒業と同時に国家試験の受験資格が得られます。
実務経験を積んだり、養成施設に通ったりと、複数のステップを経なければならない上記ルートと比較すると、非常にシンプルといえますし、受験資格を得るまでにかかる期間も1年短くてすみます。
大卒の学歴も得ることができますので、高卒と比べると、就職の際の選択肢も拡がりやすいでしょう。
ただ、経済的な事情や家庭の都合などで、大学に通学することが難しい人もいるかもしれません。
また、人によっては、「今さら若い人にまじって大学に通うなんて…」と抵抗を覚えるケースもあるかもしれません。
そのような場合は、通信課程や夜間課程のコースがある福祉系大学を検討してみることをおすすめします。
一般的な大学と比べて学費を抑えることができますし、また通信コースや夜間コースであれば、仕事との両立も図りやすいでしょう。