国会議員に定年はある? 年金はもらえる?
国会議員に定年はない
国会議員の定年
自民党の場合、昭和58年以降、参院選比例代表候補の条件を内規で「任期満了日に原則として満70歳未満」としています。
しかし「総裁が国家的有為な人材と認めた者」「支持団体が余人をもって替えがたい候補者と決定し総裁がこれを認めた者」へは特例を認めており2019年には内規で定めた「定年」を超える現職議員を7人も公認し物議をかもしました。
定年制が形骸化しているとの声がある一方、日本人の平均寿命が伸び「人生100年時代」と言われるようになった昨今、国会議員の定年に対する議論がされるようになっています。
選挙のしくみの変化
参院の比例代表選挙は、これまでの拘束名簿式が廃止され、非拘束名簿式となりました。
拘束名簿式は候補者の当選順位をあらかじめ各党が決め、有権者が政党名で投票するしくみです。
そのため党内での影響力がある人を名簿上位にしようとするベテランが出る危険性があり、制度上、定年制は有効でした。
一方、非拘束名簿式は有権者が候補者名か政党名のいずれかを記して投票し、個人票の多い順に当選が決まるしくみです。
各党に割り当てられる当選人の数は、候補者個人の得票と政党名の得票の合算である総得票数に基づき、年齢に関係なく多くの票を獲得し、党全体の当選者数に貢献できる候補を公認できるようになりました。
高齢化による環境の変化
自民党が定年を定めた昭和58年は、平均寿命は男性74歳、女性79歳でした。
それが平成30年には男性81歳、女性は87歳まで伸びました。
それに伴い、民間企業の定年も伸びており、定年を撤廃するところもふえてきており、その分国会議員の定年も伸ばしてもよいという意見もあります。
また日本老年学会などが、高齢者を65歳から75歳に引き上げるように提言していることも追い風になっているといえるでしょう。
海外の場合
諸外国を見ると、国会議員に年齢制限を設けないところがほとんどです。
70歳で初当選したトランプ大統領をはじめ、高齢であることは必ずしもハンデであるとはいえなくなってきています。
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国会議員の年金
かつては国会議員互助年金という制度があり、多額の年金を手にすることができました。
国会議員互助年金は在職10年以上の国会議員に給付されていました。
国会議員が納付する保険料は年約126万円と高額でしたが、国会議員年金は支払い期間が3年以上10年未満の場合8割が戻ってくる計算で、年約412万円もらえていたことから他の公的年金に比べて優遇されすぎていると批判が高まっていました。
そのため2006年に廃止法が成立し、現在では国民年金以外に特別な年金はありません。
ただし、近年は議員のなり手がいない、地方議員に対する待遇が悪いと、議員年金制度を復活させようという動きもあります。
国の財政状況がひっ迫している中、こうした動きは非常に批判を受けていますが、今後の動きが注目されています。