救急救命士のやりがい・楽しさ・魅力
救急救命士のやりがい・楽しさ
人の命を救うことができる
救急救命士にとってのやりがいは、何といっても傷病者の命を左右する現場に立つことでしょう。
人の命を助けるという現場では、他の仕事では到底あり得ない大きなプレッシャーを感じますが、全身全霊をかけて取り組むだけの価値があります。
救急救命士が向かう現場に、同じ現場は一つたりともありません。
毎回の出動が緊張感の連続であり、自分自身がものすごい恐怖と戦わなくてはならないこともあるでしょう。
しかし、本気で仕事と向き合っていけば、必ずやりがいは見えてきます。
生死の境をさまよう患者を自らの処置で助けることができたときは、何にもかえがたい達成感を味わうことになります。
ありがとうの一言がうれしい
救急隊員として活躍するなかで、自分が助けた傷病者の方やその家族からお礼のお手紙をもらうことがあります。
そこでかけてもらえる「本当にありがとう」、「あなたのおかげです」といった一声は、次の現場に向かう大きな力になります。
一命を取り留めた傷病者は、病院側にとっては毎日たくさん運ばれてくる患者の一人だとしても、それぞれ家族や恋人など大切な人がいて、一人ひとりがかけがえのない存在です。
だからこそ、事故や病気の発生現場に一番近いところで救命活動をおこなう救急救命士は、傷病者本人だけでなく、その身近な人たちからも感謝されることが多いです。
誰にでもできることではない、大きな誇りを味わえる仕事。
それが、救急救命士です。
救急救命士の魅力
社会から必要とされ続ける仕事
医療業界は常にさまざまな問題を抱えていますが、近年、とりわけ注目されているのは救急救命士の「特定行為」についての問題です。
救急救命士は、医師や看護師とは異なる医療知識・医療技能を身につけて仕事をしますが、医療機関でおこなうような根本的な治療、手術などは基本的にできません。
傷病者に応急処置を施し、適切な医療機関まで速やかに運搬することが、救急救命士の基本的な役目です。
しかし、心肺停止状態の傷病者はまさに一刻を争う状況であるため、命を助ける可能性を少しでも高めるために、医師の指示を仰いだうえで応急処置以上の医療行為をもっと認めるべきだ、という意見が近年とくに目立ちます。
実際に、時代が進むにつれて救急救命士の特定行為の範囲は広がりを見せており、それだけ救急救命士に対する社会的な期待の高さがうかがえるものとなっています。
医療問題の最前線に立つ救急救命士の責務は非常に重いものですが、それだけのやりがいがあることは間違いないでしょう。
公務員として働ける
ほとんどの救急救命士は、消防官として消防署で働く地方公務員です。
救急救命士として消防署に勤務するには、救急救命士の国家資格を取得した後、地方自治体が実施する消防官採用試験に合格する必要があります。
自治体や採用区分によっては20〜30倍もの倍率になることもありますが、無事に採用されると地方公務員の身分が得られます。
公務員になると、民間の企業よりも安定して働き続けることができ、待遇も期待できるため、そういった点に魅力を感じる人もいるでしょう。