気象予報士の需要・現状と将来性
気象予報士の現状
気象予報士は国家資格ですが、不況の影響もあり「資格を持っていれば就職できる」という風潮はほとんどありません。
気象予報士資格が制定された90年台半ばは、医師・弁護士・公認会計士などに比肩する安定感のある資格であるといわれていましたが、現在では求人数が少ないことから資格取得者も減少を続けています。
資格を取得したけれども就職できないということも少なくないため、資格を取得する際はしっかりと自分の進路を定めておく必要があるでしょう。
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気象予報士の需要
近年はスマートフォンの普及もあり、特定地域のピンポイント予報に対するニーズが強くなっています。
特にリアルタイムで精度の高い予報が求められるようになってきており、特に民間の気象会社では優秀な気象予報士を求めています。
また、AIの発達により「ビッグデータ」と呼ばれる大量のデータを分析し、気象データをマーケティングや農作物の生産などに利用する企業も増えてきています。
ただ気象を予測するだけの仕事でなく、こうした一般企業や産業に関わる分野で活躍する気象予報士のニーズは今後増えていくと予想されます。
気象予報士の将来性
気象予報士として長く働くためには、他の気象予報士と明確な差をつけることが必要です。
気象予報士は非常に専門的な資格ではありますが、毎年合格者が増えていくため、資格習得者の数は年々増加します。
また気象予報士であるというだけで企業が雇ってくれるということは少ないため、他の気象予報士にはないプラスαの資格や能力が必要でしょう。
たとえば、英語が堪能であれば海外の気象会社で働くチャンスも生まれますし、国内企業でも気象予測以外の実務が可能になれば、商社などに就職の可能性も広がるでしょう。
各企業や研究所などでどんな実務を行なっているのか、こんな能力がプラスαであれば、企業側としても雇いやすいのではないか、といった企業側の視点で考えることが大切です。
自分は気象予報士として何ができるのか、企業はどんな能力を求めているのかをじっくり考えましょう。
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気象予報士の今後の活躍の場
気象データの分析・システム開発
気象予報は年々進化し精度が増しているため、新たな予報システムやアプリの開発に関わるなどIT分野で活躍する気象予報士も増えてくるでしょう。
AIの発達もありますが、そこにデータを入力したり解析した結果を精査したりするのは人間でなくてはできないため、気象予報士の仕事がなくなることはないと考えられます。
災害・防災分野
近年は台風やゲリラ豪雨、地震などにより多くの被害が出ています。
こうしたなか地方自治体には気象予報士を配置し、自然災害や防災の専門職員として雇用するところも増えてきています。
市民の防災意識の高まりとともに、今後はこうした働き方が増えてくることでしょう。
個性を生かした伝え方
近年はスマートフォンが普及し、テレビやラジオよりもスマートフォンのアプリで天気予報を確認する人が増えています。
そのためメディアで活躍する気象予報士は、より個性を出して視聴者を惹き付けることが求められます。
いくら正確な予報をしたとしても、視聴者に伝わらなくては意味がありません。
話し方を工夫する、フリップやイラストを使用する、独自の解説を加えるなど、気象予報士本人の個性が求められていくでしょう。