健康運動指導士になるには? 必要な資格は?
健康運動指導士になるまでの道のり
健康運動指導士として働くためには、まず「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する健康運動指導士の資格を取得する必要があります。
健康運動指導士の資格は、「健康運動指導士認定試験」に合格することで取得することが可能です。
ただし、この認定試験は受験資格があり、それを得るための方法として以下の2通りが挙げられます。
- 健康運動指導士養成講習会を受講する
- 健康運動指導士養成校で学ぶ
上記いずれかの道をたどったのち、認定試験を受けて合格となれば「健康運動士」として同財団に登録し、称号を得ることができます。
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健康運動指導士の資格・難易度
健康運動指導養成講習会は、健康運動指導士の養成を目的として開催されるものであり、主に以下のような受講資格があります。
- 保健師又は管理栄養士の資格を有している者
- 4年制体育系大学(教育学部体育系学科を含む)の卒業者(卒業見込者を含む)
- 歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師いずれかの資格を有している者であって、大学(修業年数4年以上)卒業者
- 健康運動実践指導者の称号を有する者
これらの受講資格のどれに当てはまるかによって、受講コース(必要単位数)が異なるため注意が必要です。
上記のいずれかの方法で認定試験の受験資格を得たら、健康運動指導士認定試験への合格を目指します。
この試験は「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が実施しているもので、運動生理学や健康づくり、生活習慣病、栄養などに関する専門知識が問われます。
なお、養成講習会の受講者の場合、受講したコースによって試験区分(試験内容)にも違いがあります。
認定試験に合格すること、健康運動指導士の登録資格が与えられ、健康運動指導士として登録することで称号を得られます。
登録は5年間有効となっており、所定の講習会を受講し、更新登録手数料を支払うことで更新が可能です。
健康運動指導士養成講習会を受講する
健康運動指導士養成講習会とは、健康運動指導士の養成を目的として開催される講習会です。
受講資格が複数に分かれており、それによって受講が必要となる科目が異なります。
主な受講資格は以下の通りです。
- 保健師又は管理栄養士の資格を有している者
- 4年制体育系大学(教育学部体育系学科を含む)の卒業者(卒業見込者を含む)
- 歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師いずれかの資格を有している者であって、大学(修業年数4年以上)卒業者
- 健康運動実践指導者の称号を有する者
講習会で所定の単位を修得すると、認定試験を受けることができます。
健康運動指導士養成校で学ぶ
健康運動指導士養成校とは、健康運動指導士を養成するカリキュラムを備えた学校(主に大学)のことをいいます。
体育大学あるいは健康系学部・学科など、養成校として認定されている学校は全国各地に存在します。
健康運動指導士の合格率
第144回健康運動指導士認定試験結果(令和2年5月20日~6月30日実施)は以下の通りです。
養成講習会
<104単位コース受講者>
受験者数:6人
合格者数:6人
合格率:100%
<70単位コース受講者>
受験者数:51人
合格者数:50人
合格率:98.0%
<51単位コース受講者>
受験者数:36人
合格者数:27人
合格率:75.0%
<40単位コース受講者>
受験者数:100人
合格者数:82人
合格率:82.0%
健康運動指導士養成校養成講座修了者
受験者数:51人
合格者数:32人
合格率:62.7%
再受験者
受験者数:80人
合格者数:38人
合格率:47.5%
総計
受験者数:324人
合格者数:235人
合格率:72.5%
近年の健康運動指導士認定試験の合格率は、全体で見ると60~70%前後を推移しているようです。
一見、そこまで低くないようにも見えるかもしれませんが、この試験は非常に出題範囲が広いため、学ぶべきことが多いのが特徴のひとつです。
講習会を受講する場合、試験問題もその内容に即したものですが、医学や運動生理学など専門知識が問われるものとなっています。
時間を作ってコツコツと復習をしたり問題集を解いたりといった努力が必要になるでしょう。
試験の詳細は下記よりご確認ください。
参考:公益社団法人 健康・体力づくり事業財団
健康運動指導士になるための学校の種類
健康運動指導士養成校で学ぶ
健康運動指導士認定試験を受けるためには、養成講習会を受講するほかに、健康運動指導士養成校に認定されている学校で養成講座を修了するルートもあります。
健康運動指導士養成校とは、健康運動指導士を養成するカリキュラムを備えた学校(主に大学)のことです。
主に体育大学、あるいは健康系学部・学科などで、養成校として認定されている学校は全国各地に存在します。
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 健康運動指導士養成校一覧
身体や栄養まで幅広く学ぶ
健康運動指導士になるためには、運動そのものだけでなく、身体や栄養など幅広い専門知識を身に付ける必要があります。
また、得た専門知識を生かして対象者に適切な運動プログラムを提供したり、実際に指導したりするための能力も高めていかなくてはなりません。
たとえば、養成講習会において健康運動指導士が学ぶ内容は、以下のようなものがあります。
健康管理概念、健康づくり施策概論
健康の概念や制度、生活習慣病概論と特定健診・保健指導介護予防概論、健康運動指導士の社会的な役割、健康にまつわる社会環境の整備など、健康運動指導士として知っておくべき基礎的な内容
運動プログラムの実際
運動プログラム作成の基本、メディカルチェックの重要性、服薬者の運動プログラム作成上の注意、生活習慣病に対する運動療法プログラム作成実習など
運動生理学
呼吸器系、循環器系、脳・神経系、骨格筋系、内分泌系と運動の関わり、運動と免疫能、環境と運動
健康づくり運動の理論
筋パワーと筋持久力を高めるための運動条件とその効果、全身持久力を高めるための有酸素性運動、女性の体力・運動能力の特徴と運動、加齢に伴う体力の低下と運動など
体力測定と評価
体力と運動能力の測定法、高齢者の体力測定法(全身持久力)、介護予防に関する体力測定法とその評価、身体組成の測定など
健康づくり運動の実際
ウォームアップとクールダウン、ストレッチングと柔軟体操の実際、ウォーキングとジョギング、エアロビックダンス、水泳・水中運動など
救急処置
救急蘇生法、外科的応急処置
栄養摂取と運動
食生活と健康運動、消化と吸収の機構、栄養素の機能と代謝
講義と実習の2本立て
このようなこと以外にも、養成講習会で学ぶことはいくつかあります。
また、カリキュラムは科目によって「講義」と「実習」の2本立てで構成されており、ただ知識を習得するだけでなく、現場で実践できることを目的としています。
健康運動指導士認定試験は、養成講習会のカリキュラムに沿った内容となっており、出題範囲が広いため、日々こつこつとした勉強が欠かせません。
20代で正社員への就職・転職
健康運動指導士のキャリアプラン・キャリアパス
健康運動指導士の称号を得たら、それを生かして就職先を見つけることになります。
主な活躍の場は、病院などの医療機関や介護施設、健康増進施設、民間のフィットネスクラブやスポーツクラブです。
最近では、個人に最適な運動プログラムを提供する施設が増えており、健康運動指導士が求められる場所も広がりを見せています。
女性の健康運動指導士
女性の強みが生かせる場面も
一般的に健康運動指導士というと、男性をイメージする人も多いかもしれません。
しかし、実際は女性でも男性と同じように働ける仕事ですし、女性だからこその強みを生かして活躍できる場面もたくさんあります。
そもそも、「運動指導を受けたい」「健康づくりをしたい」と考える人は、男性も女性も同じで、女性の対象者に向けて運動プログラムを作成し、運動指導を行う機会は多くあるのです。
出産や更年期といった女性のライフイベントに伴う心身の不調や変化に関しては、同じ女性だからこそ理解・共感できるところもありますし、その気持ちに寄り添った指導を行うことができます。
また、この仕事では高齢の方と接する機会も多いため、女性ならではのやさしさ、思いやりによって、対象者に安心感を与えることもできるはずです。
「運動による健康づくりを通して地域社会に貢献したい」という人であれば、男女問わずに活躍することができます。
女性が長く続けられる仕事?
健康運動指導士には、さまざまな活躍の場があります。
民間のフィットネスクラブやスポーツ施設、病院、介護施設、さらには学校の講師、また、経験を積めば独立して仕事をすることも可能です。
正社員として安定した形で働くことはもちろん、パートや非常勤スタッフという形で1日のうち短時間だけ働くこともできます。
資格を持っていることで、一度現場を離れたとしても再び就職しやすいですし、自らのライフスタイルに合わせて働ける職場がきっと見つかることでしょう。
健康運動指導士の求人状況・就職先の探し方
健康運動指導士の就職先にはどんなところがある?
有資格者としての健康運動指導士の求人は、比較的多く見られます。
たとえば介護予防事業に取り組むクリニックや病院、リハビリを行うデイサービス、介護施設、公共・民間のスポーツジムやフィットネスクラブなど、さまざまな施設において必要とされています。
健康運動指導士の求人の状況
求人の内容は正社員としてのものだけでなく、契約社員やパート・アルバイトのものなども多くあります。
どの施設も採用人数は若干名であり、安定した給与や待遇が期待できる正社員の募集の場合、競争は厳しくなる場合があります。
また需要は人口の多い都市部に集中しがちですが、「運動による健康づくり」はどのような人にとっても必要なことであり、いかなる地域でも活躍できる仕事です。
ただし、資格を取ったからといって必ず就職に結びつくわけではありませんし、給料も特別に高額というわけではありません。
健康運動指導士は民間資格であり、たとえば理学療法士や作業療法士といった国家資格を持ってリハビリに携わる人よりも、給与水準が低めに設定されている職場もあるため注意が必要です。
健康運動指導士の就職先の選び方
健康運動指導士の待遇が比較的よいのは病院といわれていますが、医療施設は人気が高く、容易に転職できるとは限りません。
募集も不定期で、人員不足になったときに採用を行うというケースも多く、運やタイミングによるところもあります。
ただし、スポーツジムなどのインストラクターとして働く場合には、基本給に資格手当がプラスされることもあるため、無資格のインストラクターよりも優遇されるでしょう。
健康運動指導士は、これからさらに必要とされていく職業です。
「地域住民の健康づくりに貢献したい」という気持ちを抱いているのであれば、各施設での仕事内容の違いや待遇について詳しく調べておくことが必要です。
健康運動指導士の志望動機・面接
この仕事は、運動やスポーツが好きで、身体を動かす仕事がしたいというところから、健康運動指導士の仕事を知ったという人が大半です。
運動やスポーツに関する資格や仕事は多いため、「なぜ健康運動指導士になりたいのか」という理由をしっかり話せるようにしておきましょう。
健康運動指導士の就職では、専門知識も当然必要ですが、最も重視されるのは現場での対応力といわれます。
新人のうちはとにかく現場に出て経験を積みながら、キャリアを磨いていく努力が必要とされるため、熱意ややる気を見せることが大切です。
また、健康運動指導士の資格だけでなく、ダブルライセンスで働く人も増えています。
国家資格である保健士や管理栄養士、あるいは看護師、理学療法士、作業療法士などを持っていると、より就職先の選択肢が広がったり待遇が良くなったりするため、アピール材料となるでしょう。
就職先はどのように探したらいい?
求人募集の情報は、一般の求人サイトや求人誌、施設のホームページ等に出されるのが大半です。
また「NPO法人 日本健康運動指導士会」の各都道府県支部のホームページにも求人情報が載ることがあります。