国会議員の秘書とは
議員活動のサポート役
議員秘書の仕事は、政治活動にかかわる業務から、身のまわりの雑用までさまざまです。
たとえば政治資金を集めるためのパーティーや、後援会のイベントの企画や準備、議員の代理で、会議や行事に出席するなど、その活動は多岐にわたります。
選挙時には選挙応援のために駆け回りますし、ホームページなどの広報活動や、車の運転まで、議員を補佐するための大小さまざまな業務があります。
東京の秘書は、議員のスケジュール管理や各種資料の調達など、国会の動きに合わせた仕事が多いようです。
地元の秘書は、基本的に解散総選挙を視野に入れ、後援会活動に力を入れている側面があります。
このように議員活動を疑似体験できる部分が多いため、秘書として経験を積んでから国会議員職に就くケースは少なくありません。
将来国会議員になるために、まず議員秘書を務め政治の世界に足を踏み入れるという人も多いようです。
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議員秘書の仕事内容
公設秘書と私設秘書
議員秘書には公設秘書と私設秘書の2種類があります。
公設秘書は、特別職の国家公務員という立場になるため、給料などは法律で決められています。
一般に年収は高めで、もっとも低い秘書で500万円余り、もっとも高い秘書になると1000万円を超えます。
一方、私設秘書の年収は低めといわれます。
私設秘書は議員のポケットマネーで雇うため、個々の秘書の年収にはかなりの開きがあるようで、約300万円~400万円という人もいるようです。
所属事務所による働き方、待遇の違い
さらに働く場所によっても、議員秘書の暮らしぶりが大きく変わってきます。
通常、議員は東京・永田町の議員会館内と、自らの地元にそれぞれ議員事務所を置きます。議員秘書はどちらかの事務所に所属して働きます。
一般に、週末は閉館する議員会館内事務所の秘書は休みが取りやすいのですが、地元事務所の秘書は、平日には議員の代わりに支援者たちのあいさつ回りを行い、週末は東京から地元に戻ってくる議員に随行するなどほとんど休みなしといいます。
ただし地元との太い人脈を築けるため、いよいよ秘書から国会議員に転身する時は、地元の応援を得やすいというメリットがあるようです。
議員秘書になるには
特別な資格は必要なし
公設秘書は、一人の議員につき3名まで置けますが、その中でも、第一公設秘書と、第二公設秘書になるための条件はありません。
もう一人の政策担当秘書だけは、資格や要件が決められていますが、基本的には議員に認められて雇用されればよいということになります。
私設秘書の場合は人数制限もないので、議員によって雇用する秘書数もそれぞれです。
一般的に議員秘書には信用が求められるため、実際に多いのは縁故による採用です。
唯一、採用に条件のある政策担当秘書になるためには、毎年おこなわれる「政策担当秘書資格試験」という国家試験に合格しなくてはなりません。
または公設秘書として10年以上つとめるなど、一定の条件を満たした上で研修を修了する方法もあります。
実際、試験に合格して政策担当秘書になっている人はわずか1割といわれ、ほとんどが公設秘書を経て政策担当秘書になっているようです。