マーチャンダイザーの1日のスケジュールと働き方
本社勤務で土日休みが基本ですが、繁忙期には残業や出張も。
この記事では、MDの典型的な1日のスケジュール、勤務時間、リモートワークの実態、繁忙期と閑散期の違いまで、働き方のリアルを徹底解説します。
- MDの勤務時間は9時半~18時が一般的で、フレックス制導入企業も増加中
- 繁忙期(シーズン立ち上げ前)は残業増、閑散期は定時退社しやすい
- 土日休みの週休2日制を採用している企業が一般的、販売職より生活リズムが安定
- 年間スケジュールは春夏・秋冬の2シーズンで回る
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マーチャンダイザーの基本的な働き方
マーチャンダイザーは本社勤務の日中業務が中心で、土日休みの企業が多いです。
販売職とは異なり、深夜勤務やシフト制ではない企業も多く、一般的なオフィスワーカーに近い働き方になるケースが目立ちます。
ただし、展示会対応や店舗視察で外出が多く、繁忙期には残業や休日出勤もあります。
勤務時間・休日の傾向
マーチャンダイザーの勤務時間は、勤務先の企業によって異なりますが、一般的には9時半~18時、または10時~18時半くらいです。
実働7.5時間~8時間程度で、アパレル業界では朝は多少ゆっくりめにスタートする企業が多いようです。
フレックスタイム制を取り入れている企業もあり、1日のうち指定された5時間程度出勤していれば、出社や退社の時間を各自で業務の進捗状況を見ながら自由に決められる場合もあります。
休日は土・日曜日が休みの週休2日制であることが多く、平日に働いて週末に休むというスタイルです。
ただし、展示会や店舗視察などで週末に出勤した場合は、平日に振替休日を取得します。
リモートワークの実態
コロナ後、リモートワークを導入する企業が増えました。
ただし、MDの業務は店舗視察や部署間の会議も多いため、完全リモートは難しく、週2-3日在宅勤務のハイブリッド型が一般的です。
データ分析や資料作成はリモートでも対応できますが、サンプル確認や企画会議、店舗巡回などは出社が必要になります。
企業によっては、繁忙期は原則出社、閑散期はリモート可といった柔軟な運用をしているところもあります。
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マーチャンダイザーの1日のスケジュール例
ここでは、アパレルメーカーに勤めるマーチャンダイザーの典型的な1日のスケジュールを紹介します。
会社や担当ブランドによって多少の違いはありますが、おおむね以下のような流れになります。
【9:30】出社・メールチェック
朝はゆっくりめのスタートです。
デスクに着いたらまずメールチェックをします。
前日の販売実績データや店舗からの報告、生産担当からの進捗連絡などを確認します。
特に売上データは毎朝チェックし、計画との乖離がないか、売れ筋・死に筋商品はどれかを把握します。
【10:00】販売データ分析・資料作成
午前中はデスクワーク中心です。
前日の売上データを集計・分析し、週次レポートを作成します。
ExcelやPOSシステムを使って、商品ごとのSKU(最小管理単位)別に販売数・在庫を確認します。
売れ筋商品は追加生産を検討し、死に筋商品は値引き販売や他店への在庫移動を判断します。
データ分析はMDの仕事の核心部分で、この分析結果が商品戦略の意思決定に直結します。
【11:00】企画会議・部署間ミーティング
社内のデザイナー、営業、バイヤーたちと一緒に、先のシーズンで展開する商材についての会議を行います。
前シーズンの売上実績や市場トレンドの分析データを基に、次シーズンの商品ラインナップや販売戦略を検討します。
MDは他部署との調整業務が多く、デザイナーの企画を数字で評価し、営業の意見を商品計画に反映させるなど、ブランドの「ハブ」として機能します。
各部署の意見が異なることもあり、全員を納得させる調整力が求められます。
【12:00】昼休憩
ランチタイムです。
社内で食べる日もあれば、外に出て食べることもあります。
トレンドや流行をつかむためには、行き交う人々の様子や街の変化を観察することも大事です。
ランチを兼ねて、近隣の競合ブランドの店舗をチェックすることもあります。
【13:00】サンプル確認・生産管理との打ち合わせ
午後は、デザイナーが仕上げた次シーズンのデザイン画やサンプルを確認します。
デザインの方向性、素材、色展開、サイズ展開などをチェックし、必要に応じて修正指示を出します。
同時に生産管理担当者とサンプルを基に原価・生産コストの検討も行います。
原価計算をして、販売価格や利益率を算出し、生産数量の最終決定をします。
この段階での判断ミスは在庫過剰や機会損失につながるため、慎重な意思決定が求められます。
【14:00】店舗視察・競合リサーチ
定期的に自社の店舗を訪れて、商品の売れ行きや店舗動向のチェックを行います。
品揃えや陳列状況を確認し、店舗スタッフやお客さまの反応を直接観察します。
頻度は週1-2回程度で、複数の店舗を回ることもあります。
また、競合ブランドの店舗も視察し、他社で何がよく売れているのか、どんな価格帯・デザインが人気なのかなど、業界全体の動向をチェックします。
三陽商会エポカのMDインタビューでは、「店舗スタッフから『こういうパンツがあったらいいのに』という声を聞き、それを企画に反映させたところヒット商品になった」というエピソードが紹介されています。
MDは数字だけでなく、現場の生の声を商品企画に活かすことが重要です。
出典:Ready to Fashion | 三陽商会エポカMDインタビュー
店舗視察は、データでは見えない消費者の反応やトレンドの兆しをつかむ貴重な機会です。
【16:00】オフィスに戻り発注作業・在庫調整
店舗視察から戻ったら、追加生産の指示や店舗間の在庫移動指示を出します。
売れ筋商品は早めに追加発注をかけ、品切れによる機会損失を防ぎます。
逆に売れ行きが鈍い商品は値引き販売や他店への移動を検討します。
また、価格改定が必要な商品については、営業部門と調整します。
【17:00】翌日準備・メール返信
明日の会議資料の最終確認や、バイヤーや店舗への指示出しを行います。
デザイナーからの質問や生産管理からの連絡にも対応します。
MDは社内外の多くの関係者とやり取りするため、メール処理だけでも相当な時間がかかります。
【18:00】退勤
仕事が落ち着いている日は早めに帰ります。
ただし、繁忙期には残業もあります。
夕方以降に取引先との打ち合わせが入った日は、そのまま直帰することもあります。
繁忙期と閑散期のスケジュールの違い
MDの仕事は、シーズンによって忙しさが大きく変わります。
繁忙期と閑散期では、働き方や業務内容が異なります。
繁忙期(シーズン立ち上げ前・展示会シーズン)
繁忙期は主に2〜3月ごろと8〜9月ごろです。
この時期は新シーズンの展示会対応や商品企画の最終決定が重なり、残業が増えます。
土日出勤もあり、代休を取得することになります。
業務内容は、展示会での商品プレゼンテーション、バイヤーとの商談、新商品企画の詰め、生産数量の最終決定などです。
特に展示会シーズンは、デザイナー・生産管理・営業と連日会議が続き、土日や深夜まで資料作成をすることもあります。
アパレル業界では一時期、年間52週すべてで新商品を展開する「52週MD」という多頻度投入策が注目されました。
毎週新商品を投入することで顧客の来店頻度を高める狙いでしたが、商品企画・生産管理の負担が大きく、在庫リスクも高まるため、見直す企業も増えています。
現在は、シーズンごとの計画的な商品投入に回帰する動きが見られます。
繁忙期は体力的・精神的に大変ですが、自分が企画した商品が形になる瞬間でもあり、やりがいを感じる時期でもあります。
閑散期(シーズン中盤)
閑散期は主に5-6月、11-12月です。
この時期は、すでに店頭に商品が並び、販売が軌道に乗っている段階です。
業務内容はデータ分析中心で、売上管理や在庫調整、次シーズンの準備を進めます。
定時退社しやすく、計画的に休暇を取得することも可能です。
ただし、閑散期でも売上が計画を下回れば対策が必要で、値引き販売や販促施策の検討に追われることもあります。
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年間スケジュールの流れ
MDの年間スケジュールは、春夏シーズンと秋冬シーズンの2つで回ります。
各シーズンで展示会・販売・セール対応を繰り返します。
春夏シーズン(2〜7月ごろ)
2〜3月ごろは春夏商品の展示会シーズンです。
バイヤーや営業に向けて新商品をプレゼンし、受注を取ります。
4〜6月ごろは販売スタート期間で、店頭に商品が並びます。
売上データを毎日チェックし、売れ筋商品は追加生産、死に筋商品は値引き販売を検討します。
7月は夏のセール対応と秋冬シーズンの準備を並行して進めます。
在庫を売り切るための値引き施策を打ちつつ、秋冬商品の企画会議も始まります。
秋冬シーズン(8月〜翌年1月ごろ)
8〜9月ごろは秋冬商品の展示会シーズンです。
春夏と同様に、新商品のプレゼンと受注活動を行います。
10〜12月ごろは販売スタート期間で、特に年末商戦は売上の山場です。
クリスマスや年末年始に向けた販促施策を展開します。
1月は冬のセール対応と春夏シーズンの準備を並行して進めます。
年間を通じて、常に「今シーズンの販売」と「次シーズンの準備」の2つの業務が並行して走るのがMDの特徴です。
ワークライフバランスの実態
MDの働き方は、販売職と比較するとメリットも大変さもあります。
ここでは、ワークライフバランスの実態を見ていきます。
販売職と比較したメリット
MDは本社勤務の募集が多く、土日休み・深夜勤務なし・シフト制でない企業も多いため、販売職より生活リズムが安定しやすい傾向があります。
販売職からMDに転身した人から「生活リズムが改善した」「家族との時間が取れるようになった」との声が多数あります。
また、販売職は立ち仕事ですが、MDはデスクワーク中心のため、体力的な負担も少なめです。
ただし、店舗視察や展示会で外出も多く、完全なデスクワークではありません。
本社職ならではの大変さ
一方で、MDには本社職ならではの大変さもあります。
まず、数字のプレッシャーが大きいです。
売上目標や利益目標を達成できなければ、責任を問われます。
「発注ミスや在庫過多が会社の利益に直結し、精神的負担が大きい」との声も mがあります。
また、繁忙期の残業や土日出勤もあります。
展示会シーズンや新商品立ち上げ前は、深夜まで資料作成や会議が続くこともあります。
さらに、部署間の調整業務が多く、デザイナー・生産・営業・店舗など、各部署の意見が異なる中で全員を納得させる必要があります。
時には板挟みになることもあり、コミュニケーション能力と調整力が求められます。
小売店に勤めるMDの1日
ここまではアパレルメーカーのMDを紹介しましたが、小売店(セレクトショップや百貨店など)に勤めるMDの1日も少し異なります。
小売店のMDは、自社で製造せず、他社ブランドの商品を仕入れて販売するため、バイヤー的な要素が強くなります。
典型的な1日は以下のようになります。
9:00に始業し、午前中は会議の資料作成など、デスクワーク中心に業務を行います。
昼休憩後の13:00からは、売上を左右する店舗のビジュアルイメージ構成について検討します。
14:00にはミーティングがあり、売上向上を目指して、他のスタッフと新しいキャンペーン企画についての議論を行います。
15:30には担当の店舗を回り、商品の売れ行きやお客さまの動向を確認します。
18:00にオフィスに戻り、日報を作成して業務終了です。
小売店のMDは、店舗巡回の頻度が高く、バイヤーとの連携も密接です。
外出や出張も多い
マーチャンダイザーは、市場調査や商品企画、販売促進など多岐にわたる業務を抱えているため、多忙な日々を送ることになりがちです。
オフィスワークのみならず、店舗を訪れて売り場の状態やお客さまの様子を確認したり、バイヤーと一緒に展示会に足を運んで最新のアイテムをチェックしたりと、外出する時間も多くなります。
また、ときには仕入れ先や生産地を訪れるために海外出張を行うこともあります。
特にグローバル展開しているブランドのMDは、海外の工場視察や現地バイヤーとの商談で、年に数回海外出張することもあります。
残業時間は勤務先などによってもだいぶ異なりますが、出張などが入るときは、どうしても決められた勤務時間以外の時間帯に仕事をすることもあります。
まとめ
マーチャンダイザーの1日は、データ分析、企画会議、店舗視察、部署間調整と多岐にわたります。
本社勤務で土日休みが基本ですが、繁忙期には残業や出張もあります。
販売職と比較すると生活リズムは安定していますが、数字のプレッシャーや調整業務の多さなど、本社職ならではの大変さもあります。
それでも、自分が企画した商品が店頭に並び、売れていく喜びは大きく、多くのMDが「大変だけど面白い」と感じています。
MDを目指す方は、このような働き方のリアルを理解した上で、自分に合っているかを考えてみてください。



































